テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

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開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

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テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ10──テレビ報道の「強さ」 (2004-09-24) 2004-09-24

1)テレビ報道の「強さ」

・何か情報を得るとき、新聞でも雑誌でもほかの誰からでもない、テレビから得たという 経験は、どの程度あるか?
・テレビ報道に、釘付けにされた経験はあるか?
・「これはテレビならではの報道だ」と思った経験はあるか?
・それは、いつ、どんな報道を見たとき、どんな理由からか?

2)「強さ」の理由

映像のもつ力
・現実を切り取った映像は、現実の「もっともよくできた」コピー
 →再現性、迫真力etc.
 →新聞記事、雑誌記事と比べよ
・映像は「説明しない」=「わかる」
 →「貿易センタービルが倒壊した」との英語記事は、英語が読めなければダメだが、映像は見ればわかる(一目瞭然)
 →理性でなく感情に訴える
・映像は「傲慢である」
 →送り手のペースに、有無をいわせず引き込む。途切れなく注視させ、立ち止まって考えさせない

同時共有性
・4800万世帯のほぼ100%に普及し、いつでも誰でも見ることができるシステム
 →申し込み、閲覧手続きが不要で、テレビがあれば映る
・同時(即時)性、速報性、生
 →情報が早い。「時間と広がりに反比例して急速に価値を失う商品」を扱うには最適
・同じものを多数が見ているため、放映後にも、情報そのものやそれに対する感情が「増幅」していく

3)「強さ」の裏返しが「弱さ」だ

【参考】坂本サイトの「TVニュースの価値判断 テレビ報道のなにが問題か!?」
【参考】テレビの原理と放送局 http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/tv/tvtoha.html

●テレビは光と音以外は、送ることができません。(イラクのファルージャで米傭兵4人が焼かれ吊されたときはものずごい臭《にお》いがしたはずだが、臭いは送れない。アブグレイブ刑務所での拷問はものすごく痛かったはずだが、痛さは送れない。気温40度を超える中東の街はものすごく熱いはずだが、熱さは送れない。いずれも直接的に送るのはダメで、それを表す映像と音声しか送ることができない)

●カメラが撮さずマイクが拾わないものは、送ることができません。(したがってテレビは、原理的に客観報道などできない。カメラとマイクは人間が主観で操作するから当たり前。新聞・雑誌記事も人間が書くから客観報道などできなくて当たり前。「客観報道」という馬鹿げた言葉は「茜《あかね》色の青空」とか「真っ黒な白馬」のようにそもそも矛盾・自家撞着を起こしている。正しくは「客観的な報道」「公平な立場からの報道」「多様で多角的な報道」「バランスのとれた報道」「第三者的報道」「傍観者的報道」というような言葉を使って議論しなければならない。「テレビは客観報道が大事」などと見当違いなことをいっている者の報道は、政府・企業などの発表をそのまま右から左に流すだけの単なる「発表報道」であることがほとんどです)

●カメラは現実を部分的に切り取るため、ほとんどの場合、「現実の矮小化」か「現実の誇張」が起こります。(矮小化も誇張もせずに現実をほぼ現実のままに伝えることは、めったにない)

●電気信号に変換すれば、電波が使えます。ということは、テレビの中身は光と同じ速さで届く(速報性)。また、テレビのシステムは途中の経路の心配が不要となる(低コスト)。

●現場の「光と音」を最終的に「光と音」でもたらします。したがって迫真力がある(再現性)。ただし、最終的にもたらされるものは、現実によく似た「疑似現実」であって現実そのものとは異なる。新聞記者も現場で同じ「光と音」に接しているわけだが、新聞が最終的にもたらすものは新聞紙上の「写真と文字」(光の信号とはいえるけれども)に限定される。再現性については、活字メディアはテレビの足元にもおよばない。活字が1万行費やしても伝えられない事柄をテレビは一瞬で伝えることができる。もちろんカメラで撮れば、活字そのものも伝えることができる。

●光による情報(視覚に作用する情報)は伝達力が大きい。また、音(聴覚)を併用すると飛躍的に大きくなる。(五感のうちたった一つだけ残してあとは取り上げるといわれたら、何を残したいか。M.Metfessel「人間の知識の65%はその目を通じて集積されたもの」。H.L.Hollingworth”The Psychology of the Audience”「聴覚のみ、視覚のみ、聴覚と視覚の併用の3つの方法で静止画の記憶度を調べると、直後の記憶度は71%、72%、86%。ところが3日後の記憶度は10%、20%、65%」)

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●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)
 

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