テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

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虚像の畠山被告 2006-07-22

前回私が書いた「コメントの並べ方」で畠山被告の精神面は?という話題になったので、今回の記事を書くことにしました。お昼のザ・ワイドでは『畠山被告を心の捜査官と音の捜査官が徹底分析!』という特集を組んでいた。
二人の捜査官は以下である。
□心の捜査官 犯罪心理のプロ 矢幡洋
□音の捜査官 声紋分析    鈴木松美
全インタビューを音声分析したところ鈴木氏は“ちょっと異常な性格というか今までに分析したことのないような性格”とコメントしている。
人は動揺すると周波数がクッと上がる、畠山被告の供述の中には“生きてる”とか“橋”とかの単語を話すときにクッとあがっているのだという。しかし普通の人と違うのは、畠山被告は自分でついた嘘を自らが信じて本当になってしまうのだそうだ。嘘の話を最初にするときだけ動揺し、2回3回と繰り返すうちに周波数は通常になるのだ。
矢幡氏も同様に“頭の中でストーリーを考えて緻密に行動する場合と、ポロリと事実に近いことを言ってしまう。欲と嘘を行動原理とする超単純人間という方が実像に近い”としていた。

このVTRを受けてスタジオでは二人のゲストを迎えていた。その一人常磐大学教授 諸澤英道さんのコメントが非常に興味深かった。
“マスコミでは畠山被告がとても極悪非道な人物像だとしているが、私はそこまで思わない。こういう家族内の犯罪、親子間だったり夫婦間では動機は大してないもので、衝動的に行われることが多い。誰の生活の中にもひそんでいる可能性があるのだ”と言う。
確かに、今日は優しかった、今日はどうもわずらわしい、人と接している以上そんなことは日常だ。それが犯罪にまで発展するかしないかなのだ。畠山被告のコメントの中にも自分で殺しておきながら、我に返り彩香ちゃんがいないことに寂しさを感じ、かわいそうと思う瞬間が見られるといえば、そうかもしれないなと思った。
実際に畠山被告と4回にわたって直接話を聞いていたリポーターは“私の目には悲劇の母親としかうつらなかった”とコメントしていた。
人を殺している以上何かが許されるわけではないが、マスコミの力で悪の怪物と言わんばかりのでっち上げは確かにあるかもしれないと思った。相手も人間なのだ。時に理屈ではわからない感情も生まれるかもしれない。ただ仮に彩香ちゃん殺害を後押ししたのが衝動だったとして、豪憲君殺害の動機にどう繋がるかは気になるところだ。

しかしこのザ・ワイドで私が今まで見ていた報道、情報とは違う見解が出てきてハッとさせられた。
こうして考えると今回の事件に関する報道はとても偏りがあると思った。
被害者が子供ということもあり、犯人は極悪にうつる。それをさらに加速させるような報道。
私はテレビの向こうをつい、自分達が住む現実と切り離して考えがちだ。
どんどんテレビが作り上げるシナリオにハマっていってしまう。
気をつけなければならない、そう深く思った1週間であった。


私情ではありますが、明日は用事があり直接書き込みができません。
事前に書いた記事を坂本先生にアップしていただきます。
そこで少し宣伝です。
私が今4年生と共に取り組んでいるNAPの企画で、新潟で明日から行われるトリエンナーレという3年に1度の芸術祭の応援ウェブサイトを作っています。
私はその中の美術学科の取材に当たっています。5分程度の映像を作りました。明日はまたその取材に向かいます。
まだまだアップされたばかりでこれからどんどん更新していくようですが、良かったらサイトのぞいてみてください。感想などいただけると更に嬉しいです。
http://nap.nihon-u.ac.jp/

●番組データ
番組名/ザ・ワイド
放送時間/月~金曜日 13時55分~
放送局/日本テレビ
出演者/草野仁 森富美

               【米山 明李】

コメント

おっ、出たね、毎度おなじみ、エセ科学の声紋分析

声紋分析は、ハッキリ★★★マユツバ★★★ですよ。(追加の注 この場合について、だよ。声紋分析したらテープAとテープBの話者が同一、という分析結果がインチキとは全然、思っていない)

