テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

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VTRの工夫 2006-08-28

今日から一週間ブログを担当します村瀬一路(カズミチ)です。
皆様、よろしくお願い致します。

テレビ朝日の「スーパーJチャンネル」が、僕のお気に入りのニュース番組です。普段からよく見ているのですが、番組について分析を試みたことはありません。よい機会に、この一週間、自分の好きなJチャンネルを中心に取り上げていこうと思います。

Jチャンネルでは挨拶無しに、いきなりニュースの紹介が始まります。
今日は試しに、トップニュースについて詳しく調べてみます。

○は今回の事故と直接関係のある話題、
▽はコメント(インタビュー)の類、
□はその他です。


<今日のトップニュース>
●4:54 ~ 5:05「飲酒追突3児死亡」

・祭壇に飾られた遺影をスタジオで紹介

4:54 VTR開始
○:「お父さんとお母さんが遺影を抱えて出ていらっしゃいました・・」
 VTR開始。まずは告別式の様子から
○:亡くなった児童の、生前の様子
▽:葬式の様子を「参列者」に聞き、
  彼らの言葉を通して、告別式の様子を伝える

○:事故の概要を説明(事故発生の経緯など)
▽:父親が登場し、事故当時の様子を証言
○:リポーターが事故現場から、現場の様子を伝える
▽:事故を目撃したタクシー運転手のコメント(何故か運転しながら)
▽:母親に、子供達3人を救おうとした時の様子をインタビュー
▽:祖父のコメント

○:容疑者の紹介(容疑者の評判は決して悪くなかったらしいが…)
▽:容疑者の姉にインタビュー(号泣している)
○:「ブレーキした痕がなかった」という情報をナレーションで

□:飲酒事故に関連して、1999年に起きた東京・世田谷区の事故を紹介。番組では今回の事故を”繰り返される悲劇”と位置付ける
▽:福岡市市長、山崎広太郎氏の記者会見?事件についてコメント(場所は屋外)
5:03、VTR終了。スタジオへ戻る


○:現場のガードレールは強度がもろかったという事実を、小宮キャスターが紹介
○:容疑者の、事件当日の行動を紹介
▽:コメンテーター、轡田隆史氏が事件についてコメント。話題終了



ニュース番組ではVTRの占める割合が大きいと思います。
スーパーJチャンネルはそれが顕著な番組の一つではないかと。
スタジオはほとんど使っていません。

VTRの内容をひとつひとつ確認してみて、わずか10分足らずの間に
ここまで色んな情報が伝えられていたという事実に驚きました。
普段は、何気なく番組を見ていたものですから・・・

スタジオよりもVTRのほうが話の展開が早く、
一回で聴き取る内容としてはかなり多いような気がします。
それでいて、VTRは番組のメイン。ならば恐らく、VTRには
視聴者に配慮した工夫がなされているのではないでしょうか。

VTRの内容をざっと見たところ、
インタビュー(もしくは記者の質問を省き、コメントだけいきなり流す)が
かなり多いような気がします。これが、一種の工夫ではないでしょうか。

具体的な効果として、語り手がVTRのナレーターから
いったんインタビュー対象に移ることにより、VTRにメリハリが生まれる。
(上手い例えではありませんが、役者が交代するようなものだからです)
僕はこのように考えたのですが、いかがでしょうか?

仮に僕の考えが正しく、メリハリをつけるためだったとしても、
ちょっとインタビューの類が多過ぎる気はします。
別に、僕はそれを悪いとは思いません。皆さんはどうご覧になりますか。



≪番組データ≫
番組名:スーパーJチャンネル
放送局:テレビ朝日(ANN)
放送時間:16:54~19:00(地域によっては18:17まで)
キャスター:小宮悦子、坪井直樹


【村瀬 一路】

コメント

真実味が増す。

確かにVTRの方が情報量も圧倒的に多いですし、なによりもちゃんと構成・編集してあるので、すんなりと見ることが出来るような気がします。生放送ではインタビュアーのちょっとした間違いも結構気になったりしませんか?それは、私だけでしょうか・・・。

