テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

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開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

学校と塾の微妙な関係。 2007-12-20

18日の”NEWS23”では
東京の杉並区立和田中学校で来年1月から1年間、2年生の希望者を対象に「夜スペ」と題した試みが始まることを特集で報じた。


◆番組の内容◆
・リクルート出身の民間人校長として知られる藤原和博校長が打ち出した夜スペシャル、(通称、夜スペ)について紹介。

・参加希望者(中学生)の反応。(インタビュー)

・学校での教育と塾での教育の違い。現状について。
(進学塾サピックスの現役講師のインタビュー。『学校でなにを教えているのか疑問』)

・不安な点について。(学力の格差。夜遅くなるので、子供達の安全面。)

・校長の意気込み。


このような流れでVTRは終わり。

キャスターの膳場貴子さんは
『学力格差という言葉はでてきましたが、それ以上に”夜スペ”を受けたくても、経済的に受けられない子供との、経済格差のほうも否めないですよね』と言及。
すかさず後藤謙次さんが
『(夜スペは)通常の塾の月謝の半額です』とフォローした。


◆私の感想、気になった点◆

和田中学校は今までの学校という概念にしばられない、斬新で革新的な活動を積極的に取り入れる学校で有名で、引っ越してまで和田中学校に通わせるご家族までいるらしいです。
私も、夜スペはおもしろいなぁと思うし、自分が中学生だったら通いたいと思う。
(予備校の先生の授業は学校の先生より教え方が上手だし、おもしろいと実感したことが何度もあるので。)

学力格差、経済格差、通学路の安全面、不安な点も多いがチャレンジする価値はあるはずだ。

今回私が気になったのは、VTRで”夜スペ”の担当講師が紹介されたとき、『大手進学塾SAPIX』と、明確に報じられたことだ。

公立の和田中学校が、大手進学予備校SAPIXを指名したことによって、SAPIXとしてはかなりの宣伝効果があったはずだ。

夜スペの月謝は通常の半額で、採算を取ろうとしていない。あくまでも、学校教育の新たな挑戦に協力したい。と、クリーンなイメージいっぱいだが、
そんなわけがない。

今回の報道で何度SAPIXの名前が出たかわからないし、高感度も高い内容だ。
公立の学校が認めた、優秀な塾で、子供のこともよく思っている。子を持つ親なら
感心してSAPIXの名前をインプットしたのではないかと思う。
ほとんどの学校が”夜スペ”をやっていないのだから、通常の月謝を払ってSAPIXに入れるという親も安易に想像できる。

夜スペが全国的に広まれば、各地で認定された大手進学塾は同様に最高の宣伝場所を得られるわけである。

大手とか、宣伝とか、クリーンなイメージとか、ブランドとか、そういう概念が公立学校に侵入してしまったら、子供のことを本当に思う名物校長の精神からは逸脱してしまうのではないだろうか?

すこし想像力を働かせすぎかもしれませんが・・・。


私は、今回の報道でSAPIXという固有名詞は挙げないほうが良かったのではないかと思う。

それではSAPIXになんのメリットもないと言うなら
”採算ど返し”とか”学校と協力して、子供の才能を伸ばしたい”などの表現は胡散臭いだけだと思う。学校にもお得だし、塾サイドもお得な関係と表現されるなら適当と思うが。
(教える場所や設備は整っているのだから、月謝半額も出血大サービスというわけでもないはず・・・)

新しい動きや、挑戦に水を差すような報道は風当たりも強いし、難しいとは思うけれど
『シタゴコロ』につっこむのも(今回は塾サイドのシタゴコロ)忘れないでほしい。

<<番組情報>>
"NEWS 23"
時間:22時54分~
チャンネル:TBS

キャスター:膳場貴子、後藤謙次




コメント

記事の後に署名がないけど、たぶん成井さんの記事
ですよね?

リクルート出身の校長だけあって、PRの手法をうまく使う
人だなぁと思いました。
成井さんは、大手とか、宣伝とか、クリーンなイメージとか、ブランドとか、そういう概念が公立学校に侵入してしまったら、子供のことを本当に思う名物校長の精神からは逸脱してしまうのではないだろうか?
とおっしゃっていますが、まあもちろん子供のことを思ってはいるのでしょうが、このリクルート出身の校長は、ただ校長のお給料だけもらって学校を建て直そうとしているのではなく、民間時代に築いた人脈を公立校にも流入させる仲介をする役目もあるのではないのでしょうか?
だから学校的にサピックスの名前とその中学校の名前を一緒に出す代わりにこのような試みをしています、というネタをテレビ局に提供しているんだと思います。




このネタはいろいろなところで
波紋を広げていますね。
まあ、始まる前から色々言ってもしかたがないと思います。
部外者ですし。
ある程度進んだ時に、
生徒の状態や学力、思考力がどう変わっているか、
学校や保護者との関係がどうなっているかを
みてから改めて議論すべきではないでしょうか?


ところで、
採算ど返しではなく
採算「度外視」では?

記事を書いた方はすっかり何かに騙されています。報道を考えると題してるのに、マスコミ世論操作に操作されている。そもそも「子供のことを本当に思う名物校長」って誰よ? もう一歩実態調べてからにしてよ。その英雄校長を取り上げて子供のことを本当に思うって思わせたのはマスコミでしょ。やりたいって声のみ流しているのもマスコミでしょ。しっかりしなよ。

そもそも教育委員会が反対しなければここまでの騒ぎにはなっていなかったはずで
今回の一連の報道の過熱ぶりは
おそらく校長はもちろんサピックス側も予測していなかったのでは?
それに確かに設備はあっても、
教材や講師の派遣費用、
その講師を派遣している時間帯で所属のサピックス校舎で授業がある場合には
当然、代講が必要になるのでその人件費
と考えれば、
おそらくは赤になっているはず

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)