テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

夕方のニュース番組「速ホウ!」 2006-07-04

こんばんは。荒川です。
私事ですが今日前期試験をひとつ受けてきました。
芸術学部はまだ試験期間ではないのですが、私は相互履修という制度を使って商学部に通っているので、そちらのテストでした。4年生にして別のキャンパスに通うというのはなかなかワクワクして楽しいです。なにより工事中の狭くて暗い江古田に比べたら、敷地内に芝生や噴水がある砧のキャンパスは晴れやかな気分になれます!3年生のみなさんいかがですか?おすすめですよ。受講登録は面倒だけれど…

さて。前置きが長くなりましたが本題です。
今日は時間帯を変えて夕方、そして昨日に引き続き見たことのない番組を見ることにしました。
  『速ホウ!』テレビ東京
男性キャスター(赤平 大さん)の最初の挨拶が「今週からリニューアルした速ホウ!です」だったので、どうやらこの形態では2日目のようですが、前の状態がわからないので比較はできませんでした。残念。
取り上げられたニュース、最初の3つは以下の通り。

・トレス被告に無期懲役-あいりちゃん殺害事件
・神奈川県警うそ報告警官身分偽る
・中田英寿現役引退

見ていて気になったのが、中田英寿引退に対してのコメントVTRでした。
日本代表前監督のトルシエ氏がこのように言っていました。(翻訳テロップより)
「中田の決断には大変驚いている 新しい代表でも真のリーダーになれたのに本当にがっかりだ」と。
一体トルシエは何にそんなにがっかりしているんだろう・・・?
もう日本代表の監督でもないトルシエが中田に何か期待していたのだろうか?と。
さらに疑問が増し、どういうふうな質問をしたらこのような答えが返ってくるのか知りたくなりました。
トルシエ以外にも中山雅史・川口能活・三浦知良と現役選手からのコメントもありましたが、インタビュアーが映っているわけでもなかったのでどのような言い回しで質問したのかはわかりませんでした。
画面の右上には「突然の引退宣言 周囲の反応は…」とテロップが出ていました。
しかし、聞きかたによって答えは変わってくるはずです。

①「中田選手が現役引退を表明しましたが、どう思われますか?」

②「中田選手はまだ29歳ですが現役を引退するそうです。中田選手は才能にあふれていて、まだまだ活躍のチャンスもあるし、彼を欲しいと願うチームはいくらでもあるはずですが、この決断をどうお考えですか?」

③「中田選手が現役を引退するそうですが、彼はサッカーのほかにも東ハトの役員を務めるなどしてきましたから今後はビジネスのほうでも期待できますよね?」

この3つでは大きく差があります。
もちろんテロップの通り、反応を聞くという点に関しては一緒だと思いますが、①は自由に発言できる可能性が大きくあるのに対し、②は引退を惜しむ方向に意見を持っていこうとしていて、③は今後別の活躍にどんな期待をするか、を聞き出そうとしています。
②や③では本心とは違うように誘導されてしまう可能性があります。
実際このインタビューがどのようなものかはわかりませんが、明確な質問がわからない以上、このようなインタビューだけをその人の意見として丸呑みしてしまうのはいかがなものかな、と考えました。

《番組データ》番組名:速ホウ!/放送局:TXN系列/放送日時:7月4日午後4:55~5:25(月~金)/キャスター:赤平 大・大江 麻理子

     【荒川 貴子】

コメント

「速ホゥ!」について

荒川さんお疲れ様です。前のコメントではご挨拶ありがとうございました。
 この「速ホゥ!」ですが、・リニューアルといってもキャスターとサブのアナが変わっただけです。前任の才媛・佐々木さんはニューヨークへ行ってしまい、8月からモーニングサテライトに出るそうです。・番組表では4:55からとなっていますが、ヘッドラインは4時54分30秒からです。・TXN以外に岐阜放送、びわ湖放送、奈良テレビ、テレビ和歌山(以上独立U局)とBS-JAPANでも流れています。・最後の5秒間は多くのネット局で、5時までの6分間はテレビ東京とBS-JAPAN以外の全局で流れてません(5時ちょうどに番組ロゴ等諸々のテロップが再び出るのはこのため)。
 インタビューについては確かに、質問も流したほうが会話の流れが分かりますよね。視聴者としてみると、「トルシエは以前日本代表監督だったからって今後のチームづくりで断定的なことは言えんだろ」と思ってしまいますから。現にゲンダイでは「プライドの高い中田にとって、日本以外でもJリーグでも居場所がなくなり、オシムの元では起用されるかどうか分からないから引退した」と報じてます。

どこまで疑うか

荒川さん、ブログ慣れしてらっしゃいますね。
いや、すごいですw
感想としては、荒川さんの考えに賛成です。

ところで僕は普通に、作為も何も無い質問がされていた可能性もあると思うのですが、これについてはどうでしょうか。

質問部分を流さなかったのは、
荒川さんの挙げた例のように、誘導するような質問だったから隠したか。あるいは、
これも例にありますが『引退についてどう思われますか?』という極めて単純な質問だったから、省略したとも考えられます。

トルシエ氏が中田を特別に買っている人物なのであれば、ストレートに「がっかり」と発言してもおかしくはない。
=追記= 極めて単純な質問に、そう答えてもおかしくはないと。

