テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2012年度の授業テーマは「[実践!]ネットは放送を殺すか?──ネットを理解することで、放送をより深く知ろう」。

戦時下の映像を見せる前に 2010-04-23

●第2回ね。配布物は、放送批評懇談会マイベストTV賞の案内ビラ。

【だいたいこんな話】
●まず、この前の戦争に関連した映像を見せようと思う。「何の基礎知識も先入観もなしに映像を見る」というのも一つの方法だが、この授業は映像の分析や議論をするから、映像の背景となる基本的な知識をある程度、解説しておく必要があるだろう。「歴史的背景」ってことだが、

Q:この前の太平洋戦争は、いつからいつまで? 学生A:……。

Q:その後ろのあなたは? 学生B:1941年~1945年。

Q:歴史の勉強はどの程度やった? 学生C:小学校と中学校。高校は選択で取ったり取らなかったり。

Q:高校で日本史を選択しなかった者は手を挙げて。(過半数が挙手)

Q:ほとんどが小学校と中学校の歴史知識しかないということか? 学生D:そうです。やっても途中までとか。

Q:日本の歴史は、だいたいこういうところから始まって、こんな紆余曲折があって、今こうなったという大雑把な川のような流れを、イメージできる者は? 挙手して。(全員沈黙)

Q:鎌倉幕府は「いい国作れ」で1192年と知っているね。だから何だってんだ。今を知るために歴史を学ぶわけだろう。たとえば日本はGNPが世界第2位で今年中国に抜かれるが、一人あたりはさておき「国としては」依然として世界有数の金持ちだ。なんで? 歴史的な背景を1分で説明してくれ。学生E:高度成長がうまくいった。

Q:いま高度成長しているのは、中国・インド・ブラジルといった新興工業国。アフリカは高度成長しているか? してない。高度成長できるかどうかも歴史的背景によるわけだ。なんで日本は高度成長できた? 学生F:朝鮮特需があった。

Q:1950~53年の朝鮮戦争で特別な需要があったと。余談だが、この戦争いま「休戦中」って知っているか? 北朝鮮軍に対して戦ったのは米軍主体だが国連軍で、それ、いまも日本にいるんだよ(司令部があり、各国武官や要員が駐留中)。第二次朝鮮戦争が勃発すれば、在日米軍は自動的に国連軍になる。朝鮮特需が高度成長のきっかけだったのはその通りだが、朝鮮戦争がなければ日本は貧乏国のままか。そんなこともないだろ。といって、日本人が特別に勤勉でよく働いたから金持ちってこともない。そこに至る歴史的な背景は何? いまいう「先進国」が金持ち国だね。なんで先進国は、先進国なんだ? 学生G:戦争に勝ったから。

Q:中国その他がのしてくる前、たとえば20~30年前の金持ち国ベスト3は? 学生G:米日独。

Q:3国のうち2国が敗戦国だ。君の説明は違うんじゃないか? 学生G:違いますね。

Q:戦争に勝ったから先進国じゃなくて、戦争をやった連中が(勝っても負けても)先進国。つまり、第二次世界大戦以前に、先進国は先進国なわけだ。「列強」って連中よ。だって、戦前のアジアの独立国は日本、タイほか数えるほどで、中国はバラバラ、インド・ビルマ・オーストラリア・シンガポール・香港は英領、インドシナは仏領、インドネシアはオランダ領、フィリピンは米領(スペインからかっぱらった)、朝鮮台湾は日領。世界の大半を列強連中が植民地にしていて、そのかっぱらい競争で戦争したわけ。じゃ、なぜそのいくつかの国は、植民地にされる側ではなく支配する側になれた? 誰か説明して。学生:……。

●各国が世界にのしていったのは、15世紀以後の「大航海時代」ね。ワン・ピースじゃなくてコロンブス、マゼラン。当時の先進国スペインとポルトガルだ。その次が「重商主義」のオランダやベルギー。その次がイギリスとフランス。とくにイギリスが世界の海、広大な植民地を支配した。なぜか? ごくごく大雑把にいえば、「産業革命」を最初にやったから。これはつまり工業化。ワットの蒸気機関とか習っただろ。それまでの家内制手工業、親方と職人の世界から、機械制の工場に変わり、賃金労働者が登場すると。その工業力が国の力となった。早い話が、いまの先進国、かつての列強は、産業革命をやった連中。ドイツと日本は遅れて産業革命をやり(富岡の製糸工場とか官営八幡製鉄所、習っただろ。藩の施設を接収した「上からの産業革命」。八幡が富士製鉄とくっついたのが新日鉄だから、あれは明治の国策会社)、なんとか列強の仲間入りをしたが、遅れただけ取り分が少ないから、先にかっぱらったヤツと衝突した。で、世界戦争を二度やったと(注:日本は第一次世界大戦では戦勝国側)。

●以上の過程で、西欧列強が中国を狙って東アジアに出てくるときと、江戸時代の末が重なった。たとえばイギリスが清に対して仕掛けたアヘン戦争(1840年前後)を見て、ああなってはたまらん、ヤバいと、幕府も諸藩も危機意識を抱く。勝海舟にも坂本龍馬にも、その発想があったわけだ。あとは、自分で勉強しなさい!
超大雑把な歴史のお勉強!