インタビューはVTRに真実味を加えると思います。メリハリを生む効果ももちろんあるのかもしれませんが、すべて取材したものを淡々と流すよりかは直接事件と関わっている人々や加害者被害者と近い人物のコメントのほうが、キャスターなどが話すよりもリアルである感じがします。

それにしても本当にインタビューが多い気がします。
最近は誰彼構わずテレビに出ている気がします。被害者の遺族に加害者の家族まで。それは取材する側が過剰な取材攻撃をしているからか、もしくは別の意図があるのか・・・。テレビに出てインタビューを受けることによって、何のメリットがあるのか私には分りません。

森さん、コメントありがとうございます

>生放送ではインタビュアーのちょっとした間違いも結構気になったり
僕もそうです。あまり落ち着いて見ることが出来ません。

>インタビューはVTRに真実味を加えると思います。
それは間違いないですね。「Aさん曰く、こうでした」
と第三者が伝えるより、Aさんが直接現れて語ったほうが
より効果的でしょうし。

>それにしても本当にインタビューが多い気がします。
そうなんですよね・・・

記事中には書かなかったのですけど、僕は
遺族のインタビュー、いつ行ったものなのか気になってます。
遺族は、比較的落ち着いておられるようでした。
まだ死亡が確認される前だったのでしょうか。だと良いのですが。

もし3児亡くなった直後に、そのことについて
ずけずけと質問していたのなら、僕は多少の憤りを感じます。
番組を作る上で必要なシーンを撮るためとはいえ・・・
あまりにもデリカシーに欠ける気がするのです。

>何のメリットがあるのか
受ける側は、考えようですけど有名にはなりますよね。
打算的な方だったら、視聴者に対して演技までするんじゃないでしょうか。
マスコミと、インタビューを相互に利用しあっていたるケースがあったら恐いですね。

ブログをご覧の皆様へ

も、もう日付が変わってしまいましたが・・・

明日、いや今日の昼までに仕上げないといけない書き物が
まだまだ残ってまして、29日の記事はかなり遅れます。

何とぞご了承下さい・・・。

情報量が多いのはわかった。しかし……

> テレビ朝日の「スーパーJチャンネル」が、僕のお気に入りのニュース番組です。普段からよく見ているのですが、【村瀬一路さん】

なぜお気に入りなんですか? 見始めたきっかけなんかある? どういうところが気に入っているの? 本題とは関係ないが、ヒマなとき教えて。

> わずか10分足らずの間にここまで色んな情報が伝えられていた【村瀬さん】
> 確かにVTRの方が情報量も圧倒的に多い【森 智徒勢さん】

と、二人とも情報量の多さについては評価しているわけですね。しかし、情報というのは量と質なわけだ。質はどうなんだろうか。

まず気づくのは「葬儀の様子」をトップにもってきて、事故そのものよりも「3人が亡くなった悲劇」を強調していること。これはようするに感情に訴えるたいへん情緒的な報道だと思う。号泣する加害者の姉インタビューというのも、泣いて詫びているだけなら、情緒的な映像だろうね。詳細はわからないが、プール排水口事件などでも議論された「生前の様子」も流された。それらは本当に事故を伝えるときに必須の情報なのだろうか。

それと「現場のガードレールは強度がもろかった」というのは、歩道がある側だから、段差を乗り越えて激突するクルマを想定していなかったのでしょう(歩道がない側のものは強度があった)。

すると、誰がそのように想定したのか。それは設計ミスなのか。全国どの橋でも同じなのか。今回、転落しなければ全員助かったのか。──などが、私としては気になるのだが、そのような報道はあったのだろうか。

もう一点、地方や田舎というのは、新宿や渋谷で飲んで電車かタクシーで帰るのとは違って、マイカー以外の交通手段がない場合が少なくないね。で、街道沿いにぽつんとあるスナックなんかで、この客はクルマを運転して帰るとわかっているのにアルコール類を出すケースが多いと思う。そんなことも報道したほうがいいと思うんだけど、やってましたか。

