テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

供述とその検証 2006-07-19

昨日、今日と最近寒いですね…7月も中旬なのに…。
今日の「イブニング5」でも番組のトップ約14分は“記録的豪雨”についての報道でした。
長野・福井・岐阜・京都・岡山・島根の6府県で7人死亡、12人が行方不明となっています。
土曜日からずっと降り続いている雨、長野県では616ミリという強烈な数字を残しています。
観測史上1位だそうです。
各地での土砂災害、観光客は足止めをくらい、人々はみな避難しているようです。
自然の力の前では人間はいつも無力ですね。
早く梅雨が明けますように…。


昨日に引き続き畠山被告を追いかけていきたいと思います。
「イブニング5」では、畠山被告の2転3転する供述を検証していました。
□検証1
畠山被告の彩香ちゃん殺害についての新供述
「サクラマスを見に行こうと言われ大沢橋へ行った」

秋田県警は昨日会見で“被疑者は平成18年4月9日午後6時45分頃殺害した、と供述している”と発表した。
これに対しイブニング5では畠山被告は以前、釣り道具店に勤めていたこともありサクラマスを見に行く行動としては自然とし、しかし時間に矛盾を感じていた。午後6時45分という時間は日没から30分たっている。
そんな中、川の中のサクラマスが見えるのだろうか??
イブニング5では実際に日没から30分たった現場を映像として残していた。
サクラマスどころか街灯もない川原は見事に真っ暗だった。
魚を見に行くという供述はとても不可解である。

□検証2
「彩香が駄々をこねるのでイライラして橋の欄干から突き落とした」

橋から水面までは8メートル。
彩香ちゃんの体は外傷は頭部のみとされている。
8メートルの高さから岩や石が待つ川へ落とされたときの衝撃は一体どれくらいなのか?
聖徳大学の木下昭一教授は
8メートルの高さから35kgの重さの物体が落下すると
落下速度=45km/h
受ける抵抗186kg
つまり186kgもの重さが時速45kmの早さで彩香ちゃんにのしかかるということだ。
とても頭の傷ひとつじゃすまなそうである。

この二つの検証はとてもわかりやすく親切と感じた。
ある意味小学生などが見ても理解できるであろう。夕方5時の報道番組ということもあり、幼稚園や小学校の子供、その親が割りと家にいる時間だと推測される。
そこを狙ってなのか?
しかしこうした児童連続殺人は、もはや小さな子供を持つ親にとっては人事ではないな、と思った。
けれどこの数日畠山被告に関して少し詳しくなったつもりでいるが、警察も報道陣も彼女の発言に振り回されている。
今回、警察が当初事故としたことに批判が集まっているがそこに大きく関係しているのは警察犬だと報じていた。
車に乗ったりするとそこから臭いは消える、けれど川原に続く道の近くに彩香ちゃんの臭いがあり、さらに川原の側には足跡が…警察は事故とした。理由がそれだけではないにしろ、誰か車を運転する人と一緒にいた可能性やら、実際川原へ続く道には車が入れる、そういった事件への可能性を警察はあまりにも早い段階で削除してしまったように思う。
畠山被告自身にも何か大きな問題がありそうだが、今回は警察にも厳しい目が向けられていると思った。


●番組データ
番組名/イブニング5
放送時間/毎週 月~金曜日16:54から
放送局/TBS
出演者/三雲孝江、後藤謙次(共同通信編集委員)、森田正光、池田裕行、小倉弘子(TBSアナウンサー)

            【米山 明李】

コメント

事件がとても曖昧

事件が長期化すると、警察への疑いもハッキリ出てきますね。すんなり事故で片付いていたらこうはならなかったでしょう・・・これは、良かった、と言っていいのか。

検証の内容が分かりやすいのは、時間帯を考慮してということもあるでしょうが。マスコミが分かりやすく説明出来るくらい、畠山被告がいいかげんな供述をしている、ということでもあるでしょうか。

