テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2012年度の授業テーマは「[実践!]ネットは放送を殺すか?──ネットを理解することで、放送をより深く知ろう」。

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ13──テレビ・バラエティをめぐって (2004-10-29) 2004-10-29


1)バラエティとは何か?

○広辞苑から
バラエティー【variety】①変化。多様性。「―に富む」②変種。③レビューで、歌謡・舞踊・寸劇などの幕なしの続演。バリエテ。④落語・漫才・曲芸など諸種の演芸をとりまぜた演芸会。また、その種の放送番組。
バラエティー‐ショー【variety show】バラエティー④に同じ。

エントロピー【entropy】
(ギリシア語の trope(変化)に由来)熱平衡にある系で、準静的に加えられた熱量をその系の絶対温度で割った値をエントロピーの増加分と定義する。可逆変化ならエントロピーは一定、不可逆変化では必ず増大する(熱力学第二法則)。クラウジウスが命名した熱学上の概念。拡張されて情報理論などでも用いられる。
→エントロピーは、不確定性、乱雑さ、無秩序の度合い

○もっともテレビらしいテレビ(番組)
・テレビ草創期に、バラエティはない
・テレビが「独自」の発展を遂げはじめると、広義のバラエティ番組が登場する
・視聴者はもともと多様で多数。それが近年さらに多様化(思考、嗜好、行動)する
・テレビの根本原理「視聴率up」=すべてをターゲットにする
 →1番組内で多様化する
 →コーナー分割し、多くの要素を盛り込む=バラエティ化する

○あらゆる番組はバラエティ化する!?(とりあえずの、しかし有力な仮説)
・作品性から情報性へ
・重厚長大から軽薄短小へ
・テレビが何かを作り出せず、もっぱら何かを増幅するのは、バラエティ化と関係がある

2)急増したいくつかの番組群(ちかごろのバラエティ)

○ドキュメンタリー的な笑い
・芸の解体、芸なきことの芸、芸より裏側
――たけし、さんま、タモリ、とんねるず、ダウンタウン、うっちゃんなんちゃん、ナイナイが本来持っていた(デビュー当時の)芸を見せているのではないことの意味を、よーく考えてみよう
・ヒトの笑いから企画の笑いへ
・プロデューサー主導、ディレクター主導(ドラマにも、この言葉が出てきたことに注意せよ)
・フジの笑いから日テレの笑いへ――「元気が出るテレビ」「電波少年」「ウリナリ」

○「VTR放映+リアクション」構成の番組群――「野々村真」とは何か?(これで卒論1本書けるぞ)
○ワイド情報バラエティ――「王様のブランチ」

○「参加」から「いじり」へ

○ドラマの「情報化」、「トレンディ化」
物(ブランド品、主人公OLの室内)、場所(田園都市線沿線、お台場、流行りの店)が主人公化する

3)テレビ・バラエティの「強さ」

○正統、権威、歴史といったものを壊す
○物事をわかりやすく、身近な存在として提示する(人びとの欲望に忠実)
○雑多なものをぶち込む→伝わり方が広がる

4)テレビ・バラエティの「弱さ」

○企画の貧困――横並び、モノマネ(パクリ)番組の横行、柳の下にドジョウは5匹?
○ヒトの貧困――吉本とジャニーズに「おんぶにだっこ」
○カネの貧困――安易なつくり、いわゆる「やらせ」
→人びとの欲望に忠実すぎ、おもねる

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ12──テレビドラマの「強さ」 (2004-10-08) 2004-10-04


1)松×布×子からのメール

一応「報道」と名を冠しているものでも、どこかにおかしものを感じずにはいられない。何か放送はおかしくはないか?
特に最近の出来事に対して、考えを聞かせていただけないでしょうか。

……なので、ちょいと話し合ってみよう!!

2)ドラマって何だ?

○ドラマ(drama)=(1)演劇。劇。芝居。(2)戯曲。脚本。
○ギリシア語のtheatron (テアトロン)=見物する場所
 芝居=平安末期~中世に流行した延年舞曲を、観客が寺社の境内の芝生に居て見物。
 延年(えんねん)=東大寺・興福寺その他の大寺で、大法会後の余興として僧侶や稚児 の行なった芸能の総称。平安中期に起り、鎌倉時代に盛行。風流・連事・開口・当弁・ 倶舎舞・白拍子・若音など種目が多い。室町時代末には衰え、現在わずかの寺院に面影 を残すに過ぎない。延年舞とも。
○ギリシア語のdrama (ドラマ)=行動、する、演じる(=play)
 劇=激しい(劇薬、劇物)
○「見る者・見せる者」を現実の一つの空間に集合した、本質的に社会的な営為。
→もともとの意味のドラマは、場所と行動の2つを合わせ持つ。

