テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

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開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

北朝鮮ミサイル発射 2006-07-10

7月10日から7月16日までこのブログを担当することになった正留英一です。
書き込みが遅れてしまい申し訳ありません。これから一週間よろしくお願いします。

今回は「とくダネ!」について述べたいと思います。なぜ「とくダネ!」を選んだのかというと、理由はただ単に、先生が「「とくダネ!」はよくできている。」といったから。ただそれだけ……

なぜよく出来ているといえるのか?それまで「とくダネ!」をちゃんと見たことはなかったのですが、これをきっかけにビデオまでしっかりとって検証してみました。感想としてはやはり先生が言ったように、よく出来ているなと思いました。

「とくダネ!」は討論とまではいかなくとも、ある種、討論的な要素があるように思いました。討論とはひとつの問題に対してたくさんの意見を交え、答えを導き出すというものですが、「とくダネ!」もひとつの事件に対して様々な意見をコメンテーターや専門家から様々な意見を取り入れることで多角的な視点でニュースを見ることが出来ます。そこが「とくダネ!」のよいところだと思いました。

さて本題に入りましょう「とくダネ!」の主なトピックは次の五つ。
・ W杯決勝。速報ジダン引退試合。
・ 滋賀 酒気帯び運転で母子死亡。
・ 阪大生母親を撲殺。
・ 北朝鮮ミサイル問題。
・ 地域格差をなくせ!今求められる抗がん剤専門医を特捜せよ!

今回は四番目の北朝鮮ミサイル問題について触れたいと思います。
このトピックの終盤で額賀防衛庁長官の北朝鮮ミサイル基地を自衛隊が攻撃できるかどうか、法律面を含め検討すべきという旨の発言に対し、関東学院大学教授丸山重威教授が下のようなコメントをしました。内容を簡潔にまとめると次のようになります。
笠井アナ「額賀防衛庁長官の発言についてどのように思いますか?」
丸山氏「大変危険な発言であり、政府がすべきことはそういうことにならないようにどうするかであって、(ミサイルが)打たれた先の話をすべきではない。」
笠井アナ「有事法案関連法で武力攻撃を規定したがそれを根拠にその筋で話を進めていくという論法は成立しないか?」
丸山氏「九条の条項に書いてあるというだけでなく、戦争を二度とやらないと私たちは決意をして、その中で国際的な関係を築くという発想の中で日本国憲法は作られた。政府は攻められたらどうするかばかり考えている。攻められるのではなく攻められないようにどう話を深めていくかというのをやらなければダメだと思う。また政府当局者はこのような発言をすべきではない。北朝鮮にそのようなことをしないで欲しいといえる関係を築くことが大切。」

素朴な疑問として私は「じゃあどうすればいいの?」と問いたくなった。
確かに丸山氏の意見は正論であり、それで解決するのは理想ではあると思う。しかし事態がここまで進んでいる今、攻められたときのことを考えて対策をとっておくのは間違いではない。これまでの外交上の経験から話の通じない相手であるのはわかりきったことなので後のことを考えるのは仕方がないことではないだろうか。

一方で額田防衛庁長官の発言にも疑問が残る。そのような発言は自衛隊の成否についてもいえるが、憲法九条に反しかねない。ましてやアジア近隣諸国が不信感を抱くのは間違いないだろうと思う。

《番組データ》
     番組名/とくダネ! フジテレビ系/
     月曜~金曜 朝8:00~9:55放送/ 司会/小倉智昭・笠井信輔


        【正留 英一】

コメント

「じゃあどうすればいいの?」の回答

> じゃあどうすればいいの?

1)日米安保の枠組みを最大限活用する。
●日米安保は空手形ではない。日本にミサイルを撃ち込めば、米軍は必ず反撃する。弾頭に核または生物化学兵器が搭載された場合は、核兵器をもって反撃し、北朝鮮を殲滅させる。その準備はできているし、中露も暗黙の了解を与えるであろう。──と繰り返し主張し、その証拠を見せつける。
●日米安保の現行の枠組みのままで、北朝鮮ミサイル基地を先制攻撃することもありうる。日本列島にミサイルが撃ち込まれるという明白な証拠をつかめば、米軍は日米安保条約の規定に基づき基地を叩く。──と繰り返し主張し、その証拠を見せつける。
注)以上は、たとえば「日本の戦争力」著者・小川和久氏(聞き手は坂本)のメッセージ(同書に書いてあるし、ここ数日テレビでも語っている)として、確実に日本政府に伝わっている。最高レベルの政府高官が、すでにこの件で小川和久氏と話をしている。

