テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

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開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

報道の力or厳罰の力 2006-09-13

こんばんは。また更新が遅くなりました。毎日すみません。。。

今日は報道ステーションしか録画できずに、その中で連日の飲酒運転事故について書きたいと思います。

今日も2件事故がありましたね。こんなにも続けておきるのは、「まさか自分は事故なんか起こさないだろう」という根拠のない自信からなんでしょうか。

今日、バイト先で団体のお客さんの飲み会があっていましたが、その中にも車で帰った人がいました。やはり、飲酒事故が多発している事は自分とは関係ないことと考える人が多いということなんだと思います。

さて、今日の飲酒事故については、同じ報道ステーションの昨日の報道と比べてみました。まず、昨日の報道から説明します。

9月12日(昨日
最初に古館さんコメント。危険運転致死傷罪の最高刑(懲役20年)よりも、1回事故現場から離れて(ひき逃げ)お酒を抜いてから出頭すると、業務上過失致死傷罪+ひき逃げの罪なのに最高刑(7年6ヶ月)が低くなるということを説明。

その日に起きた事故の1件目を事故現場の映像、被害者遺族のインタビューとナレーションなどで説明。

逮捕された容疑者の当時の状態を通報した人のインタビューとナレーションなどで説明。警察は危険運転致死傷罪も視野に入れているとナレーションが入る。

2件目はVTR中、事故現場でレポーターが事故の様子を説明。この事故の容疑者は、いったん現場から離れてその後出頭した。道路交通法違反(ひき逃げ、無免許)で逮捕。

警察の取り締まりが全国各地でいっせいに行われたことを取り締まりの様子を撮った映像と一緒に説明。

危険運転致死傷罪が適用される飲酒運転よりも、ひき逃げのほうが刑が軽くなること、危険運転致死傷罪適用件数の減少とひき逃げ事故が増加していることをグラフで説明。

全国交通事故遺族の会、会長のインタビュー。

別の遺族のインタビュー。ひき逃げをして、酔いを冷ましてから出頭したことで危険運転致死傷罪が適用されなかったと説明。「逃げてしまったから、その結果あなたは罪が軽くなってるのよ」と発言したのが印象に残った。

スタジオに戻り、古館さんとコメンテーターの会話。


9月13日(今日
最初に古館さんコメント。「連日お伝えしていても収まらない。どういうことでしょうか。(以下略)」

広島の警察の取り締まりの様子を映した後、検挙されたドライバーにインタビュー。1晩で14人が酒気帯び運転で検挙されたと説明。

今日1件目の事故を現場の映像とナレーションで説明。

2件目も同様。暴行事件も起こしたと説明。その後、現場にいた人にインタビュー。

黒画面に「厳罰化の動き」というテロップが出た後、茨城県の全職員が飲酒運転防止署名誓約書に署名することを伝える。

神奈川県では、県の職員が酒酔い運転で検挙された場合は事故がなくても懲戒免職にすると発表。記者会見の映像とイメージ映像、ナレーションで説明。その後神奈川県職員にインタビュー。

過去に飲酒運転で検挙された元教員が処分が重いと不服申し立てをした事を当時の勤め先のインタビュー映像などで説明。

0.15ml/lで酒気帯び運転になるが、実際にはどのくらい飲むと基準値を超えるかを、実際に新橋の居酒屋のお客さんで検証。

医師のインタビュー。

お酒を飲んでから乗車すると、車のエンジンがかからない新しい車の機種を紹介。海外では普及が進んでいるとナレーション。

スタジオに戻り、古館さんとコメンテーターの会話。


昨日の報道は、罪が軽くなってしまうひき逃げ事故の被害者遺族インタビューなど、感情やモラルに訴える手法が見えました。一方、今日の報道は、古館さんの最初のコメントからも伺えるように、連日起きる事故を止めようと厳罰化の動きや新しい車のことなど、飲酒運転がしにくいなぁと思わせようとしているように見えました。