○テレビドラマは、ドラマに含まれる「場所」をすっ飛ばした、あるいは茶の間に置き換えたもの。
→その結果なにが起こったか、考えてみよ。
・よりリアルに(場所と時間の制約なし、視点の変化、ロケetc.)
・よりフィクションに(虚構性が強まる)
・演出(作り手関与)領域が拡大
・観客の関与領域が縮小(より受け身に)、ただし数は膨大に
・拍手は視聴率に変わる
・〈見ているものが限りなく現実に近く、現実そのものであれ〉という虚構と現実の同一視の欲望と、〈見ているものに完全に同化したい〉という欲望――これは変わらない。

3)テレビドラマについて

○「多数・同時共有」の面で、ピカ1の強さ
・タダ、手軽、わかりやすい……
○「スポンサー」という存在
・まがりなりにも、制作部門に相当なカネが投下されるシステムが確立
・たとえば映画、小説、マンガに比べてどうか?
○視聴率の呪縛
・功罪の両面
○民放プロデューサー・システム(トレンディドラマ=ドラマのバブル以降)
・民放とNHKの違い(とても大きい)に注意
・プロデューサー主導――編成主導(俳優をまず押さえて物語はあとから)
・脚本や演出の共同化――「作品性」の欠如
・プロダクションへの外注化――局カラーが薄まり没個性化
・カネ喰い虫――トレンディ=バブル・ドラマの崩壊と、そのツケ

4)連続ドラマ(連ドラ)の不振

○理由を考えてみよう
・視聴者の「視聴行動」の問題(ながら視聴、長く薄い視聴)
・視聴者のニーズ・興味の多様化、分散化
・現実優位(いま、何がドラマティックか?)
・90年代以降、世界は大変化を来たし、国内でも95年大震災・サリン事件に象徴される大災害・大事件が勃発。この圧倒的な現実をすくいとっているか?
・制作現場のマンネリズム(冒険や挑戦をしない――視聴率至上の弊害)
・制作現場の疲弊(人材不足、制作費の削減)

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ11──テレビ報道の「強さ」 (2004-10-01) 2004-10-01

1)前回の補足

・朝鮮戦争について
(誰か「1910年ころ?」とかいってたと思うので)

2)放送の「王道」「正統」――テレビ・ニュースについて

企画段階
・「慎重な配慮」「自主規制」から扱わない(扱えない)ネタ
 NHK……政治
 民放……スポンサー・監督官庁・系列(親会社)
・横や上からの押しつけ企画
・局による報道は、何よりも局を優先する

取材段階
・体制(人の問題)
・制作費
・時間
・「絵」になるか、ならないか

編集段階
・時間
・ニュースの価値判断
・チェック機能
・編集の余地がない……それこそテレビの「強み」であり「弱み」

3)バラエティ化

・得たもの
・失ったもの

4)視聴者の責任

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ10──テレビ報道の「強さ」 (2004-09-24) 2004-09-24

1)テレビ報道の「強さ」

・何か情報を得るとき、新聞でも雑誌でもほかの誰からでもない、テレビから得たという 経験は、どの程度あるか?
・テレビ報道に、釘付けにされた経験はあるか?
・「これはテレビならではの報道だ」と思った経験はあるか?
・それは、いつ、どんな報道を見たとき、どんな理由からか?

2)「強さ」の理由

映像のもつ力
・現実を切り取った映像は、現実の「もっともよくできた」コピー
 →再現性、迫真力etc.
 →新聞記事、雑誌記事と比べよ
・映像は「説明しない」=「わかる」
 →「貿易センタービルが倒壊した」との英語記事は、英語が読めなければダメだが、映像は見ればわかる(一目瞭然)
 →理性でなく感情に訴える
・映像は「傲慢である」
 →送り手のペースに、有無をいわせず引き込む。途切れなく注視させ、立ち止まって考えさせない

同時共有性
・4800万世帯のほぼ100%に普及し、いつでも誰でも見ることができるシステム
 →申し込み、閲覧手続きが不要で、テレビがあれば映る
・同時(即時)性、速報性、生
 →情報が早い。「時間と広がりに反比例して急速に価値を失う商品」を扱うには最適
・同じものを多数が見ているため、放映後にも、情報そのものやそれに対する感情が「増幅」していく

