テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2012年度の授業テーマは「[実践!]ネットは放送を殺すか?──ネットを理解することで、放送をより深く知ろう」。

ジャーナリストという仕事 2007-10-14

奈良の調書流出事件、鑑定医を秘密漏示容疑で逮捕と読売新聞。情報源を秘匿できず、情報提供者を守れないジャーナリストは、その点では失格。単純に、信用を失い、今後は危なくてその者に大事なことを話せなくなるから。出所が限定される(あいつかこいつかと絞めていけば特定できる)資料はダイレクトに使うべきではない。法律違反に問われる可能性がある場合は、情報をくれとメールを打つべきではない(証拠が残らないよう)し、書類は手袋をしてコピーすべき(指紋が残らないよう)。基本がなってない

●そのことと、ジャーナリストの仕事に社会的な意味があるかどうかは別。「情報源はバレるかもしれないが、敢えてこの問題を明るみに出す」というジャーナリストの判断はありうる。そのときは、情報源に「覚悟してくれ」というべきで、情報源が「あんな形で使うとは思っていなかった」と漏らすようではお粗末。私ならば、ある子どもにもその父親にも長時間話を聞かず、当局が取ったその子どもの供述調書とその他の周辺取材だけに基づいて、「ある子どもが自分の父親を殺そうと決断した」(本のタイトルはその意味)という結論を出すことは、絶対にしない。単純に、その手法で事実に迫ることはできないから。その手法では、まったく犯罪に関与していない者が無罪かどうかすら判別できない。富山の冤罪事件で、同じ手法で「俺は女を犯そうと決めた」という本を書けば、これはただのバカ。子どもは何をやったかすら、夢のようにわからなかったかもしれないのに、事件直後、子どもの専門家でもない当局担当者がキリキリ追いつめて取った調書に、どれほどの意味があるかは、当の子どもに(信頼関係を構築したうえで、長時間、慎重に)話を聞かなければ判定不能。そう思わない者に子どもの問題がわかるはずがない。だから私は、問題の本をもちろん読んでいません

●表現の自由は、以上と密接に関わるが、また別の問題

以上、テレビ報道を考える際にも参考になるはず。

【すべてを疑え!! MAMO's Site<日録メモ風の更新情報>2007-10-14から】 坂本 衛

本人や親、被害者側の責任は報道しなくていい? 2007-10-08

●テレビ報道でも新聞報道でも指摘できる大問題の一つは、何か事件や問題が起こったとき、組織(企業・役所・学校・病院・その他団体など)の責任や、それらがつくる現行制度の問題は指摘されるのに、その事件や問題の被害者となったふつうの人びとの責任が一切不問に付されていることです。思いつくままに例を挙げましょう。

◆神戸の私立高校生徒のいじめ自殺事件→学校はなぜ気づかなかったのかと追求されるが、親がなぜ気づかなかったかは報道されず、たぶん取材もしていない。私は、親が気づかないことを学校に気づいてくれと期待するほうが、どうかしていると思う。

◆乳母車が電車のドアに挟《はさ》まれ、そのまま発車してしまった事件→ホームに駅員が不在、車掌から見えにくかった、ドアは数センチのものを挟めば検知できるはずなどと報じられるが、閉まりかけたドアに乳母車を押して駆け込むバカ親の責任は一切報道されない。

◆エスカレーターの穴に指を挟まれ切断された事故→発生後2~3日は、国内の全エスカレーター全段に黄色い枠が描かれ、これを踏むなという注意アナウンスや掲示もしばしばなされており、黄色い枠の内側に足を置く限り事故は防げたはずという事実が、ほとんど報じられなかった。

◆妊婦を乗せた救急車が、受け入れを拒否する病院の間で「たらい回し」にされ、死産などにつながった事件→病院や産科医が少ない医療体制の不備は語られる。私は、かかりつけの医院がなぜ患者を受け入れないのか訝《いぶか》しく思っていたが、10月7日朝刊の中日新聞東京新聞で、受け入れを拒否される妊婦は、妊娠しているのにそもそも医者に一度も行っていないことが多い(8月に救急車内で死産した奈良県の妊婦もそうだった)と知った。妊娠に気づかなかった、受診するカネがなかったなど理由はさまざまでも、赤ん坊を死に至らしめた責任の一部が当の妊婦にあることは明らかだ。

◆古い家電製品が発火して焼死した事件→たとえば30年間使った扇風機が火を噴く場合、絶縁部品が経年変化によって劣化したという報道はあるが、ホコリやゴミが詰まっていたとは報道されない。テレビも煙を出したり火を噴くことがあり、部品の劣化や設計ミスが直接の原因になることもある。しかし、ユーザーが内部のホコリ・ゴミ掃除を怠ったことが発煙や発火の直接の原因になったり、それを広げる間接的な原因になるケースが、非常に多い。「5000円の扇風機の安全性についてメーカーに30年後まで責任を持て」と要求するのは、明らかに酷であり非現実的な話。社会通念上の耐用年数(まあ、いいところ10年。法定上は数年)を超過した製品の安全性は、使用者が第一義的に責任を負うべき。

◆一時盛んに報じられたシュレッダーによる幼児などの指切断事故→高い製品は、そもそも指が入りにくい設計にしてあるが、紙を入れて使う製品なのだから、絶対に隙間は必要。そして、幼児や赤ん坊の髪の毛の厚みは、紙の厚さと同等だから、シュレッダーに幼児や赤ん坊の身体の一部が挟まる事故は、原理的に避けることができない。だから、シュレッダーを幼児や赤ん坊がさわれるような環境に置く親はバカであり、子どもが事故にあえば当然、責任がある

