テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

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開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

武器なき敵、生きた慰問袋ほか(戦時下の映像その3) 2010-05-07

【5月7日に見せた映像】

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『学徒出陣』の行進曲に乗って、現代日本の自衛隊・警察などが行進する映像。You Tubeから、あれこれ。
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●片や「命を賭して斬り込め」という意味の歌詞を持つ悲壮すぎる行進曲。片や行進するやたら細分化され、こぢんまりしすぎた残念な部隊、閲兵する政府や官庁首脳、お気楽な見物人たち、セミプロらしき女の子による部隊紹介のアナウンス。このアンバランスというか、ミスマッチに注目! のほほんとした平和ニッポンの風景。


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『武器なき敵』
1940(昭和15)年 19分 理研科學映画株式会社製作

指導/憲兵司令部 後援/内務省
提供/大阪毎日新聞社 東京日日新聞社
構成/吉村 操 撮影/笠間公夫
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●【DVD付属の紹介文】戦争の危機が迫り来る中で(坂本注:もちろん中国大陸ではハデに戦争中)、日本を狙う「武器なき敵」─すなわちスパイの目を、耳を、手を、足をいかに封じるか。スパイのさまざまな情報収集テクニックと、それらに対する注意・警戒を呼びかけた防諜PR映画。

●戦前の日本は、この種の映画宣伝をはじめ、巨大戦艦を建造するドックを高い壁で囲うといった類の即物的な対策には熱心だったが、肝心の軍の情報統制はなっていなかった。横須賀線の一等車では海軍士官たちが軍事機密を大声でしゃべるので、情報が筒抜けだったとされる。たとえば桶狭間の戦のときから、戦いでは情報戦が死命を決するという教訓があるわけだが、ある時期からは暗号が解読されてしまい、負けを重ねた(ミッドウェー海戦とか山本五十六の戦死とか)。

●これは現代の自衛隊でも同じで、とんでもない機密漏洩事件が起こっている。興味のある者は坂本企画・執筆のビジネス社『日本の戦争と平和』(石破茂と小川和久の対談本)をお読みなさい。


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『生きた慰問袋』
1942(昭和17)年 12分 中央映画社製作

脚本/青山地平 演出/柳 武史
撮影/辻野庄三郎 漆山祐茂
録音/住吉公夫 音楽/高橋 半
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●坂本のおっ母さん(昭和3年生まれ)に聞いた慰問袋の話は、次のページのコメントを参照。
学徒出陣/生きた慰問袋 090508


コメント

「腹が立つ」作品と「感心する」作品

『武器なき敵』の中に、腹が立つ文章がありました。
「機密は女の口から洩れる」
ふざけるな!と思わず言いたくなりました。
女はそんなに馬鹿ではない、と製作者に言ってやりたい。

スパイの手口について、あんなにも詳しく知っていることに驚きました。
しかし、たくさんある手口を全て覚えることは難しいと思います。
出来ることと言えば、大声で喋らないこと、重要書類は捨てないこと、それぐらいではないでしょうか。

『生きた慰問袋』とは何だろう、と初めは疑問に思っていました。
「溢れるような真心がたくさん詰まったもの=生きた慰問袋」
「生きた」という表現に納得できます。

私なら、袋の中に何を入れるだろうか。
手紙と手作りの御守りは、必ず入れます。
真心で誰かに勇気と元気を与えることのできる、そんな人間になりたいと思いました。

今と何も変わっていない

『武器なき敵』にしても、『生きた慰問袋』にしてもそれぞれ現代に通じるもの、というより戦争の基本的な事はやっぱり何も変わっていないんだなと思いました。

得に「武器なき敵」に関して、まさに現代の情報戦を連想させ、同時に心理戦、サイバー戦、電子シギント等どんどん多様化・複雑化していく現代の戦争なのだからこういった基本的なことの周知徹底、意識作りは現代においてももっと重要視されるべきだと思いました。

「一億一心 揺るぎなき国防国家へ協力せよ」

国防は何も武力だけではない。「武器なき敵」というタイトルも秀逸だと思いました。

スパイというと・・・

「武器なき敵」を見ているうち、なんだか洋画を見ているような気分になりました。本当に日本国内で起こっていた話なのかもしれませんが、暗号という単語はどうもリアリティがなくそのような気分になったのかと思います。しかし、重要書類の始末に注意などは現代にも通じているように思います。個人情報などはそういうところから漏れるのでしょうし・・・と思いながら見ていました。