3)「強さ」の裏返しが「弱さ」だ

【参考】坂本サイトの「TVニュースの価値判断 テレビ報道のなにが問題か!?」
【参考】テレビの原理と放送局 http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/tv/tvtoha.html

●テレビは光と音以外は、送ることができません。(イラクのファルージャで米傭兵4人が焼かれ吊されたときはものずごい臭《にお》いがしたはずだが、臭いは送れない。アブグレイブ刑務所での拷問はものすごく痛かったはずだが、痛さは送れない。気温40度を超える中東の街はものすごく熱いはずだが、熱さは送れない。いずれも直接的に送るのはダメで、それを表す映像と音声しか送ることができない)

●カメラが撮さずマイクが拾わないものは、送ることができません。(したがってテレビは、原理的に客観報道などできない。カメラとマイクは人間が主観で操作するから当たり前。新聞・雑誌記事も人間が書くから客観報道などできなくて当たり前。「客観報道」という馬鹿げた言葉は「茜《あかね》色の青空」とか「真っ黒な白馬」のようにそもそも矛盾・自家撞着を起こしている。正しくは「客観的な報道」「公平な立場からの報道」「多様で多角的な報道」「バランスのとれた報道」「第三者的報道」「傍観者的報道」というような言葉を使って議論しなければならない。「テレビは客観報道が大事」などと見当違いなことをいっている者の報道は、政府・企業などの発表をそのまま右から左に流すだけの単なる「発表報道」であることがほとんどです)

●カメラは現実を部分的に切り取るため、ほとんどの場合、「現実の矮小化」か「現実の誇張」が起こります。(矮小化も誇張もせずに現実をほぼ現実のままに伝えることは、めったにない)

●電気信号に変換すれば、電波が使えます。ということは、テレビの中身は光と同じ速さで届く(速報性)。また、テレビのシステムは途中の経路の心配が不要となる(低コスト)。

●現場の「光と音」を最終的に「光と音」でもたらします。したがって迫真力がある(再現性)。ただし、最終的にもたらされるものは、現実によく似た「疑似現実」であって現実そのものとは異なる。新聞記者も現場で同じ「光と音」に接しているわけだが、新聞が最終的にもたらすものは新聞紙上の「写真と文字」(光の信号とはいえるけれども)に限定される。再現性については、活字メディアはテレビの足元にもおよばない。活字が1万行費やしても伝えられない事柄をテレビは一瞬で伝えることができる。もちろんカメラで撮れば、活字そのものも伝えることができる。

●光による情報(視覚に作用する情報)は伝達力が大きい。また、音(聴覚)を併用すると飛躍的に大きくなる。(五感のうちたった一つだけ残してあとは取り上げるといわれたら、何を残したいか。M.Metfessel「人間の知識の65%はその目を通じて集積されたもの」。H.L.Hollingworth”The Psychology of the Audience”「聴覚のみ、視覚のみ、聴覚と視覚の併用の3つの方法で静止画の記憶度を調べると、直後の記憶度は71%、72%、86%。ところが3日後の記憶度は10%、20%、65%」)

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ9――視聴者の強さ (2004-07-02) 2004-07-02


1)視聴者に対するテレビの強さ

・テレビは、視聴者の声を「あまり聞いていない」ようにも見える。
 (例)
 いきなりの番組中断・終了
 なぜ誰に対してなのかわからない謝罪・訂正
 横並びの工夫なき映像(大事件、全局ナイター巨人戦のラジオ)

・テレビは、視聴者の声を「ものすごく気にする」ようにも見える。
 (例)
 視聴率
 視聴者に「媚びている」かのような番組の氾濫
 特定の問題では異常に神経質(自主規制)
 いわゆる「差別」に対する怖れ

・NHKと民放では「視聴者像」が異なるように見える。
 NHK……みなさまのNHK
 民放……視聴率、スポンサーがらみのクレーム

・現実の視聴者をとらえているか? どちらも特定のフィルターを通した視聴者では?

・ということは、「本当の客」が見えていないのでは?

