テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

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開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

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美の祭典(オリンピア第二部) 2010-06-04

【授業で驚いたこと】
鳩山辞任にからんで、公務員の天下り云々《うんぬん》の雑談をしたとき、BSデジタルの話になった。で、私が驚かされたのは、諸君はBSデジタル放送を誰がやっているか(放送局の名前を)知らないわけね、全員が。

日本に「放送学科」を持つ大学は、確か二つしかなくて、日大藝術学部と大阪芸術大学であると。そのうち一つの、3~4年生が取る授業に、20人弱くらいが出ていて、BSデジタル放送局の名前を一人も言えないなんてことが、あってよいのか?

あんまり驚いたので、講師室に帰って兼高聖雄教授に「こんなのありか?」と聞いたら、「ありです」だと。「1~2年で放送制度とか教えないんか?」と聞いたら、「教えている」と。兼高と上滝徹也が教えているというから、そこで話をやめたんだけどねえ。頼むぜ。


【一部だけ見て二部を見ないのもどうかと思うので、今週と次週はこれ】
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『美の祭典(オリンピア第二部)/FEST DER SCHONHEIT-OLYMPIA TEIL II』
1938年 ドイツ 138分
監督/レニ・リーフェンシュタール
撮影/ウィディ・ジールケ
音楽/ヘルベルト・ヴィント
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※以下、全面的にネタバレです。ご注意ください。

【坂本による内容メモ(暗闇の中でメモった。君らもメモ取っているわけだよね?)と意見(★印)】

●森の中、スパ(浴場、温泉?)、川で泳ぐ若者たち。
★レニは自然大好き、裸大好き、若者(若い男)大好き。ちょっとホモっぽいタッチも。光のきらめき、逆光、シルエットも大好き。一般的にいって、逆光の中で顔を撮ると、輪郭や髪の毛から光が漏れる(にじむ)ような表現になって、きれいだ。スナップ写真を撮るときに覚えておくといい(顔が暗くなるのは、フラッシュを焚くか、レフ板を使って防ぐ。白紙一枚でもレフの代用になる)。

●選手村。選手たちのコミカルな動き。それにコミカルな音楽をつけている。
★第一部の公式版に対して、とても自由に、ラフに撮っている印象。「あっちはカッチリやったんだから、こっちはあたしの自由にさせなさいよ」(レニ)という感じ。

●体操競技場。選手入場。当時の体操競技は屋外だった。鞍馬《あんば》でスローモーションを多用。相変わらず、顔に興味なし。吊り輪。
★真下から撮っていると思われる映像あり、選手落下の可能性がある本番では無理で、再現では。鞍馬、吊り輪とも後ろから撮影する場合が多く、顔の表情やどこの国かなんてどうでもいい。

●平行棒。スロー映像。カメラがものすごく対象に近い。穴でも掘ったか。鉄棒も近すぎ、再現かも。
★ここまでナレーション一切なし。選手紹介・所属国・国旗・得点・勝負などに関する情報ゼロ。それが満載だったのは「民族の祭典」で、こちらは「美の祭典」。

●ヨット競技。初めてナレーションはいる。はためくマストの旗。ヨットはどこの国のものか不明。
★ここでも勝負関係なし。「優勝はオランダ」とそっけないナレーションのみ。海軍艦艇や提督らしき人物映像がはさまるのは、レニのヨイショか。

●スタートの号砲、合図の場面がおもしろいと思ったらしく、繰り返し。きらめく波のアップも大好き。

●6m級ヨット競技。帆のホワーンと開くおもしろさ、美しさ。
★レース参加艇の船上から撮った映像は、本番中ではなく、後からの再現映像。カメラや撮影クルーを乗せたらレースにならない。

●フェンシング。「影」によるおもしろい表現。
★選手だけじゃない、観客まで影だけという遊び心。レニはしつこい。こうと思い込んだら、とことんやってみるたちだ。

●フェンシング決勝。
★試合前の選手の顔アップは、たぶん別撮りの再現映像。光線の具合などが人工的すぎ、観客も映っていないので。

●近代五種。選手はみな軍人(各国ともそれが当然という時代。選手は軍装で敬礼なんかするし、競技スタッフもドイツ軍人)。馬術のゴールシーン。
★観客数に比べて歓声大きすぎ、アフレコ。

●射撃。マトがもろ人形《ひとがた》なのが「時代」。4000mクロカン。ナチ式の敬礼。
★近代五種はドイツ軍人が優勝候補で、国の威信がかかっていると見え、得点経過も懇切丁寧。

●ダンスする女たち。棍棒によるマスゲーム。最初はアップの画角を段階的に引いていき、ムチャクチャ広い競技場全体でやっているとわかり、オオーッとなる。★北朝鮮よりすごい!