●いくらでもありますね。時津風部屋はムチャクチャですが、週刊誌報道によれば殺された若い力士は親に「いい子になるから、迎えに来てください」という趣旨の電話を入れていたらしい。迎えに行かなかった親は、子を見捨てた責任がある。高校を中退したこの若者は、親からすれば必ずしもいい子ではなく、たぶん世間でいう「不良」だったのでしょう。親は子をもてあまし、「存分に鍛えてやってください」などといって部屋に預けたのかもしれない。学校から見放され、親からも見捨てられ、師匠や兄弟子たちになぶり殺された若者が哀れです。

●犯罪者が処罰されるのは当然でも、犯罪者は必ずしも責任者とイコールではありません。そして、事件や事故を減らすには、そのことに責任ある者の責任を正当に指摘し、その者に対策や改善を求めなければならない。

●その責任者が、ふつうの人、ふつうの親などの場合は、テレビや新聞にとってはお客さんだし、政治家にとっても票を入れてくれるお客さんですね。だからテレビや新聞も、政治家も、お客さんの責任を問う発言をあまりしないのです。しかし、私たちはみな、ふつうの人であり、ふつうの親なのだから、その責任は、誰にいわれなくても自覚しなければならない

【すべてを疑え!! MAMO's Site<日録メモ風の更新情報>2007-10-07から】 坂本 衛

2007年度授業で運用開始 2007-10-06

【受講生諸君へ】

●これまでこのブログは開店休業状態でしたが、2007年度の授業用として運用を再開します。まず、以下のようにしてください。

●受講生は左リスト「カテゴリ別の記事」のうち、「受講生は必読★」「坂本から連絡★」の記事を熟読すること。

●その他、過去の記事にざっと目を通し、興味をもった記事について熟読すること。

●いま読んでいるこの記事に対して、コメントを付けること。
その際、ブログ全体を目を通しての感想、「興味をもった記事」に関する感想を、200字程度にまとめて書き込むこと。締め切りは10月11日。

●受講生は実名を使用のこと。特別な理由がある場合は、ペンネームを用いてよいが、その場合は本名とペンネームを事前に坂本まで連絡せよ(坂本宛メールは、坂本サイトから打つことができる)。

【このブログをお読みの皆さまへ】

●当ブログは2006年度授業用に開設し、もっぱら同年11月まで使いました。その際、「受講生は1週間ぶっ続けで7回、本文記事を書く」ルールにしたところ、「生まれて初めてこんなに長時間テレビを見た」「生まれて初めてこんなに長時間ニュース(または報道系番組)を見た」「生まれて初めてこんなに長文を書いた」(卒論は書く前)という者が続出しました。何時間以上テレビを見よとも、何文字以上書けとも一切言っていないので、私は結構驚きました。

●ほかの教員がどういうやり方か、まるで興味がなく、一切関知もしていませんが、日大放送学科では「(番組を指定せず)テレビを見て、(文字数を指定せず)文章を書く」という授業を、あまりやったことがないのでしょう。平均的な大学3~4年生にとっては「テレビを見てブログを書く」という課題そのものが、過重な負担であることに加えて、2007年度は受講生が少なかったこともあって、前期は「放送とは何か」という原理的な部分を講義し、折に触れてテレビ報道の問題点を指摘する授業に切り替えました。で、9月末からの後期に入って、前年度よりもが負担にならない方法でブログを使い始めることにします。

●学外の方の閲覧やコメントは、前年度と同様、自由にしていただけます。書き込みの日が空いたり、コメントへの返信が遅れたりするかもしれませんが、上記のような事情を踏まえていただければ幸いです。

2007年10月6日

坂本 衛

神田京子の結婚披露ライブ 2007-10-05

●当授業(放送特殊研究V)の前身は「マスコミュニケーション演習IV」で、1999年度から始まりました。その「花の99年度卒業組」に、本田尚子というヘンテコな女の子がいて、秋から授業に出てこなくなった。どうしたと周囲の子に聞くと、「女講談師になるらしい」「二代目神田山陽に弟子入りした」と。それが、神田京子です。

●なんでも、神田山陽さんは「お前は今日来たんだから、京子だ」と命名した。また、山陽最晩年の弟子なので、もっぱら師の入れ歯を洗うばっかりで、あまり講談は習わなかったらしい。という噂だが、真偽のほどは不明。

●神田京子は1年ほど前に結婚(入籍)したと聞いていたが、今回下記のような案内が来たので、お知らせまで。

詩人・桑原滝弥☆講談師・神田京子
結婚披露特別ライブ♪ケッコン(仮)面


2007年11月17日(土)@築地ブディストホール(東京公演)
11月22日(木)@TOKUZO(名古屋公演)
11月24日(土)@Common Cafe (大阪公演)

★全公演共通詳細★
 とき:開場18時30分/
    開演19時30分
 料金:前売3500円/当日4000円 
 出演:詩人・桑原滝弥&講談師・神田京子
※名古屋・大阪公演は飲食代が別途必要となります。

東京公演チケット問い合わせ
パブリックスペースエンターティメント
Tel 080-1101-5714
public_space_entertainment@yahoo.co.jp

名古屋公演チケット問い合わせ
TOKUZO
Tel 052-733-3709
info@tokuzo.com
※チケットぴあでも同時発売。

大阪公演チケット問い合わせ
オレペコ企画
Tel 06-6371-0305
orepeko@nyc.odn.ne.jp

●神田京子のブログ 京子喫茶室 

●神田京子の掲示板 http://6005.teacup.com/kyoko/bbs

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日本大学藝術学部放送学科

●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。もちろん学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)