2)他メディアに対するテレビの強さ・弱さ

・新聞……影響力、「系列」の問題、天下り、資本・人事関係、報道の力不足

・出版……影響力、ネタ元にする、出演者を調達する

・「もちつもたれつ」の側面

【連絡事項】
1)次回7月9日(金)は、授業があります(1回休講した分の補講)。9日で今期はおしまいです。

2)少なくとも数人がやりたいといっているので、7月下旬に宴会をやります。

【日時】 2003年7月(  )日(  曜日) 午後5時半~(終わりはテキトー)

【場所】 早稲田・かわうち●03-3205-4129(坂本サイト@神楽坂ページに地図あり)
地下鉄東西線「早稲田」、高田馬場より出口から早稲田通りを馬場方向へ、穴八幡神社交差点(馬場下交差点)を通り越し最初の信号、左側角。JR「高田馬場」からは早大正門行き学バス「西早稲田」下車、次の信号。
【会費】 2500円
【出欠】 出席する者のみ授業時に直接(キリトリ以下を使用)またはメールで、「出席 氏名×××× 学生番号××××」を連絡のこと。店の都合があるから前前日までに。メールを出しにくい環境にある者は友人に託してもよいし、ハガキを出してもよい。

3)で、いつにする? 今日ここで多数決で決めます。結果を上欄に記入せよ。

7月23日(金)までは坂本がGALACで忙しい。
7月24日(土)すでに店に大宴会が入っておりダメ。なので候補日は以下。

7月25日(日)休みだが、特別に店を開けてもよいと。(この場合は夜10時まで)
7月26日(月)
7月27日(火)
7月28日(水)
7月29日(木)
7月30日(金)
7月31日(土)

------------------キリトリ----------------

放送特殊研究v 7月宴会の出席表

出席します。なお、当日は清く正しく美しくお酒を飲むことを誓います。

名  前                        

学籍番号                        

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ8――民間放送局の強さ (2004-06-25) 2004-06-25


1)民放の強さ その4:系列

・民放の歴史は「東京キーのネットワーク拡充・整理の歴史」
  テレビ局はすべて「ローカル局」……基本
  正力松太郎がつけた社名に注意「日本テレビ放送網株式会社」
  田中角栄の「腸捻転解消」

・およその現状(数字はちと古いうえにテキトー)……収入の「構造」が異なる
  【分類】東京キー局/大阪準キー局/地方局
  【売上高】3000~2000億円以上/800~600億円/100~50億円以下
  【社員数】1000人以上/数百人以下/100人
  【自社制作率】10割/4割/2割

・およそのカネの流れ(たとえばこんな感じ)
【タイム収入】
キー局夜の1時間ドラマ。企業数社が数千万円~1億円近くを出す
→電通など広告会社が2~3割程度を取り、残りがキー局へ
→キー局は一般管理費、番組宣伝費、設備・技術料、ネットワーク料(地方局に配分する電波料)を差し引いた残り(番組制作費)で番組をつくる(2000~3000万円とか)
→地方局は、キー局の番組を流す対価としてネットワーク料を受け取る。
→制作プロダクションは、番組制作費から局の取り分やタレントギャラその他もろもろを引いた額で番組をつくる
【スポット収入】(こちらは番組制作費には回らない)
企業がカネを出す→電通が3割取る→残りをテレビ局が取る(15秒200~400万円とか)

2)キー局支配が強まる理由

 背景に、東京中心の中央集権体制→人・モノ・カネ・情報が東京に集中
 視聴者は、エンターテインメント部門を中心に東京の番組を見たい。(ニュースは世界 も東京も地方も見たい)
 キー局は、系列一丸となり総合力を高め、視聴率を上げたい(番組を地方で流したい。 ニュースや話題では地方の手を借りたい)→系列ぐるみ取材/イベント(期首期末特番)。
 人事政策上も支配局がほしい。(キーから地方への天下り、社名「××テレビ朝日」)
 地方局は、制作力がなく東京の番組を流したい。資金面でも支援がほしい(電波料)。 直接の番組づくり以外でも手を借りたい。(たとえば倫理的な指針の作成) →地方局は 基本的に地元ニュース・話題・ドキュメンタリー以外の部門で独自性を発揮しにくい。 (「構造」がコンテンツを決める)/得意分野はもともと見る人が少ない(4局置局政策の失敗)。

・デジタル化(BSと地上波)で強まるキー局支配……地方局存亡の危機
  マスコミ集中排除原則の緩和

・マスコミ集中排除原則とは?
「マスコミ集中排除原則」(複数局支配の禁止)として確立された原則で、「一の者が所有・経営支配できる放送局・委託放送業務は一に限定」との規定。ここでいう「経営支配」とは次のどれかを意味した。(以下のことさえ排除すれば何をやってもいいという規定、とも取れる)。