心理が読めない・・・

担当お疲れ様です。
だんだんと事件が解明されているようですが、どうも村瀬さんが言うように畠山被告の発言にだいぶ惑わされるというか、二転三転しすぎて一体どの話が真相なのか分からなくなってきました。
 同時進行で「警察のミス」も叫ばれていますし、単なる「幼児殺害事件」で終わる気はしないのですが、どちらかに比重が置かれ、片方の問題が消えてしまうのではないか・・・と少し不安になりました。

供述の信憑性。

私も、村瀬さんと高谷さんが書かれた様に、畠山被告の発言が二転三転しすぎて、畠山被告の発言はすでに信用できそうにも有りません。どの番組を見ていても信用できません。
しかし、畠山被告の言葉は、警察発表と弁護側からの発表からしか得られるものは無く、非常に難しい所だと思います。

警察への批判もかなり強まりましたが、これは事件が報道され始めた当初から疑われていたものであり、もっと早く報道されてても良かったのではないかとも思います。

米山明李さんへ、質問というか疑問

はい、お疲れ。

検証1、2とも、2人の幼児(うち1人は実子)を殺したとされる容疑者の言葉が本当か、テレビが検証したわけですね。

この容疑者が、何か月か嘘をつき通していて、警察やマスコミや近所の人を騙していた大嘘つきであることは、明らかだね。供述もクルクル変わっている。

そこで質問。その供述の一部をとらえてテレビが検証することに、どういう意味がある(何に役立つ)のだと思いますか? 米山さんなりの「報道」の定義があると思うんだけど、それはどういうものですか?(検証1、2はその定義によく当てはまる?)

以上二点の考え方を教えて。

定義と呼べるかはわかりませんが…

みなさんコメントありがとうございます。

そうですね、畠山被告の供述にはもはや信用というものはついてこない状況にまでなっていますね。けれど、それを煽っているのは確実にマスコミの力も加わっていますよね。
秋田県警の会見でもマスコミが警察に謝罪を求めていました。しかし警察も畠山被告にだまされた被害者の一人なんですよね…だから事件の詳細がハッキリしてきた今になって”あれ?じゃ警察あん時…”みたいな感じで報道されるのに時差があったのではないか、と思います。

>坂本先生へ
 供述を2転、3転している畠山被告の新供述が明らかになった→それがどんなものなのか知りたい

テレビがこの視聴者の欲求を満たしたと思いました。
確かにテレビから流れてくる情報を鵜呑みにしてしまうことは危険なので全て正しいとは思いませんが、少なくとも私よりは情報量があります。だから参考にする。
それぞれが事件を受け止める上で、テレビからの情報を参考にすることはいいことだと思います。
私はテレビはそもそも人が物理的に実際に見に行けない世界や、リアルに知れない世の中で起きている事柄や状況を真実に基づいて正しく情報を伝える為のものだと思っています。
今回のこの検証1、2に関しては本当に畠山被告の供述を簡単な実験や検証で、簡単にひっくり返してしまえるものだった。
おかしな点や、食い違いがすぐにバレてしまった。
私は今回の検証1.2は良かったのではないかと思います。

もう一歩進んで,独自の仮説の提示

坂本さんの問いには学生の方に答えていただくとして。

テレビ朝日系列は『ワイドスクランブル』で「大沢橋」が嘘であると検証の上で断定し,「別の橋からの投機説」を展開しています。また,TBS系列も『きょう発プラス!』では「共犯とはいわないものの“影の男”の存在」をもっともらしく解説しています。

供述の後追いしかしていないとみえる警察よりも,元・警察官を動員しての「ワイドショウ警察」による検証や捜査のほうが説得力がありすぎます。

これは秋田県警(能代警察署)が無能だから,なんでしょうか。

確かに…

ワイドショーなどの見解、検証が説得力を持っているのは見ていてとてもわかります。
警察が今どんな捜査をしているのか良くわかりませんが、畠山被告に振り回されすぎたのは確かですよね。

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●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)