●【後からの注】↑超駆け足で話しているので、細かい点に突っ込みを入れないよう。細部は自分で調べて。たとえば、第一次世界大戦の終結時、独立国は世界にいくつあったか、世界の陸地の何%が他国の植民地だったか、とかね。

【見せた映像については、掲載日を改める】

コメント

学び方

日本の歴史について知っているか?
と質問されたら、知っていると答える学生が大半なのではないか。
受験勉強などで単語などを丸暗記して知っている気になっているのだと思う。
事件の名前だとか歴史上の人物を知っているからそんな気がしてしまうのだ。

だが、そんな表面だけを知っていても何の意味もない。
何故そうなったのか、それが起こってどうなったのか、背景や一連の繋がりなどを学ぶべきだ。
学び方を考え直すべきだと思わずにはいられなかった。

無知

この内容を見て、自分が答えられるものがあまりにも少なく愕然としました。少なくとも高校で勉強しているはずなのに…。これは恥ずべきことだなと痛感しています。
高校生の頃は歴史が苦手で、昔のことを勉強しても意味がないと思っていました。しかし今考えると歴史こそ学んでおくべきことだったし、新聞を読む習慣もつけておくべきだったと思います。知らないというのは怖いことです。昔の過ちを繰り返してはいけない。

>>林実季さん

昔の事を勉強しても意味がないなと私も思っていました。
そして、歴史こそ学んでおくべき事だったと私も今思っています。
今の自分の環境があるのは、過去の歴史があるからです。
そして、過去の歴史をしらずに今の事などは議論できないと感じてそう思うようになりました。

教わる量

 私は大学受験の際に日本史を選択していて、受験問題を勉強していると、上の大学のランクであればあるほど、教科書の下端の注釈から出てくる言葉が多く、覚える量も膨大でとても苦労していました。
そして私が習っていた日本史の先生が毎回テストを課したり、放課後の補講も90分にもかかわらず毎回最終下校時間までやる先生で、先生の授業についていけず最後には私はパンクして2科目(国語・英語)試験中心の勉強をするようになりました。

しかし私はそうしたことを少し後悔しています。
たとえ2科目受験の日芸を合格したとしても、大学入学までに日本史を勉強すれば良かったなと思っています。

それは日本人として、
そしてドキュメンタリーはもちろん、各授業でテレビ史やラジオ史、または文学等の芸術の話になった時に

「この番組があった時、日本ではこんな出来事があった、こういう時代背景がある」

とその場ですぐにリンクして考えることに追いついていない自分がいます。

いろんな先生の授業を聞いていても、「この番組があった時、日本ではこんな出来事があった、こういう時代背景がある」という解説、説明があるとないとでは断然内容の深みが違う、と最近感じるようになりました。

私も渡邉くん、林さん同様学ぶことの大事さを痛感しています。

日本の歴史はなぜ古代から?

僕は先生の話を聞いた後、家に帰ってから小・中・高で使っていた教科書を引っ張りだして読んでみました。そして気がついたことがあります。
前半の縄文時代~江戸時代くらいまでは、しっかりマーカーで書き込んでいたり、ページもしわくちゃになっていました。しかし、近代史~現代史にかけては教科書が綺麗なままでした。
つまり、今の日本の歴史の勉強の進め方は、最初に時間を割き過ぎて、一番自分達に関わる近現代史にかける時間が足りなくなってしまっているということが教科書が物語っているということです。確かに、日本の昔からの文化を知ることは日本人としてとても重要なことですが、今の時代に密接に繋がっている歴史を学ぶのにもっと時間を割くべきだと強く思いました。

本当に知るべきこと

僕は高校でも日本史を学びましたが、あまりに情報量が多すぎて覚えることができませんでした。今思えば、「学ぶ」じゃなくて「覚える」と捉えていた時点で、日本史を深める気がなかったのかもしれません。
久田くんと同じように、自分の教科書も現代付近はきれいなままで、授業のなかでも参考資料が配られたぐらいで、後は自分で勉強してくれ、という風になってしまいました。学校の授業ですらそうなら、日本近代史とかいう科目と日本史とにわけて、最近100年ぐらいの、明示時代からぐらいの日本をもっと深めて行くのが大事なのかもしれないと思いました。
竹島問題って何?とか、北方領土って何?とかわからない大学生もいるんですから、世界史を必修にするよりも日本史を必修にして、より今に近いところを深く掘り下げて勉強するべきじゃないかと思います。

知識のつながり

この回の授業に出た時に一番感じたのは、知識は有機的につながってこそ本当の意味を成すということです。

例えば歴史において、教科書に出てくる単語を覚えるだけでなく、そのつながりや、この事件のきっかけはなにか?逆にこの事件が何に影響を与えたのか?といった事を知るのが大切で、それができれば歴史を学ぶことが今まで以上に楽しいものになるのではと考えた。

日本史

義務教育期間中に日本史を習ったものの、やはり私もその中にある人間の気持ちや流れを汲むことなく暗記科目としてしまってためあまり覚えていません。もやっとしていて、全体像がつかめないまま授業を受けていて、なんだか気持ち悪い感じがしたのを覚えています。

日本史のならい方を、何年から何年、といった区切りだけでなく、例えば、日本人のメンタリティについてだとか、外交についてだとか、多角的に切って、立体的に全体を把握できればもっと覚えていられたのかなぁと思いました。

歴史を学ぶことの意味

別に古代・飛鳥等の時代を勉強するのが無駄だとは言いません。しかし、あまりにも戦争前後の時代背景を知らない自分がいてびっくりしました。
「~年にこんなことがあった」というのはある程度大きな出来事なら今でも言えます。それでも「なぜ?」と聞かれたとき、その出来事の意味、出来事同士の関係性は曖昧です。その出来事と、この出来事はこんな関係であり、今にこう繋がっているのか。そう学べることができたら歴史を学ぶ意味があるし、学生も興味を持ちやすいのではないでしょうか。

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)