●ファンファーレ。第一部でおなじみのベルリンの競技場。陸上十種。アナがナレーションをつけ、話し終わると双眼鏡を覗くシーンも、第一部でおなじみ。わざとらしすぎ。

【つづきは次回】





コメント

「美」を貫く、「美」にこだわる

昆虫や鳥の映像から始まり、次に走る男性の映像。
その男性たちは、気付けば裸になっている。
『民族の祭典』と同様、やはり監督は肉体美にこだわるが故に、裸体を見せているのだと思います。

いくつかのオリンピック競技の映像が流れましたが、『美の祭典』というだけあり、映像表現の美しさに魅了されました。

体操競技は、明らかに選手に再現してもらったであろうカメラポジション。
スローで見せているのは、筋肉の動きを見せるためだと思います。
まっすぐ伸びる脚に注目してほしいとでも言っているような演出でした。
ヨット競技は、波しぶきを映すことが多かったように感じます。
選手と一緒にヨットに乗って撮影しなければ撮ることのできない映像でした。
「記録なんてどうでもいい。とにかく海の美しさだ!」
このように監督は感じていたのではないでしょうか。

最も驚き、美しいと感じた競技はフェンシングです。
最初は、選手の影しか映していませんでした。
選手の表情はわからないのに、なぜか表情が見えてくる気がしました。
レニの演出は、見ている側の想像力を掻き立たせます。

『民族の祭典』と『美の祭典』を比較してみて、『美の祭典』はどこの国が勝ったのかを主張していません。
『民族の祭典』も肉体美を中心とした演出でしたが、勝敗は伝えていました。

水と人間、影・逆光と人間、というように、どれだけ人間を美しく、自然を美しく見せるかという点に重点を置き、こだわりぬいて作り上げた作品であると思います。

昔のオリンピックが見れる、と思ったのに

遅ればせながら色々コメントさせてください。

タイトル「美の祭典」とはいえ、昔の五輪映像を見られるものだと思って見ていました。
しかし、映像にはサウナのようなところで和気あいあいとしている裸の男性が出てきたり、選手村の場面では競技への真剣さが伝わってこないような愉快な音楽がつけられていて、自分の中でのオリンピック映像のイメージとはかなり遠い映像だったので驚きました。

そして見ていくうちに、これはオリンピック競技における芸術性(主に肉体美)を映した芸術作品だと気づきましたが、正直先生に言われるまで色々な「ありえない映像」には気づきませんでした。
特にヨットが、競技に参加している他のヨットからの撮影であるということは明らかにおかしいのに、映像の美しさにばかり気を取られてしまいました。
(しかしレニはむしろそのような見方を望んだのかもしれないとも思いますが)
自分が今までいかに映像を鵜のみにしていたか気づきました。

人それぞれ「美」の感じ方は違うと思いますが
オリンピックでこのような「美」の捉え方で見ている人がいる
ということにかなり驚いてしまいました。

走る筋肉が美しい、とか…
オリンピックに熱中してしまう私はその「美」より
勝ち負けの「美」しか見ていなかったことに気付きました。

ヨットの映像も。
私も映像をうのみにしてしまっていたようです。

まさに美の祭典

選手の名前や競技の得点はでない。
選手の顔もうつっていない。
序盤はナレーションさえもない。
ここま徹底して美しさにこだわっているのはすごいと思いました。
まさに美の祭典。

綺麗な肉体がたくさん見られてうはうは

と、いう楽しみ方をしました。
競技の記録映像としては、過剰な演出と不自然なシーンが目立ち、情報もなく、あまり用をなさないけれど、綺麗だからいいじゃない、美しいよスポーツやってる肉体ってのは ってことなのかな、と。

オフの選手たち

オリンピアの第一部にはなかった選手村の様子や、前回うつっていなかった競技がうつっていて、国籍を問わずバスケをしたりサッカーをしたりと、この何日後かに闘う選手たちが和やかなムードのなかにいるのは見ているこっちもほのぼのしてしまいました。
ヨットの競技中にタバコを吸っているのはびっくりしました。

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日本大学藝術学部放送学科

●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)
 

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