テレビによく出てくる声紋分析オジサンは、いっつも「誰かの言葉のこの部分は嘘」とわかってから以降の時点で登場し、その声紋を分析して、「ほら、声紋分析からも、ここは嘘」と指摘する人なのさ。

その声紋分析オジサンが、嘘かホントかわからない時点で、誰かの声紋を分析し、「あいつは嘘をついている!」と断言したことは、これまでに皆無なわけですよ。

パロマの★最初の頃の記者会見での同社首脳の発言には嘘があった★、トヨタの★★、水谷建設の★★、三井海上の★★、村上ファンドの★★、ライブドアの★★(注 ★~★は繰り返し)ということ示すビデオテープは腐るほどあるのに、「声紋分析によれば、この部分は嘘」というオジサンは、一度たりとも、世間一般が嘘と知る前に嘘だと指摘したことがない。

なぜか?

 「事前に100%嘘とは、声紋分析では断定できない」から、以外に理由がないだろう。んなこたあ、あったりまえじゃん。

で、そういうことは、もうテレビの専門家がさんざん指摘しているわけよ、新聞紙上とかで。その指摘はタダで読むことができるの。たとえば、以下のサイト。筆者は坂本衛って人。

http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/tv/tokyo02.html#koe

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声でウソが分かるって本当?

 辻元清美・前議員参考人招致の日、テレビ朝日の昼の番組で妙なコーナーを見た。

 辻元前議員の会見の音声を、声紋分析が専門らしい音響研究所の人間が「分析」。周波数の高低やリズムから「ここは隠そうとしているところ」「ここは泣く一歩手前」などと、もっともらしく解説するのである。

 ちょっと待ってくれ。

 ここまでの経緯を見れば、「隠そうとした」のは、子どもでも指摘できる話。参考人招致では思わず落涙したのだから、「泣く一歩手前」も、誰にでもできる指摘じゃないか。

 「いや、確かに声で分析できる」というなら、辻元議員のように隠そうとしたのがバレちゃったケースでなく、鈴木宗男議員や山崎拓幹事長の声を分析してみせてくれ。彼らのコメントVTRは山とあるはずだ。

 名誉毀損に訴えられる覚悟で「ここは隠そうとしている」と分析してくれたら、私はこれをインチキじゃないと認め、この欄で謝罪する。(「東京新聞」2002年4月28日朝刊)

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「世の中のたいていのことは、すでに誰かがいっている」って、授業でいわなかった?

坂本見解の見つけ方

ところで、米山明李さんの記事の後半部分には、坂本は異議はないですよ。その枕として使っている事例が「まがいもの」とは気づいていないようだから、上のコメントで指摘したまで。

それでね、何か書くと、坂本に突っ込まれて心配だという人は、次のようにしなさい。

【例】「声紋分析」について、坂本の見解を調べるとき

●Googleに「声紋分析 坂本衛」(半角スペースで区切る)と入力し、坂本サイトの該当ページを探す。

●坂本サイトにある「サイト内検索」のページに行き、「声紋分析」と入力し、[MAMO's検索]ボタンを押して、該当ページを探す。

http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/sitemap.html

こうすれば、だいたいのアウトラインを押さえることができるでしょう(坂本が何かいっている場合に限っては)。それに反論したけりゃすればいいし、参考にしてより深いことや新しいことを書いてもいい。

困るのは、坂本が何年も前にたとえば「××は間違っている」と書いたとして、このブログに学生諸君が「××は正しい」と、正反対の見解を書くこと。

もちろん何を書いてもいいんだが、坂本が何日もかけて調査し、何人にも会って取材し、何日もかけて考察のうえ、新聞や雑誌など公開の場で書いたことを、ひっくり返そうってんだから、それなりの準備が必要なのは当たり前。それをせず、ただ上っ面の感想だけ書いて、それが坂本の見解と逆だった場合は、ボコボコにされて当然でしょ。

