テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

報道活動部門ギャラクシー賞受賞「報道活動」を見て、制作者と語る会 2010-11-13

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報道活動部門ギャラクシー賞受賞「報道活動」を見て、制作者と語る会
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※どなたでも入場できます。坂本担当の日大芸術学部放送学科「放送特殊研究V」受講生は出席必須(出席した者または書面にて正当な欠席事由を提出した者以外には、成績をつけない)
◆日時:2010年11月13日(土)13:00~17:00(開場12:30)
◆場所:日本大学藝術学部江古田キャンパス(西武池袋線各駅停車にて江古田駅下車 北口より徒歩3分) 東棟2階 E207教室
◆入場無料(定員100名) ※事前申込み不要。どなたでも入場できます。
◆主催:放送批評懇談会ギャラクシー賞報道活動部門委員会(委員長/碓井広義 副委員長/市村元 委員/今村庸一 小田桐誠 加来由子 兼高聖雄 鈴木典之 鈴木嘉一 中村正敏 堀木卓也 宮前周司)
◆後援:日本大学藝術学部放送学科
【プログラム】※局から来ていただいた6名以外は、放送批評懇談会の報道活動部門選奨委員(ただし2010年6月に任期が終わり退任した者を含む)
12:30 開場/受付開始
13:00~13:05 開会あいさつ
13:05~14:15(part1)
◆北海道テレビ「議会ウォッチ」上映
◆札幌テレビ「聴覚障害偽装事件における一連の報道」上映
◆ディスカッション《終了後10分休憩》
北村稔(北海道テレビ)、眞鍋浩史(札幌テレビ)、麻生千晶(作家)、山田健太(専修大学)
14:25~15:35(part2)
◆伊那ケーブルテレビジョン「上伊那の戦争遺構シリーズ」上映
◆朝日放送「NEWSゆう+ 追及!終わらない年金問題」上映
◆ディスカッション《終了後10分休憩》
伊藤秀男(伊那CATV)、天本周一(朝日放送)、露木茂(東京国際大学)、坂本衛(ジャーナリスト)
15:45~16:55(part3)
◆AMラジオ災害問題協議会「関西発いのちのラジオ 災害への備え」試聴
◆鹿児島テレビ「ナマ・イキVOICE~オンナたちの小さな挑戦・20年」上映
◆ディスカッション
谷五郎(ラジオ関西)、石神由美子(鹿児島テレビ)、鈴木典之(放送批評家)、小田桐誠(ジャーナリスト)
16:55~17:00 閉会あいさつ
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以下、坂本サイト「日録メモ風更新情報」2010年11月14日付の記事を転載

●13日は、日大江古田校舎までカメラバッグを転がしていく。控室にて、放送批評懇談会ギャラクシー賞報道活動部門・前委員長として一言ご挨拶。「遠路はるばるありがとうございます。私たちが、2009年度、日本でいちばんすばらしい報道活動だと6本を選ばせてもらったのが、今日お出でいただいたみなさんの作品です。改めて見て活発に議論し、楽しい集いにしたいと思います。よろしくお願いします」とかなんとか

●で、part1で早速トラブル発生。北海道テレビさんのDVDが認識できず、札幌テレビさんのDVDがカクカク一瞬止まりつつの上映(終わりのほうで止まっちまった)。現・委員長で司会の碓井広義が「生放送みたいですね。よくあることです」とつなぎ、ディスカッションに移行。現・委員の兼高聖雄・日大教授とスタッフ学生が汗だくで、異なるプレーヤー二台とPCに接続を換えて試すも、北海道テレビDVDは認識不能。あとで別のDVD(応募時の1時間もの)を流すことに

