テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

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開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

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ジダン頭突き問題 2006-07-13

今日は「モーニング」(テレビ朝日系)について触れてみたいと思う。トピックと放送時間は以下の通り。


トピック                  放送時間(約)
1、“頭突き”の真相は?ジダンTVで釈明。        14分
2、議長国・仏の新提案で日本孤立か?          3分30秒
3、甲斐智枝美さん(43)急死。広がる動揺、深まる謎。 10分
4、中村獅童(33)酒気帯び、信号無視で取り調べ。   6分20秒
5、うなぎの値上がり三つの原因とは。          8分15秒
6、ミサイル“瀬戸際外交”金総書記の誤算。       31分10秒
7、主婦55歳の体に残る“120粒の散弾”の悲劇。   15分10秒
8、芸能界“落ちこぼれ”アイドル、腕相撲世界チャンプに。15分10秒
9、商店街サバイバル作戦3。「北の屋台」の挑戦。     5分20秒
10、上戸彩さんジャージ姿で登場。木曜ドラマで劇団員熱演。 3分10秒
11、集団“食い逃げ”高校生らを逮捕。          1分10秒


この中で「モーニング」がトップニュースに持ってきたジダン“頭突き”問題について再び取り上げたいと思う。

このトピックのVTRの内容は主に、アルジェリア系移民の子として生まれたジダンの生い立ち、フランスは移民系の人々が人口の約8パーセントを占める移民大国であるという事実と、今大会ブラジルとの準々決勝の試合前におけるジダンの人種差別撤廃の声明映像。去年11月頃から起こった、移民2世、3世の若者による暴動の様子などが報じられた。

これだけ見ればジダンの“頭突き”の真相がイタリア代表マテラッツィの人種差別的発言によるものだと錯覚する視聴者がいるかもしれない。しかし日本時間で13日午前2時40分に行われたジダンのインタビューの内容は要約すると以下のようなものだ。

「母や姉に対する侮辱の言葉を三度も言われた。」
「罪があるのは挑発した方にある。」
「世界の子供たちやファンに申し訳ないことをしたと思うが自分のした行動に後悔はしていない。」 
「(マテラッツィに言われたことは)非常に深刻なこと、しかも“個人的”なこと。」

このようにジダンはマテラッツィに言われた言葉については具体的な表現は避けた。しかもマテラッツィに言われた言葉は“個人的”なものだと言っている。

たとえジダンの言われた言葉が差別的発言であり政治的配慮でジダン自身が具体的な言明を避けたのだとしても、事の真相をはっきりと知らないメディアが、決め付けに似たような報道をするのはどうかと思う。

報道に推論が含まれてしまうのは場合によってはやむをえないが、この件に関しては人種差別的発言があったという推測が大きく報じられすぎている。他の推論があってもよさそうだがジダンの生い立ちのバックグラウンドから差別的発言を大きく取り上げすぎている。いくつも推論がある場合、視聴者はどれが正しいか自ら考え、選び取る(もしくは視聴者自身の推論をたてる)ことが可能だが、このようにひとつの推論ばかり報じすぎるとそれが事実ではないかと錯覚する視聴者も出てくるのではないか。一つの推論により過ぎていることが問題なのだ。

推論での報道は視聴者に対し間違った意識を植え付けることがあるという結論は11日の書き込みの結論と重複するものであるが、(今回のトピックの中では特に)報道のあるべき姿が問われる問題であると思い、再度取り上げることにした。                                                                                                    番組名/スーパーモーニング テレビ朝日系
  月曜~金曜7:30~9:55 放映/司会 渡辺宜嗣・野村真季


                     【正留 英一】

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)
 

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