一応某サイト管理者な俺

掲示板におけるTVゲームのスレッドでも、
テンプレやまとめサイトに書いてあるような事を質問してくる人は多いですね。

そんな既出事項を見て最も動揺するのは、
まとめサイト管理人でしょう、恐らく(苦笑
坂本先生のお気持ちは少なからず分かるつもりです。まぁこちらは娯楽の世界ですが・・・。

>米山さん
サイト見ましたよ。レイアウトとか素敵ですね。
動画もあって情報量は申し分無い。いいと思います。

要望としては、サイトマップが欲しいです。
コンテンツによって全てデザインが異なるのは凝っている反面、少し使いにくさも覚えるので・・・

あと情報量が多いゆえに、各コンテンツをじっくり見ないと分からないことが多いなと感じました。
情報をまとめたページがあると、親切かなと思います。
動画も、「動画コーナー」を作ってまとめて展示したほうが便利 かも知れません。

以上、勝手な意見・感想でした。

ゲストの話。

>常磐大学教授 諸澤英道さんのコメントが非常に興味深かった(米山さん)

私も、このコメントを読み非常に興味深いと思いました。
今回の事件の報道で、畠山被告は非常に極悪人のように報道されていました。その上、発言についてうそも多く、視聴者の被告に対するイメージはかなり悪いと思います。
その上で、常磐大学教授 諸澤英道さんのこのコメントは視聴者に違った見方をさせる効果的なものだと思います。

ただ“私の目には悲劇の母親としかうつらなかった”と語ったレポーターは、畠山被告とどのような接点を持っていたのか分りませんが・・・。

ところで、誰か知らないか?

ところで、24日からの担当者を誰か知らないか?
まだメールが来ないので、パスワードを送ることができん。
メールが来ないと、その者は落第するわけで、
誰か知っていたら、警告してやってくれ。
ま、いま23日22時31分だから、あと1時間半のはかない命なのだが。

> 既出事項を見て最も動揺するのは、まとめサイト管理人でしょう、恐らく(苦笑 【村瀬さん】

いや、別に動揺なんて全然してない。いちいち反論するのが面倒くさいだけよ。

恐ろしい欠落

すいません、そんな深刻な状況の中・・・。
 私も未成年時代には周囲とあまりうまく関係を作れなかったほうだから思うのですけど、彼女は人間関係のデフレスパイラルにはまっていたんでしょう。周囲が信用できない状況で周囲に攻撃したり敵対したりして、それがまた周囲との断絶を生んでいくという。自分だけでも信じられるのならばそれでもいいんだけど、そうでなければ信じられない自分をウソでも信じていくしかなくなってしまう。こういう状況からの脱出は、よほどのことがないとなかなかできないもんです。
 ところが、そういう状況にいなかった人にとっては、今回のザ・ワイドのようにきちんとした説明がないと、そこまで思い至らないわけです。これはとても恐ろしいことです。報道部にしてもそれ以外にしても、それだけの想像力を持っている人がいればいいんだけど、勝ち組であろう放送局がそこまでできるかどうか。

おぉ...

>坂本先生
なにかかっこいいですw
動揺ってのはあくまで俺の場合ですね。
失礼致しました。

世間一般の見方と違うこと

米山さんの記事でとってもいいのは、常磐大学教授 諸澤英道さんのコメントを、

“マスコミでは畠山被告がとても極悪非道な人物像だとしているが、私はそこまで思わない。こういう家族内の犯罪、親子間だったり夫婦間では動機は大してないもので、衝動的に行われることが多い。誰の生活の中にもひそんでいる可能性があるのだ”

と紹介したあと、「ハッとさせられた」と正直に書いていることです。この感覚は、私はとてもいいと思いますね。

というのは、諸澤さんのコメントに対して「何いってんだ、この野郎!」と瞬間的に反発する視聴者のほうが、たぶん多いんじゃないかと思うから。

この点、諸澤さんの発言はあえて世間一般の見方と違うことを指摘する勇気ある発言だと思うし、それを紹介した番組もよかったと思う(音のほうがハズレなのは、困ったちゃんといわざるをえないが)。

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)
 

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