●part2は私も登壇したので、やや詳しくレポしておきましょう。伊那CATVの伊藤秀男「戦争関連の報道といえば、とかく終戦の8月15日や東京大空襲の3月10日にからめてとなるが、そういうものではないだろうと。毎週1人を取材し番組にしていった」。朝日放送の天本周一「きっかけは年金の不正免除(収納成績を上げるため勝手に免除世帯にしてしまう)の取材。それを進めるうち、年金受給の窓口で『記録が消えている』という人が多いとの話をつかんだ。5~6回放送した後、テレビ朝日・報道ステーションが伝えて大反響に。これが2007~08年。その後、政権交代があっても問題は依然として解決していないから報道を続けた。東京キー局に言っても『年金じゃ、数字取れないからなぁ』といわれる」。露木茂「東京キー局と地方局の違いが如実にわかる。東京では『A面・B面』という。A面は全中(全国中継)の大きなネタで、キー局はそれを全国発信し、数字を取ろうとする。伊那CATVも朝日放送の報道は、そうではないからこそ貴重であり、高く評価できる」。坂本「いま露木さんが、キー局の大きく強い反省を込めて解説されたことに、あまり付け加えることもない。伊那CATVは小さい。どのくらい小さいですか?」。伊藤「2万6000件加入」。「東京では町の人口にすぎない。しかし、戦争責任の問題は、そんな地元にこそある。65年前に日本人は平和主義だったが、軍部によって戦争に巻き込まれたみんな被害者だ、なんてバカな話はない。日本人一人ひとりが戦争をやった。長野の教育界は戦争協力者どころか戦争推進者だ。そんな問題を地域で一つひとつつぶしていくことが重要だろう。それを伊那CATVはやろうとした。キー局は『折折の報道』以外、やっていない。たとえば差別問題。新宿で学区撤廃をしたとき特殊学級(若竹学級)のある小学校に子どもを通わせたくないという親たちによって、小学校が一つつぶれた。差別は厳然といま、ここにある。しかし、これを報道した東京の放送局は一つもない。伊那CATVの報道は、昔のエラい人の責任を追及することになるから、地元ゆえの難しさもあっただろう。それに挑戦した意欲を買う。大阪朝日も消えた5000万の年金記録問題を、まだ3000万は消えたままではないかと、しつこく報じた。海保映像流出報道を見ても、キー局は『集中豪雨型報道』『瞬間湯沸かし器的報道』で、ワーッと過熱しスーッと冷めてしまう。そうではない、しつこい報道を高く評価する」。例によって、ICレコーダを聞き直すなんて面倒なことはしてないので、こんな感じの話だったということで

●part3は、照明を落とし、まずラジオを聴く。阪神・淡路大震災のときの現場レポートで記者「どうされました?」「いま家から逃げてきた。自宅は丸焼けだ」「たいへんな目に……」「息子が家の下敷きになった。足を引っ張ったが出せなかった。息子は『オヤジ、逃げてくれ』と言った」「えっ!? 息子さんが下敷きに? おいくつですか」「30、ええと38かな(←30代は間違いないが、聞き直していないので、34だったかも。オヤジさんはちょっと考えて年を言った)。火が回ってきて」「……(絶句)」。まさに言葉を失う生中継です。これもキー局には絶対、報道できない。テレビにもできず、機動力あるラジオにしかできない。記者側も何と言ってよいかわからず、かろうじて年齢を聞いた。なお、この息子を亡くされたオヤジさんは、このラジオ中継をまったく記憶していないそう。余談ですが、NHKラジオは震度5以上だとラジオ・テレビともに同じ全国向け総合放送になる(ラジオでテレビの音を流す)ので、神戸市長田区でラジオを聞きながら逃げ惑う人に役立つ情報を伝えることができない(いまもその体制かどうかは調べていません。私はこのことを繰り返し批判的に書いています。教育テレビの安否情報もクソの役に立たないから止めるべきだとも、繰り返し書いている。当時のNHK経営企画室の若手は「あれはただの視聴者対策。実効性は皆無で役に立たない」と断言した。いつかNHKの災害報道は反省が足りないとGALAC巻頭で書いたら、NHK広報が「取材せずに、何てことを書くんだ」と抗議電話を寄こしたので、「ふざけんな! あんたが広報に来る前に、さんざん広報を通じて取材した」と怒鳴りつけたことがある。海老沢会長時代の話ですけれども)

●最後に、北海道テレビDVDをしばらく流し、質疑応答。朝日放送・天本周一(32)の学生向けコメントを紹介しておきます。「みなさん、放送局に入って一緒にやりましょうよ。『自分はこういうことをやりたい』と『自分は放送局に就職したい』という人では、気持ちが全然違う。何かやりたいという強い気持ちがあれば大丈夫。東京の記者は夜討ち朝駆けばかりでドキュメンタリーなんて作れない。大阪なら作れる。テレビの将来がどうといろいろ言われますが、全然大丈夫です。あと15年は大丈夫。自分の嫁にもそういっています。20年後はわからないけど(笑)。大阪まで受けに来てください。お願いします」

●終了後、江古田駅南口、郵便局そばのカフェテリア「レガロ」で懇親会。感慨深かったのは各局のみなさんから、ギャラクシー賞をもらったのは名誉なことでうれしかったという以上に、局内で番組や報道活動への評価が高まり、番組見直しの声を抑えたり、企画を通しやすくする効果があってありがたかった、という声を聞いたこと。この現場の声は、審査員に対する最大のねぎらいの言葉で、皆やっててよかったと思ったはずです。今日はお台場で泊まるという伊藤秀男と飯田橋で別れ、もー吉。小林英美も来る。矢来町の長崎ちゃんぽんで26時まで。赤ワインを飲み過ぎ、久しぶりに酔っぱらいました
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●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)