テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

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金正日のリーダーシップ低下 2006-07-09

ついに私が受け持つ最後のブログになってしまいました。
0時までに書き終えられるか不安なので、急ぎ足な文になってしまいそうですが寛大な目で見ていただけるとありがたいです。

「報道特集」で北朝鮮について放送することを知ったので、見てみました。
1時間丸々ひとつの話題だけを徹底的に詰めるので、あれやこれやといった疑問が次々解決されていくようで見ごたえがありました。

 テポドン2の発射は本当に失敗だったのか。
 なぜあの日にミサイルを発射したのか。
 ミサイル発射の理由は何なのか。

自分自身知りたかったことが紐解かれていったのですが、この番組における発言や証言も真実かどうかは定かではないので、詳細を書くのはやめにしておきます。
ただ、知りたかったことを誰かの口から断定的な発言で聞くことが出来たということにおいて、私の欲求がかなり満たされたことは事実です。

朝鮮労働党に精通するロシア在住の人物とのEメールでのやりとり、元北朝鮮ミサイル技師の話。
内部のごく一部の人でしか知りえないであろう情報をつぎつぎと話す様には、気持ちよさが半分と疑惑が半分ずつ沸いてきました。

番組の中で特に気になったのは、金正日のリーダーシップについてです。
金正日といえば北朝鮮の最高指導者であり、彼に逆らえる者など居るはずもなく、進言さえも許されないような人物だと思っていました。
しかし実際のところ北朝鮮という国は「先軍政治」と呼ばれる、党よりも軍の意見が優先される状況にあるというのです。
つまり、今回のミサイル発射についても金正日総書記が命じて撃たせたわけではなく、軍が発射を決定し、それを金総書記が承諾したというのです。
先にも書いたように私は金総書記が国のリーダーであり、すべてを決定していると思い込んでいたものですからこれには驚きました。
北朝鮮の国内が内部分裂している状況にあることも知らず、金正日の独裁はいつまでつづくのだろう、いつまでも終らないのではないかと思っていました。しかし崩壊の危機は表に見えないだけであってすうすぐそこに来ているかもしれないという可能性を示され、北朝鮮という国の新たな一面を発見できたように思います。


まとめの文
1週間、すこしまじめに報道番組を見て思ったことを書きます。
私は1年ほど前から、テレビから与えられる情報を鵜呑みにするのはやめようと心がけてきました。しかし疑ってみること止まりであったことに今さら気付きました。疑うだけではなく、さらに考えることが必要だということを感じたのです。
なぜ自分がそう感じたのか、という理由を考えることは、そのもののあるべき姿を想像することにもつながります。またそれはあるべき姿ではない場合、どこがおかしいのかという問題点を探す作業にもなります。
自分で考えてみなければ、もっともらしい意見を教えられたとしても納得するような答えにはたどり着かないような気がするのです。
答えだけを知るのではなく、質問も理解すること。
それが今の私にはまだまだ足りないような気がしています。
放送されていることが全てではなく、200とも10000ともある中から作り出された100%だということを肝に銘じてこれからもテレビ報道と付き合っていきたいと思います。

さいごに
みなさん7日間お付き合いありがとうございました。
丁寧にコメントくださった皆様には本当に感謝しております。
私の当番はとりあえずおしまいですが、今後もこのブログは続いていきますので、どうぞこれからもよろしくおねがいいたします。

≪番組データ≫番組名:報道特集/放送局:TBS系列/放送日時:7月9日午後5:30~6:24(日)/キャスター:田丸美寿々

    【荒川 貴子】

コメント

1週間たいへんお疲れさま

> 知りたかったことを誰かの口から断定的な発言で聞くことが出来たということにおいて、私の欲求がかなり満たされたことは事実(「たーこ」こと荒川貴子さん。以下同)

荒川さんのいうように、「発言や証言も真実かどうかは定かではない」にもかかわらず、だね。これはたいへん重要な指摘・感想で、これこそが、テレビメディアの存在意義の一つなのです。だからこそ、テレビ報道はもっとちゃんとしなければならない。

> 私は1年ほど前から、テレビから与えられる情報を鵜呑みにするのはやめようと心がけてきました。

なぜ、そう思い始めたの? きっかけを聞かせて。

> 放送されていることが全てではなく、200とも10000ともある中から作り出された100%だ

100%というところの意味が取りにくいですが、ようするに、無数にある現実を、ごく限られた視点から、ほんの一瞬だけ切り取ったものをいくつか積み重ねて100%にしたのが報道で、いずれにせよそれは、現実のごくごくわずかな一部分でしかないということですね。

実は、現実が無数にあるだけでなく、それぞれについて報道側の立ち位置も無数にある。だから、いわば「無数の自乗」(無数×無数)の中の一つだけが、ある報道なのだといえる。それが、現実とほぼ同じとか、現実によく似ているだけでも、ほとんど奇跡のような話なわけだ。

