テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

「ニュースJAPAN」についての考察 2006-07-12

今日は「ニュースJAPAN」について触れたいと思う。司会の滝川クリステルに見とれつつ番組について考察してみた。

トピックとそのトピックに割かれた時間配分は以下のとおりだ。

トピック 時間配分
1、“激安家電”の秘密。窃盗の一部始終。     1分15秒
2、新宿高島屋で飛び降り。男女三人巻き添え。 40秒
3、渦中のジダン「真相」告白か? 4分30秒
4、安保理協議「制裁」か?「議長声明」か?  6分15秒
5、小泉首相・イスラエル首相「目には目ではなく」 45秒
6、「ゼロ金利解除」へ。住宅ローン金利政策は? 4分20秒
7、中村獅童「酒気帯びで」謝罪。 25秒
8、岡山。車が住宅に突っ込み爆発炎上。 30秒
9、貴重映像、マツバガニ脱皮。 22秒
10、中学教師が女子更衣室に“盗撮”カメラ。 30秒
11、インド同時多発鉄道テロの衝撃波。 1分29秒


私の目を引いたのは、インド多発テロに割かれた1分29秒という時間。12日朝に放送された「みのもんた朝ズバ!」(TBS系)ではこの事件をトップに置き、大きな時間を割いて放送していた。
スクープ性があったために朝は多くの時間を割いたというのもいえるが、朝と夜でこうも違うものかと驚いた。


たとえばワイドショーにおいては他の時間帯に比べると芸能関係のニュースに多くの時間割くことが多い。テレビはどれだけ視聴率を稼げるかというのが一番の目的である。したがってその時間帯に見るであろう視聴者層(ワイドショーであれば主婦層)をターゲットに番組の構成や各トピックに割く時間配分を考える。放送時間帯が一緒であってもそのニュース番組の「色」(どのようなニュースを重視するか)によってもニュース内容や割く時間は変わってくる。

この「ニュースJAPAN」に関して言えば、「住宅ローン金利政策」に対し、トピックの中で三番目に時間を割いている。「ニュースJAPAN」の時間帯は23時30分から23時55分。この時間帯に起きている年齢層は大体が若者か、もしくはサラリーマンなどの中年層。中年層にとって「住宅ローン金利政策」のニュースは生活に関係してくる問題であり一番身近な問題である。

ジダン退場、安保理協議、住宅ローンのトピックに多くの時間を割き、インド多発鉄道テロをあまり大きく取り上げなかったのは、製作者は前者の方が視聴率を稼げると思ったからなのだろうか?

また私は逆にテレビの報道の仕方で視聴者のそのニュースに対する関心の度合いを操作することが可能なのではないかとも思った。

たとえばインド多発鉄道テロのニュースをトップに持ってくるのと後に持ってくるのとでは視聴者のそのニュースに対する印象は全く変わってくる。トップニュースに持ってくる、あるいは大きな時間を割く事件は視聴者としては今、起こっている事件の中でも特に大きな事件、注目すべき事件であると錯覚することがあるのではないだろうか?

このように時間を計って番組を考察することでテレビ製作者側の意図や思惑が見えたように思う


《番組データ》LIVE2006「ニュースJAPAN」
キャスター/ 松本方哉 滝川クリステル
放送時間/月~木 午後11:30~1155
金 午後11:50~*
 *オフィシャルサイトで調べたのですが金曜は午後11:50~としか書いておらず詳しい終了時間はわかりませんでした。


【正留 英一】

コメント

新しいほうがいい

朝やったニュースを夜あまり取り上げないのは、視聴者が既に夜の番組を見るまでにその事象についてはある程度の知識をもっているからじゃないですか?ニュースのように刻々と変化するものは、朝と夜で同じ内容を伝えられても視聴者が新たに得る情報はあまりないと思われます。それよりも、新たなニュースや発展のあったニュースに時間を割いたほうが視聴者の興味を持続させられるんじゃないでしょうか。

朝とか夜とかいってるけどね

あのね、大雑把にいってニュース番組は朝・昼・夕方・夜とあるわけだ。

で、朝大きく取り上げるとか夜大きく取り上げるとかいってるけど、ある時間にある事件が起こったとき、それを最速で取り上げることのできる時間帯のニュースが、その事件をもっとも大きく扱うのが普通じゃないですか。

