テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

スポンサーサイト --------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

二輪は適用外! 2006-09-21

昨日20日のブログを勝手にお休みして申し訳ありませんでした。
ということで今日は昨日の分も合わせて2つ更新したいと思います。

19日のブログ(日付をまたいだので正確には20日ですが)では「飲酒運転」についてふれましたが、今日、夕方やっていた「スーパーJチャンネル」で、あるバイクの飲酒運転による2年前の事故を取り扱っていたのをみてとても驚いたことがあったのでそれについて書きたいと思います。

今まで知らなかったのですが、なんと二輪車による飲酒運転は危険運転罪にはならないというのだ!番組ではこれを「法律の思わぬ盲点」と言っていた。

番組は、今日から始まった「秋の全国交通安全運動」の様子を少し紹介し、2年前実際にこの「法律の思わぬ盲点」によって危険運転致死傷罪に適用されなかった2輪車の飲酒運転による事故の被害者の父親の思いや葛藤(まるでドキュメンタリーのように)と、同じ高速で走る乗り物であるにも関わらず4輪と2輪での事故時の罪の重さの違いという「法律の矛盾」を照らし合わせるというような構成になっていた。

この事故では、なんと驚くべきことに加害者は飲酒運転にも問われなかったというのだ。事故で怪我をしていたため、飲酒検査が行われなかったのだ。

人を一人殺しておいて危険運転致死傷罪に問われないだけにとどまらず、結局懲役3年の実刑というだけに終わったのだ。

被害者とその家族はどんな気持ちだろうか。

私は観ていて、やけに感情的にゆさぶられるものを感じた。なぜだろうと何度も繰り返し観てみてわかったような気がした。

番組は淡々と「飲酒運転によって○○さんがなくなりました」というだけではなく、被害者の写真や、家族との最後のメールのやりとりの内容など、比較的被害者の情報などを多く紹介していた。

それをみる視聴者は自然と情(おおげさではあるけど)のようなものを抱くのだ。そのあとでむごい死に方や家族の悲しみ、加害者に課せられた罪の予想以上の軽さなどと激しく突き落とすような内容を順序よく告げていたのだ。なんだかドキュメンタリーをみているような気にもなった。

もちろんすべて事実で、それをどういうふうに構成するのかでずいぶん違ってくるのではないかと思う。

制作者側が観たものに被害者への激しい同情の念や、法律や加害者への怒りを抱かせることを狙いとしていたのかはわからないが、いずれにせよこういう構成が私がそうだったようにそういった効果を生んだことは確かだと思う。

そしてこれが少しでも事故防止に繋がれば一番望ましいのではないだろうか。

一方的に跳ね飛ばされ即死させられたという、誰がどう見ても憎むべき事故に対して、なんの威力もふるわない目の粗いザルのような法律を私は愚かだなと感じた。

この法律が改正されるまであとどれくらい時間がかかるのかはわからないが、この事故から今2年経って、その間にバイクによる事故でどれほどの罪のない被害者がでていて、どれほど厳しく裁かれなかった加害者がいたのかということを考えると本当にもどかしい気持ちになる。

12~18日までの7日間で、なんと4383件もの飲酒運転が摘発されたという。一日にして626件だ。

ちょっとどうにかならないのだろうか。

私の知り合いにも飲酒運転をよくしている者がいるけれど、自分が飲んで自分だけが事故にあうなら自業自得だけど、たいてい他人を巻き込むのだということを忘れないでほしい。

自分は大丈夫と思うことが事故の始まり。



みなさん、ベタではありますが“飲んだら乗るな、乗るなら飲むな”です!!
ほんとこれにつきると思います。

《番組情報》
番組名 スーパーJチャンネル
放送局 テレビ朝日
時間帯 16:52~19:00
キャスター 小宮悦子

【鮎川ゆき】

コメント

3つの懸念

どうでしょうか。「他者に危害を加えてはいけない」ことを、単に周囲からそういわれているからそうする、くらいにしかとらえていない人が増えてる気がするんです(特に年齢層が若くなるにつれて)。ホンネでは、それも弱肉強食のうち、くらいにしか思ってない。でないと、これだけ飲酒運転が横行する理由になりません。テレビはそうやって社会の多数を敵に回すようなことは言わないですからねぇ・・・。
 それと、二厘が危険運転致死罪の対象外であるなら、なぜ制定の過程でそうなったのかも報じてほしかったのに、それがなぜなかったのか気になります。単なる専門家の見落としなのか別の問題があったのかによって、この番組のトーンもずいぶん変わってきそうに思えますが。
 あと、視聴者の感情に訴えることで、物事が必要以上に大きく取り上げられていないかどうか心配です。

かじかさんへ

>「他者に危害を加えてはいけない」ことを、単に周囲からそういわれているからそうする、くらいにしかとらえていない人が増えてる気がするんです(特に年齢層が若くなるにつれて)。

そうかもしれないですね。でもどうしてなんでしょうか、ちょっと飲酒の話とは離れてきますが大袈裟な話し実際「死」というものをあまり身近に感じることができなくなっている世の中なのかもしれないですね。だからそういうことに関して無感情で、「やってしまった」って感じであとはもう手遅れ・・・というような事態になるのかもしれないですね。幼少時にあまりに危険なことからかけ離れた安全な生活を大人たちが用意しすぎて(過保護だったり)痛みや恐怖を知らないまま育ちすぎてしまうのでしょうか。

>二厘が危険運転致死罪の対象外であるなら、なぜ制定の過程でそうなったのかも報じてほしかったのに、それがなぜなかったのか気になります。


「二輪の死亡事故は自損事故が多く、歩行者らが巻き込まれる重大事故は四輪に比べて極めて少ないため危険運転致死傷罪の対象から除外された」と参議院法務委員会で京都産業大法科大学院の川本哲郎さんという教授が指摘しているそうです。仮にこんな理由があったにせよ、現実的に事故が起きているわけだからはやく改めるべきですね。間違ったことを早急に改定できる身軽な体制というのはとれないのでしょうか・・・

>視聴者の感情に訴えることで、物事が必要以上に大きく取り上げられていないかどうか心配です。

BGMの件でもそうですね。全員にその威力がふるわないにしてもかじかさんのおっしゃるように報道側の意向どおりにいくらかの視聴者を操ることだってあるのかもしれないわけですから、報道する人達の人間性やモラルが大事になってきますね。


▼ コメントをどうぞ!! すぐ上(既存コメントの末尾)に追加します。

表紙(最新ページ)へ

月めくり

≪≪ 2017-07 ≫≫
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

年月別の記事

内容別の記事

3.11巨大地震発生から

最近の記事10

最近のコメント10

主宰者から

日本大学藝術学部放送学科

●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。