2)国連の枠組みを最大限活用する。
日本政府はすでに国連安保理でやろうとしている。中国は、いま説得中だから待ってくれといい、日米もこれを了解した。

3)六カ国協議の枠組みを最大限活用する。
以上1)2)によって、六カ国協議に北朝鮮を復帰させようと、北朝鮮を除くすべての国が画策している。

丸山教授のいう、ミサイルを撃ったらどうする以前に、ミサイルを撃たせない手立てを尽くせというのは、まったく当たり前の話。日本は、その手立てを何十年も前から「持っている」。

ミサイル防衛システムは中長期的なテーマであり、目先の解決策にはならない。自衛隊に先制攻撃能力を持たせるというのも同様。イラクに自衛隊を出すだけでも、国会でさんざんもめ、最後は乱闘騒ぎのなか強行採決した。それは5年10年議論すべき「憲法改正レベル」の話。しかも、日本がアジアで生きていくためには、やるべきではない。

そんな能力は持たないと、自ら手足を縛り、周辺国の信頼を獲得したほうが、はるかに得策。それでも、同盟国アメリカがその能力を持っているのだから問題ない(後からの注 アメリカのやり方に疑問がある場合には、もっと堂々と注文をつけなければダメ。たとえば内戦状態を招いたイラク占領政策の失敗)。日本がその能力を持とうとすれば、核武装に行きつく。そんなことは、中露朝鮮はもちろんだが、ほかならぬアメリカが絶対に許さない。

たしかに日米安保の枠組みを最大限活用するというのは有効な手段であると思います。『日本が弾道ミサイルの脅威にさらされる、もしくはさらされるという明白な証拠をつかめば、集団的自衛権を行使して米軍がその基地を叩く』という主張を繰り返し、その証拠を見せつけるというのは、相手国に対する大きな抑止力になるのは間違いないと思います。
 ミサイル防衛システムと自衛隊に先制攻撃能力を持たせるというのもたしかに中長期的なテーマであり、しっかり吟味されるべき問題で、目先の解決策にはなりません。特に先制攻撃能力を自衛隊に持たせるというのは近隣のアジア諸国の反感を買うのは必至だとおもいます。しかしミサイル防衛システムに関していえば将来的に考えて、有効な手段であると思います。ミサイル防衛システムは弾道をミサイルで打ち落とす技術であって、敵がミサイルを発射しない限り、迎撃はありません。それなら日本が防衛政策としてかかげる専守防衛の理にかなっているといえます。
 アメリカにミサイルの対処をすべて任せるというのも、アメリカに追従する形にみえます。
自国の防衛的な努力をし、自分の国は自分で守るという意識を持つことは当然のことではないでしょうか。

政治家はどこまで自覚しているか?

★★★コメントには、タイトルを付け、パスワードも付けよ。下記ページを参照
http://htkv.blog68.fc2.com/blog-entry-2.html

以下、本題-------------------------

> 米軍がその基地を叩く』という主張を繰り返し、その証拠を見せつける【正留英一さん】

そうなのだが、やり方には細心の注意が必要だ。北朝鮮は「アジア的専制」のモデル国家の一つで、金王朝が軍部と結びついた、戦前の日本(やドイツ)のような国。追い込みすぎてはダメだし、とりわけ戦前の日本でいえば天皇の侮辱に当たる、軍部や国民を感情的に爆発させるような挑発をしてはダメなのだ。ブッシュのような露骨なやり方は、イラクでわかったように必ずしもうまくいかない。

この点、現在の日本政府のイケイケどんどんの強硬策は、落としどころが見えていないのではないかという懸念がある。国民を煽る一方のメディア(テレビや週刊誌)報道も、非常によくない。

北朝鮮は求愛を恫喝で示し、圧力をもって対話を求める。必要なのは、つねに「対話と圧力」で、対話のパイプは必ず開けておかなければならない。中国・韓国・ロシアのパイプは開いており、盛んに対話の場に戻るよう説得している。日米は表面的には圧力路線だ。中韓露と日米の「役割分担」という自覚があれば、ある局面はこのやり方でもいい。

ただ、政治家どもにその自覚があるかどうかハッキリしないことが、非常に問題なのだ。日頃の言動から、こいつは本気で自衛隊が先制攻撃できるようにしたいらしい、と思えるヤツがうじゃうじゃいるんでね。

「圧力」の加減を考えるべき


>細心の注意が必要だ【坂本先生】
確かにその通りです。
私が一番恐れているのはいつ北朝鮮が「暴発」するかということです。

もし今、金正日政権が戦争を始めれば確実に崩壊するでしょう。そして戦争しなくても経済状態が極端に悪化して、政権を維持できなくなった場合、つまり戦争してもしなくても崩壊する場合、最後の手段として北朝鮮が戦争を始める可能性はあります。

そんな追い詰められた状況で日本側が今回のような挑発的な言動(もしくはそれ以上の挑発的な言動)を行えば、北朝鮮の「暴発」の危険性はさらに高まるでしょう。

日本政府の「圧力」の加減が重要だと思います。

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)