この2日の報道、どちらのほうが効き目があるんでしょうね。私は、今日のほうがあるんじゃないかと思います。モラルの低下が原因でこんなにも事故が多発しているなら、「あなた飲んだら普通に運転できない社会になりますよ~」と呼びかけたほうが自分に関係ないことだと思う人は少ない気がします。

こうやって連日報道している制作者の意図が読み取れましたが、テレビの力、報道の力はどこまで事故を食い止められるんでしょうね。


<番組データ>
番組名:報道ステーション
放送局:テレビ朝日
放送時間:21:54~11:09
キャスター:古館伊知郎、河野明子


コメント

私も二番目の方が。

私も山口さんが書かれた様に、「連日起きる事故を止めようと厳罰化の動きや新しい車のことなど」の方が食い止める力があるのではないかなぁと思います。今までもモラルに訴える報道は飲酒運転での事故があるたびに、被害者家族のインタビューを放送したりしてやってきましたので。モラルよりも、「自分たちにも関係あること」という実感のある報道でないと、効き目は無いと思います。

それにしても本当に飲酒事故が多いですね。私が思うに、今までもこの数の飲酒事故はあったのではないのでしょうか?ただ報道してこなかっただけで・・・。

駐車場つき居酒屋

私も実際に見たわけではないのですが、たまにやっている交通事故の特番で、駐車場つきの居酒屋が何軒もあることを知りました。確かに地方などで交通手段が車しかない場合、そういった店が出てくることは仕方のないことかもしれません。だって飲んでない人が運転すればいいんだし。だけど、飲んじゃってる人に正しい状況判断なんてできるわけがないし、ならば周りの人が防止することも必要なのでしょうね。実際に、飲酒運転した本人のみでなく同乗者なども罰したほうがいいのではないか?という見方も最近出てきていますよね。
いつだったか「きょう発プラス!」でも、恵さんが「道路上で検問を行うんじゃなく、駐車場とかでやった方がいいんじゃないんですかね。」と言っていました。道路上で飲酒が発覚したらすでに飲酒運転しているわけで。確かに、と思いました。

多様な影響

 たぶん福岡市の事故が起きるまでは、飲酒運転による事故は、今まではひどいものでない限りローカルニュースレベルに留まっていたのではないでしょうか。それが、「あれだけひどい事故が起きたんだから飲酒運転する人は減るだろう」という仮定でいると、福岡市の事故関連のニュースのようになってしまうんですよね。
 思うのですが、おそらく運転がうまいと思ってる人や酒に強い人は、「自分はああならない」と妙な自信を持ってるんじゃないでしょうか。こうなるとテレビ報道も逆効果です。車が動かない仕組みの導入しかないのでしょうかね。

飲酒事故のニュース続きますね。
車が動かないようにしたり、罰を厳しくするということでしか
意識をかえれないのはかなしいことですよね。
余談ですが、運転を代行するサービスもあったと思います。

>今日、バイト先で団体のお客さんの飲み会があっていましたが、その中にも車で帰った人がいました。

こういうとき、お店で働いている方はとめないのですか?
車できていると知った時点で入店を断る、というように
なってかないと、車でこられたお客さんが飲むのを
認めている、という意識はやはり自分に関係ないと
なってしまうように思います。

>森さん、山本さん、かじかさん、コメントありがとうございます。

確かにあの福岡市の事故以来、飲酒運転の報道が多くなりましたよね。今日もまた事故があったようですし、止められるのは新しい車の仕組みや居酒屋の駐車場も含め、もう政府が厳しい制度と罰などを決めるしか方法がないんでしょうかね。

そうしないと できないようなことなんでしょうか。そこまでドライバーのモラルが落ちているなんて、ホントに情けないですね。

1人1人から

>ヴィーナスさん、コメントとご指摘ありがとうございます。

うちの店は駐車場がないので普段はお客さんは近所から歩いてきます。
でもやはり、気づいた時にはなるべく止めるべきだと思いました。
今日、NHKのニュースでも(どの時間帯だったかは忘れましたが)、お酒を出したお客さんには全員にタクシーの初乗り料金を負担するサービスを始めたことを紹介していました。うちの店も、まず私から気をつけて飲酒運転を止めようと思います。

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●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)