テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ6――特殊法人NHKの強さ (2004-06-11) 2004-06-11


0)前回の補足(腸捻転の解消、株式の交換)

1)NHKの強さ その1:人事・予算

前回取り上げたNHKと民放の違いを想起せよ。NHKは、NHKが局を新設するのであり、申請が殺到し一本化調整が必要ということはない。テレビが映る場所ではNHKも映る。だからコントロールの道具としての「免許」の意味は薄い。代わりにNHKが縛られているのが人事と予算である。

・放送法の意味(何をどう定めているか)
・人事 経営委員会→国会の同意のもと内閣総理大臣が任命
    会長→経営委員会が任命
    経営委員長による会長人事の私物化(住友銀行・磯田一郎と池田芳蔵会長)
    天下りの横行
・予算 総務大臣に提出
    総務大臣は意見を付けて国会に提出、承認
・NHKが政治や政府と特別な関係にあることを示す事件・実例を調べてみよう

2)NHKの強さ その2:受信料

・NHKの経営の源泉「みなさまのNHK」
・NHKにおける受信料対策の重み
    例)のど自慢
・受信料の光と影(特殊性)
・メリット
    「国営放送」でないといえる唯一最大の条件
    安定収入で「あまねく普及」「広範な受信対策」を可能に
    視聴者によるチェック機能
・デメリット
    罰則がなく、支払い者と不払い者で不公平が発生
    とりっぱぐれが多い(取りやすいところからしか取っていない)
    高い
    多メディア多チャンネル化で「あまねく普及」の意味合いが薄れた
・受信料はどうあるべきか、周囲の意見を集め、自分なりの考えをまとめてみよう。

・国(政府)の放送局支配の源泉=放送免許
・言葉=許認可行政/許認可権/行政改革

・NHKと民放で、その効果はやや異なる
 →ある地域でNHKに免許を出さず、他民放に出すということはあり得ない
 (「あまねく普及」義務・責任のNHKは、必ずその地域の放送局第一号の一つ)
 →免許で縛ることができるのは民放、NHKは人事と予算で縛る
 →いずれにせよ、縛る特定のものには弱いが、他のものには強い

【資料 放送法のうちNHK関係の主な規定】

第二章 日本放送協会
(目的)
第七条  協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び委託協会国際放送業務を行うことを目的とする。

(経営委員会の設置及び権限)
第十三条  協会に経営委員会を置く。
2  経営委員会は、協会の経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する。

第十四条  次の事項は、経営委員会の議決を経なければならない。ただし、経営委員会が軽微と認めた事項については、この限りでない。
一  収支予算、事業計画及び資金計画
二  収支決算
三  放送局の設置計画並びに放送局の開設、休止及び廃止
四  委託国内放送業務及び委託協会国際放送業務の開始、休止及び廃止
五  第三条の三第一項に規定する番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画
六  定款の変更
七  第三十二条の受信契約の条項及び受信料の免除の基準
八  放送債券の発行及び借入金の借入
九  土地の信託
十  第九条の三第一項に規定する基準
十一  事業の管理及び業務の執行に関する規程
十二  役員の報酬、退職金及び交際費(いかなる名目によるかを問わずこれに類するものを含む。)
十三  その他経営委員会が特に必要と認めた事項


(委員の任命)
第十六条  委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。この場合において、その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮しなければならない。

第二十七条  会長は、経営委員会が任命する。

(受信契約及び受信料)
第三十二条  協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
2  協会は、あらかじめ総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
3  協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。

(収支予算、事業計画及び資金計画)
第三十七条  協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、総務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2  総務大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を附し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。
3  前項の収支予算、事業計画及び資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が附してあるときは、国会の委員会は、協会の意見を徴するものとする。
4  第三十二条第一項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料の月額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによつて、定める。

(業務報告書の提出等)
第三十八条  協会は、毎事業年度の業務報告書を作成し、これに監事の意見書を添え、当該事業年度経過後二箇月以内に、総務大臣に提出しなければならない。
2  総務大臣は、前項の業務報告書を受理したときは、これに意見を付すとともに同項の監事の意見書を添え、内閣を経て国会に報告しなければならない。
3  協会は、第一項の規定による提出を行つたときは、遅滞なく、同項の書類を、各事務所に備えて置き、総務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

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●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)