だから僕は、荒川さんが最初に感じた疑問自体が浮かばなかったですね(番組を視聴したわけではないので、そのVTRを見たらまた別の感想を抱いたかもしれませんけど)。

僕は、翻訳テロップが正確かどうかという点も気になりました。字幕なら発言自体を操作可能です。ある程度、語学のできる視聴者が見ていたらすぐバレるでしょうが、これは。

考察すべき箇所は多そうですが、僕は、今回のVTRの内容はある程度鵜呑みにしてもいいと思います。
=追記=
作為は無さそうだと、タカをくくることになるかもしれませんが。

惜しい

確かに荒川さんの言っているように、インタビューの仕方によっては答える側の発言を誘導してしまうこともあると思う。

ただ今回のこの中田の件に関してはトルシエだろうとジーコだろうとカズだろうと、サポーターだろうと、あれほどの名選手が29歳にして代表どころか現役引退することは衝撃的だし当然惜しまれることだと思う。これからの活躍も期待していたからこそみんなショックなんだと思う。

でも荒川さんの指摘があるまで、質問側によって答える側の反応が大きく変わってくるということを意識したことなかった!インタビューにも意図というものがあるんだなぁ。

あら...

中田選手の決断に拍手。
と思ったのは俺だけでいい。

難しい…

専攻の授業で教わった気がするのですが、街灯インタビューでたくさんの人が同じような意見を述べるシーンが多くあります。それは現場Dが最初から自分達が欲しい言葉を決めておいて、わざとその答えを言わせる、まさに荒川さんが指摘したような仕方をする場合があるそうです。
今回の件はやはり「その答えが出た経緯」は大事ですよね。Dはあの答えを狙ってたかもしれないけれど、視聴者にはどぅも伝わり不足のような気もしました。それによって、色々な誤解も生まれてきてしまいますし…難しいです。

返信遅くなってスミマセン…

>かじかさん
リニューアルと言っても人が変わっただけだったのですね。
もう一度録画したものを確認してみたところ、本当に5時になったときに仕切りなおしがされていました!
5時からは中田引退のニュースで始まりました。
ちなみにGコードを使って録画したので30秒前の分は入っていなくて見れませんでした…

なぜいまごろトルシエが?と思ってしまったのが正直なところです。ゲンダイはそう報じているのですね。きっと中田はそういう性格なのだろうと納得してしまいました。

>村瀬さん
ブログ慣れしてる、と言われるなんて思いもしませんでしたよ!笑
ブログという形式のものをやるのは初めてです。でもずっと前に趣味のホームページを持っていて、そこで日記をつけていたのでそのおかげでしょうか。ありがとうございます!

私もこのインタビューは作為などない質問だと思っています。
ただ記事に書いたのはあえて深読みしてみたからです。
村瀬さんのおっしゃる通り、私はあの翻訳テロップに疑問を持ったのです。残念ながら言葉がわからないのでテロップを信じるしかないですよね、私を含め大体の視聴者は。
でも私がそこで本当にトルシエはこう言ったのかなぁと疑ってしまったのは、「がっかり」という言葉にでした。がっかりという言葉は、高い確率で実現できると期待していたものができなかったときに使う言葉だと思うのです。
「あとで食べようと思ってたケーキ、お兄ちゃんに食べられちゃった…がっかりだ~」みたいな。
トルシエはもう中田と関わることがないはずなのに、本当に「がっかり」という言葉を使ったのかな?「残念」や「惜しい」ではなくて?と。
テロップで発言の意図を変えている可能性もあると思いました。
しかし、そのようなコメントを望んでいたなら、インタビューの際にそういう方向に持っていくほうが都合がいいのではないか?と思ったのです。なのでどのような質問がされたのか、具体的に示されていないことを憶測してみたのです。
中田の引退、びっくりしたけれど潔くてかっこいいな、と思いますよ。私は。

返信のつづき

>鮎川さん
もちろん中田の引退は惜しまれて当然のものですよね。
ブラジル戦の後、ピッチに寝転がってしばらく動かなかった理由も、彼があの時既に引退という決断をしていたんだ、と知った今ではすごく意味のあるものに思えますし。
ただ、私が疑問に思ったのは引退を惜しむことに対してではありません。
記事本文には載せませんでしたが、中山・川口・三浦の各選手のコメントは以下の通りです。(テロップより)
中山「ヒデを見てみんながどう感じたかだと思いますから その意見を尊重したいと思います」
川口「(引退の)タイミングとしては早いと思うが 休養して第二の人生を歩んでほしい」
三浦「正直いって残念です (中田選手が)続けると思っていたので 寂しい気持ちはします―」
この3つに比べて、トルシエのコメントだけが感情的だし極端ではないか?と。
もしも「引退という決断についてどう思うか?」という単純な質問であったとしても、トルシエは相当中田に思い入れているんだな、それはそれで面白いけど。と思ったわけです。

>高谷さん
私も授業で同じようなことを教わった記憶があります!
もちろん答えを狙うのは大事なことです。的外れな質問をしても意味がないですからね。でもそれが度を超ぎると捻じ曲げられた発言を生んでしまう危険がありますよね。
今回私が取り上げたのはスポーツのことで、私たちの生活に直接関係するものではないのでまだのんびりとした目で見られます。しかしこれが政治や経済のことであればまた私たちの抱く危機感がずいぶん変わると思います。

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●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)