ニュースを見ていて、感じることのひとつですが
告別式の様子などまた遺族のインタビュー映像を見るのは
一視聴者として、私はなんともいえない気持ちになります。
子供を失ったご両親を多くの報道陣の前にたたせるのかなと。
昨夜も、女学生のご両親のインタビューを見て
本当にせつなくなりました。
被害者がどういう気持ちでいるのか、それを知ることも
必要ではありますが、そっとしてあげてほしいと
思ってしまいます。
加害者、被害者誰もがどちらにもなりうるからこそ
このようなことには十分な配慮をしてほしいなと思いました。

坂本先生、コメントありがとうございます

>なぜお気に入りなんですか?
こういう時、正直に答えるのが僕ですよ。

えぇと、実は。番組に声で出演している、
ある声優さん(ナレーター)の大ファンでして・・・(苦笑
とにもかくにもそれが一番大きいですねw

>たいへん情緒的な報道だと思う。
はい。僕もそう思います。
スーパーJチャンネルではよく使われる手法でもありますよ。

ちなみに今回は生前の映像として、3児がお祭りに参加している
ときのものが使われていました。テロップによると、
祭りの関係者が撮影していたものだったようですね。
偶然撮れていた映像を、譲ってもらったのでしょうか。

>泣いて詫びているだけなら、情緒的な映像だろうね。
まさに、そんな感じでしたね・・・。

>歩道がある側だから、段差を乗り越えて激突するクルマを想定していなかったのでしょう
はい、間違いありません。記事中では省略してしまいましたが、
その事実は小宮さんが紹介していました。

>そんなことも報道したほうがいいと思うんだけど、やってましたか。
見返してみると、容疑者が飲酒 していた店のオーナーも
ほんのわずかながら登場していて、記者の質問に答えていました。
「(容疑者、)そんなに飲んでないよ~」と、かなりいいかげんに。
ある意味、実体がよく分かります。そもそも僕は、地方スナックの傾向にまで考えを回すことが出来ませんでしたが・・・

>すると、誰がそのように想定したのか。それは設計ミスなのか。
その件に関しては、触れられていませんでした。
もろかった、という事実を伝えて終わりです。なるほど、
言われてみれば気になる要素ですね・・・

指摘して頂いたおかげで、視野が広がります。
ありがとうございます。

ヴィーナスさん、コメントありがとうございます。

>被害者がどういう気持ちでいるのか、それを知ることも
>必要ではありますが、そっとしてあげてほしいと
>思ってしまいます。
全く同感です。

実際に遺族の悲しむ姿を見ることで、
事件の悲惨さ、人の命の大切さ を実感することが出来ますが・・・

遺族に、遠慮無く突きつけられているマイクなどを見ていると、
取材する側はどの程度、
遺族の気持ちを分かっているのだろうかと考えてしまいます。

見せ方の違い。

>記事中には書かなかったのですけど、僕は
遺族のインタビュー、いつ行ったものなのか気になってます。(村瀬さん)
>告別式の様子などまた遺族のインタビュー映像を見るのは
一視聴者として、私はなんともいえない気持ちになります。
子供を失ったご両親を多くの報道陣の前にたたせるのかなと。(ヴィーナスさん)

私も非常に気になります。
幼児3人が亡くなった福岡の事件と徳山の事件では、事件がおきた次の日には両親がテレビの前で発言していたような覚えがあります。
以前では考えられないと思います。
昔では、被害者・加害者の親族のインタビューは顔が映されず、無理やりに報道されていたような気もします。
が、今では顔も堂々とテレビに映り、なによりも強要されてインタビューを受けている感じがあまりしません。言葉が悪いですが、言ってしまえばインタビューに積極的に応えているような・・・。

うーむ。

>森さん
>言葉が悪いですが、言ってしまえば
>インタビューに積極的に応えているような・・・
・・・そういう例も、あるでしょうね。

「山口 女子学生殺害」 では、両親は顔を見せず、
号泣していました。そして容疑者には早く出てきてほしい、
そうでないと心の整理がつかないと・・・

強烈な訴えでした。このインタビューは、どうでしょうか。

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