あの国と似ている・・・

この映像を見て私は「オーバーな話だな」と率直に思いました。
戦時中に防衛意識を高めるために作られたVTRなのだから致し方の無いことではありますが・・・。
それと同時に「最近同じ様なVTRを見たぞ」という軽くデジャブ的な感覚にも陥りましたが、それは北朝鮮が国営放送で市民に向けて放送していたものでした。
戦時中の日本と現在の北朝鮮が非常に似ている・・・という事は北朝鮮が仮に戦争をして敗北を喫せば50年後には今の日本くらいの資本力を持つことも不可能ではないのかな・・・。
少し本題とはずれた事を感じました。。。

不思議な気持ち

「武器なき敵」を見て、私は最近制作した映像なのではないか?と思いました。それは映像自体が軽く感じたからです。
スパイというものに危機を感じているのが伝わってこなかったからです。私だったらあれを見せられて気をつけようという気持ちにはならないなと思いました。
「生きた慰問袋」は誰に渡るかわからないけれど、皆が戦争に出ている人々を励まそうという気持ちで入れていたことに団結力を見せられた気がしました。

みんなにも見せてやってくれ。

> それは北朝鮮が国営放送で市民に向けて放送していたものでした。 (本田裕也)

どこで見たの? みんなにも見せてやってくれ。ネット上にあるなら、アドレスを書いてくれ。

ものではなく気持ち

生きた慰問袋がとても印象に残る映像でした。慰問袋というものの存在は、これを観るまで知りませんでした。戦争中は常に危険と隣り合わせで精神の休まる時など一瞬もないと思い込んでいました。
しかし、慰問袋のような兵隊さんを元気づけるものがあるというのは言われてみれば納得でした。現代でいえばがらくたの詰め合わせに見えてしまいそうですが、当時でいえば心のこもった品々の詰め合わせ。宝物になってしかるべきものです。戦争の映像でこんなことを考えるのもなんですが、ものに気持ちを込める大切さを思い出しました。

小さな幸せ

私も、この映像を見るまで、慰問袋というものを知らなかったです。
戦地で日本のために働く兵隊さんのために、少しの小さな幸せを送る…こんな、かなしい現状があったことに驚きました。
確かに、戦地で働く彼らにとってはとてもうれしいことだったと思います。それは映像を見てわかったことですが。
でもよく考えると、そのような状況自体が、今の民主主義を考えれば信じられないことなのです。
小さな幸せが、切なく見える今の時代がどれほど平和かわかりました。

いつの時代も敵は同じ!?

「機密は女の口から洩れる」これには週刊誌へ情報を投稿したり、「誰にも言わないでね」と言いながら会話したりする現代の女性を思い出し。いつの時代も情報の統制の難しさを感じました。

形を持たないもの

全体的にナレーションが多く、「武器なき敵」は見るというより聴いていた印象が強かったです。普段歩いている町並みも、スパイからしてみると様々な情報が野放しにされていて、最新兵器導入!なんてのぼりなどに書いてしまえば、一発で相手に通じてしまう。そんなどこにスパイがいるのかわからない状況に対して、大げさとも言えるぐらい情報、会話に気を使っていた時代の一部分が見えて、今までとは違う視点で捉えたドキュメンタリーのようで面白かったです。
「生きた慰問袋」。授業の一つに慰問袋の中身を作るものがあったとは驚きでした。「内地からの手紙こそ、どんなに心を慰め激励させるでしょう」というのが、印象に残っています。
言葉は目に見えないけど、使い方ひとつで危険にもなるし安心させるものにもなるんだなと改めて思いました。

一番の贈り物

僕は「生きた慰問袋」を観て、彼等が慰問袋を貰っている所や、開けている時の表情がとても生き生きしていると感じました。
きっと袋を開けている時、彼等は手紙の字や入っている物を見て、知らない誰かの顔を思い浮かべながら、仲間達とその妄想を楽しそうに話して戦地で過ごしていたんだと思います。

慰問袋は入っているものよりも、誰かが自分のために作ってくれたという「気持ち」が一番の贈りものになっていたんだと思います。

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)