10日の朝も、チラとテレビを見ると、バカな軍事ジャーナリストなんかが出てきて、「(失敗した)テポドンはハワイを狙ったのかも」とかいう。いいですか。あの大戦争(イラク戦争)の最大の理由の一つがイラクの核兵器保有で、それで2ケタの万の数の人びと(女こどもや老人など非戦闘員含む)が死に、その後にアメリカがさんざん調べて、やっとイラクに核兵器がないとわかったんだよ。東京でテレビ見たり本読んだりしてる自称「軍事ジャーナリスト」に、テポドンの行き先なんて、わかるはずないだろ。ところが、そんなバカのコメントを、テレビは平然と流すわけだ。根拠なきデタラメよ、ほとんど。

それにね、中国は福建省あたりにミサイルを700基ほど設置して、いまこの瞬間も、核兵器を日本に向けているんだぞ(ロシアが日本に向けていたミサイルは撤去したか、狙いを外したかした)。北朝鮮のへなちょこミサイルが大脅威で、中国のミサイルは存在を知らないから脅威でないとはアホな話じゃないか。

そして、中国は向けていても絶対に撃たない。それは日米安保条約があり、撃てばアメリカが全面報復するからだ。北朝鮮にも日米は、撃てば(日本に対して、生物化学兵器を含む大量破壊兵器を使用すれば)、日米安保条約の規定に基づき「核兵器で反撃する」と繰り返し伝えている(たとえば、そのためにグアムに核搭載巡航ミサイルを600発置いてある。アメリカは中国に、朝鮮半島で限定的な核使用はあり得ると伝えてある。それを踏まえて中国は北朝鮮を説得している)。で、そんなことはわかって、北朝鮮はミサイル実験(軍事演習)をしているわけ。「もっと愛してほしい」というのに「脅しや恫喝スタイル」でしか伝えられない、哀れで愚かな国なわけ。その愚かな国と同じレベルに下がって、カッカしてどうする? 小川和久・坂本衛「日本の戦争力」(アスコム刊)の北朝鮮に関する章をお読みなさい!!!

思わず本の宣伝をしてしまった(実際、今回の問題で「日本の戦争力」は再び売れ始めたのです)。テレビだけ見ていても、ネットだけ読んでいても、確からしいことは、何もわからない。勉強せよ、そして勉強して、さらに勉強せよというほかない。

というわけで荒川さん、1週間たいへんお疲れさまでした。ちょっとこのところ忙しくしていて、カキコできずすまんかった。おいおいコメントするかもしれんから、ときどき巡回してください。

さかもとせんせい

お忙しいのにコメントありがとうございます。

1年ほど前から~
というのは、去年放送学科の金龍郎先生の授業で報道被害について勉強したのですが。
その時知った御殿場事件のことがあまりにショックだったのです。
被疑者を犯人だと思って報道を見ている自分がいたことに気付いたので、以来、被疑者はただ疑われている人、と割り切ってみることにしました。

100%~
のところは先生のおっしゃってることが私の言いたかったことです。

北朝鮮の話はやっぱり難しくて、どの切り口から話を持っていくかで終着点がかなり変わってしまうようば気がします。
前回の授業でもあったように、報道する側の立ち位置も考えるようにしていきたいと思います。

その時知った御殿場事件のこと

> その時知った御殿場事件のことがあまりにショックだったのです。

みんなにもわかるように解説して。

先軍政治

先軍政治って、そういう意味ではないです。
詳しくはこちらを参照して下さい
http://ja.wikipedia.org/wiki/朝鮮人民軍
軍よりも党が強いのではなく、北朝鮮は軍=党です。今回のミサイル発射に関しては軍部の暴走と言う説もありますが、それはあくまで推測であり、一般的には金正日=軍、軍=金正日であり、今回のミサイル発射も金正日の支持であると見るのが妥当です。

遅くなってすみません。

モデムの調子が悪く、ネットに繋げない日が続いておりました。

>坂本せんせい
御殿場事件。
2001年。御殿場に住む女子高生が婦女暴行を受けたとして、供述を元に地元の男子中高生10人が逮捕された。
彼らは一旦自白をしたが次々と犯行を否認。
一方女子高生のほうは、供述を二転三転させる。
事件があったとされる時間帯に出会い系サイトで知り合った男と別の場所で会っていたこと、また訴因変更で犯行日とされる日を1週間前倒し。
変更された犯行日の天候と、彼女の供述がかみ合わないこと。など不自然な点が多い。
しかし刑事裁判にかけられた4人には2年の実刑判決が。
この事件を検証したのが「ザ・スクープ・スペシャル」で、授業中にこの番組を見たのが事件を知るきっかけでもありました。
番組ではこの事件の謎を次々提示。この裁判も不当であるはずの訴因変更が認められたり、架空の事件である可能性が高いにもかかわらず実刑判決を出したことなどが不当裁判として問題になっています。
同年代の人たちがやってもいない事件の無実を証明するために、何年もムダな時間を費やしていると思うと胸が詰まって仕方がなかったのです。学校にも行けず、ただ無実を勝ち取るために。やりきれない気持ちになりました。
なのにテレビが報道することは、事件の経過ではなく、結果。
本来それがどういうものだったのかはほとんど知らされることはない。だから疑おうと思ったのです。

>アンさん
ご指摘ありがとうございます。
なぜ自分が「先軍政治」の意味を取り違えてしまったのか、もう一度ビデオを見て考えてみたいと思います。
この番組を見るまで「先軍政治」という言葉さえ知らなかったので。

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)
 

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