テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

報道はどうあるべきなのか 2006-06-11

秋田小1殺人事件で容疑者が逮捕されてから一週間経ちました。
この一週間はとてもゆっくりとした流れだったと思います。そして、次第にこの事件についての報道は小さくなりつつあります。

事件が起こった当時は、各局でたくさんの時間を割いてこの事件を報道していました。しかし、だんだんと報道されなくなる。そして容疑者逮捕。それと同時に再び報道の嵐。容疑者が逮捕された翌朝のフジテレビ系「とくダネ!」の中でキャスターの小倉智昭氏は「(今日流した容疑者を取り囲んだVTRは)今まで放送しないでおいて、容疑者が逮捕されたら使用しようとしていたVTRであり、インタビュアーはいろいろ知っていたみたいだから・・・」と言いました。これには「既にテレビ局側では容疑者が誰だか見当がついていた」という事になります。

週刊誌では犯人報道をし続けていました。でもまだこの時点では容疑者が逮捕されたわけでもなく、その当時報道されていたものはプライバシーの侵害とも取れるものです。しかしその一方で裏では様々な事が動いていたのにも関わらず、容疑者が逮捕されるまでは報道するのを自粛するかのように大人しくしていたテレビ局。こちらにも問題があると私は思います。

推測・憶測で報道するのは非常に危険な事です。しかし、事件と容疑者逮捕の間の期間もテレビは報道をし続けるべきだったのではないかと思います。話が続かない話題は放送をカットするのか?容疑者が捕まったから、また一気に報道すれば良いのか?しかも報道されていない期間中も、マスコミは容疑者の自宅や実家に張り付いていたり待機していたわけです。これでは報道を自粛しても、まだこの時点では一般人であった容疑者の日常を侵害しているとしか思えません。そしてこの事実(普段の生活を送れないようになっていた事実)を視聴者は何も知らされていなかった・・・。

このような大きな事件が起きた時、事件の経緯や動機を伝えるだけでなく、マスコミがどのように報道しようとしているのか、どのように取材をしているのかなどの詳細も視聴者に伝える事ができれば、もっと良いのではないかと思います。そうする事で、視聴者が報道についても考え始めるきっかけが出来ると思うからです。

拙い文章でしたが、一週間読んでいただきありがとうございました。

【森 智徒勢】

コメント

森さん、お疲れさまでした。

>マスコミがどのように報道しようとしているのか、どのように取材をしているのかなどの詳細も視聴者に伝える事ができれば、もっと良いのではないかと思います。

興味深いですね。同意します。

その場合は、マスコミの実態を報道するマスコミが新たに必要になるでしょうか。あっても良い気がします。

メディア監察官制度?

自浄能力はあまり期待できませんが,警察にも検察にも〈監察〉制度があり,捜査手法の問題点などを点検していきます。大学教員にも(外部)評価制度があります(笑)。メディアにも,市民評議会(プレス・オンブズパーソン)より,報道監察制度が必要でしょう。パブリック・ジャーナリズムがそれを担ってもよいわけですが,「創」よりは影響力がある制度設計が望まれます。

もっとも,今回も「東京新聞」特報欄のように,検証を試みる新聞社が増えてきたことは一歩前進ですが,メディア・スクラム以外の取材内容の点検,あるいは報道内容の決定プロセスににも踏み込んでもらいたいですね。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060608/mng_____tokuho__000.shtml

お疲れ様でした。

>その一方で裏では様々な事が動いていたのにも関わらず、容疑者が逮捕されるまでは報道するのを自粛するかのように大人しくしていたテレビ局。こちらにも問題があると私は思います。

 そうですね。今回の事件は週刊新潮をはじめ、週刊誌はひとつの事件というより、スキャンダルとして物事を誇張して取り上げているようにも感じられました。
 裏でそのような事態であるからこそ、より人々に影響を及ぼすテレビという媒体で逐一報道して欲しいと思うものの人権やプライバシーの問題で難しいのでしょうね、、
けれどももっと今以上にひとつの事件を掘り下げて報道して欲しいと改めて思いました。

外部のテレビ評論

大学教員にも外部の評価制度があるのは意外でしたが(笑)、テレビにも外部の監査制度があってもいい気がします。村瀬君が書いた「マスコミの実態を報道するマスコミ」もとても良い案だと思います。
NHKにも外部の倫理審査会などはあるようですが、やはりもっと客観的に、もっと報道についての番組の方針だけではなく、取り方とか追求のしかたなどを論じるところがあったほうが、視聴者にももっとテレビに参加していけるような気がします。

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●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)