以上は第一報の話で、その後に第二・第三報が入るとか、その後に事件が急拡大するとか、その後に事件は急速にしぼんでしまうとか、事件によって展開が違うし、視聴者の興味も異なる。

その後のニュース番組での取り上げ方は、以上の展開や視聴者の興味によって大きく異なるのであって、それに比べたら朝・夕・夜による異なり方は小さいんじゃないですかね。

ようするに「朝と夜でこうも違うものかと驚いた」というが、その違いは朝か夜かに起因する違いではないでしょう、といいたいわけです。

確かに....

>朝やったニュースを夜あまり取り上げないのは、視聴者が既に夜の番組を見るまでにその事象についてはある程度の知識をもっているからじゃないですか【山本さん】
>ようするに「朝と夜でこうも違うものかと驚いた」というが、その違いは朝か夜かに起因する違いではないでしょう、といいたいわけです【坂本先生】


最新の情報を視聴者に伝え、大きく扱うのは当然といえば当然ですね。約200人という死者を出しながらあまり大きな扱いをしなかったので、考察してみたところ、自分としてはこのような考えに至りました。

望ましい手続き

>約200人という死者を出しながらあまり大きな扱いをしなかった(正留 英一さん)

【事実】
「みのもんた朝ズバ!」は、インドテロを、大きく扱った。
「ニュースJAPAN」(同日夜)は、インドテロを、小さく扱った。

【疑問/問題提起】
「扱う大きさ」の違いは何に起因するか?

【仮定】
・朝と夜で時間帯・想定視聴者が違うから。
・TBSとフジは、テロに対するスタンスが違うから。
・TBSはネタを入手でき、フジはできなかったから(局による)。
・第一報は大きかったが、続報がないから(全局共通)。
・朝の視聴率が低く、視聴者の興味が薄いと判断したから。
・TBS担当者はテロに関心があり、フジ担当者はなかったから。
・TBS朝はネタ不足、フジ夜はネタ十分だったから。
・あるいは……
・または……

【検証】
 略

【結論】
 略

と進めて、結論に至るのが本来望ましい手続きだ、ということはわかるね。では、あなたはそのように考察したか? 自分に足りないところがあったとすれば、どこだろう(たとえば、まだ勉強途上なんだから当然だが、ニュースの現場をあまり知らない。だから、検証すべき仮定の列挙が不十分、とかね)? よーく考えてみよう。

追加

まあ、あれだ。検証は、とても時間がかかってたいへんだ。だから、毎日書くブログでは、仮定を列挙して、自分はこう思うと結論(推論)し、みんなの意見を聞く、くらいのスタンスでいいんじゃないかい。

ローカル枠

10,11って,系列局がローカル・ニュースを流す2分間枠だと思うんですが。だから,首都圏ローカル? 大事件の続報なのに?

時刻と内容

正留さん、私はおっしゃるニュースJAPANの前日に「WBS」見てましたけど、23:50頃に番組内で第一報が入ってました。ということはおそらく、この日(正留さんが見た前日)のニュースJAPANでも第一報は入ったんじゃないですかね。
 ところで、確かに視聴者の中には朝や昼にもう第一報を知りましたよ、という人が多いと思いますけど、「ニュースステーション」以来、局単位よりも番組単位で番組を作る傾向にありますので、番組としてきちんと取り上げないというわけではないんじゃないか、と推測します。

 赤尾さん、確かに「すぽると!」に移る前にローカル枠が存在しますね。でも、お金のない局を中心にキー局のをそのまま流す地域も少なくないですし、キー局もローカル枠を関東ローカルに限定せず便利に扱ってる傾向があるんですよね(ネットする局にとってもその方が都合がいい)。静岡県に折られるとその当たりよく見えると思いますが。

▼ コメントをどうぞ!! すぐ上(既存コメントの末尾)に追加します。

表紙(最新ページ)へ

月めくり

≪≪ 2017-05 ≫≫
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

年月別の記事

内容別の記事

3.11巨大地震発生から

最近の記事10

最近のコメント10

主宰者から

日本大学藝術学部放送学科

●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)