(1)放送対象地域が重複しない……5分の1以上の議決権の保有
   放送対象地域が重複する……10分の1を超える議決権の保有

(2)5分の1を超える役員(監査役等のぞく)の兼務

(3)代表役員または常勤役員(監査役等のぞく)の兼務

・放送法第52条の3
(放送番組の供給に関する協定の制限)「一般放送事業者は、特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む放送番組の供給に関する協定を締結してはならない。」は完全に形骸化している。地方のテレビ局は、同じ系列の東京キー局という特定の者からのみ放送番組の供給を受けているから、放送法の「精神」には反する。

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ7――民間放送局の強さ (2004-06-18) 2004-06-18


1)民放の強さ その1:高収益構造

・民放とは何か? 民間放送とは、商業放送・広告放送である。
・民放の成長率は、GNPの成長率を上回る。なぜそうなるか?

2)民放の強さ その2:スポンサー

・「主」(ぬし)、主協=広告主・スポンサーが「最大のお客さん」
・主と民放局の関係
・民放の「本当の客」は誰なのか?

3)民放の強さ その3:視聴

・民放=商業放送
・視聴率は民放テレビの原理
・視聴率が「来ない」と番組は潰れる
・視聴率をめぐる誤解……「視聴率至上主義」はテレビの俗悪化を招く?
・「一億総白痴化」(大宅壮一)
・視聴率に関する質問(ビデオリサーチ・サイトのFAQから)
視聴率調査とは?視聴率調査の目的は?
視聴率の調査方法は?
世帯視聴率とは?個人視聴率とは?
視聴率調査は日本全国で行っているんですか?-世帯視聴率調査地区-
対象世帯の選び方は?-サンプリング手法(系統抽出法)-
調査をお願いする期間はどのくらい?-対象世帯のローテーション-
視聴率の誤差とは?-標本誤差-
視聴率の計算方法は?-世帯視聴率の計算方法-
視聴率の計算方法は?-個人視聴率の計算方法-
平均視聴率の計算方法は?
毎分視聴率とは?
1%は何世帯?-視聴率からの視聴世帯・人数の推定-
視聴率調査関連の専門用語
BS放送(アナログ)、CS放送、独立UHF局、CATVの視聴率は?

4)課題

・最近ドラマ視聴率の低下がいわれる。その原因と思われることを10以上列挙し、論じよ。
・「視聴率競争がテレビを悪くする」という主張の根拠を、具体例とともにできるだけ列挙せよ。
・「視聴率競争がテレビをよくする」という主張の根拠を、具体例とともにできるだけ列挙せよ。
・殺人事件を扱う2Hドラマを1か月視聴し、殺人の動機、殺人者の職業、殺人の手法、殺人や自供の舞台、殺人者や主人公・警察側が使うもの(たとえば自動車)について調べてみよう。その結果を殺人事件統計と比較し、大きく食い違っていることがあれば、それはテレビが「テレビの都合で現実をなぞることを避けている」と考えられる。その中で「スポンサーへの配慮」と推定できることはどれか?
・なぜ殺人の動機は「復讐」、殺人者の職業は「無職(主婦含む)/ヤクザ」、殺人の手法は「絞殺/包丁/突き落とし」、殺人の舞台は「室内/夜の屋外」、自供の舞台は「海際の崖」、主人公・警察車両は「メーカーが毎回同じ」なのだろう?

5)参考資料

キーワード=視聴率、関東地区平均世帯~、個人~、~三冠王、プライムとゴールデンと全日、タイムとスポット、GRP、CPM、ビデオリサーチ、視聴質

GRP広告投資方式(ばば こういち)
 さらにGRP(延べ視聴率)広告投資方式という考え方が生まれてからは、その傾向はもっと強くなりました。
 GRPというのは、CMを流す時間の視聴率を累積した数字で、その数字が高ければ高いほどCMの効果は上がることになります。
 視聴率調査会社は一分毎の視聴率を発表していますので、できるだけ高い視聴率の時間帯で15秒や30秒のスポットCMを放送することができれば、その累積効果は極めて大きいものになります。仮に平均10%の時間帯に100本のスポットCMを放送すると、そのGRPは1,000%、平均15%なら1,500%のGRPになります。
 言い方を変えれば、広告主が1,500%のGRPを局に要求したとすると、全日平均視聴率10%の局なら150本のスポットCMで済みますが、平均5%のテレビ局なら300本のスポットCMを用意しなければならなくなりますから、24時間という放送枠が限られているテレビ局はこの視聴率で収入に大きな違いが出てきてしまいます。
 しかもスーパーやコンビニでは、GRPの高い商品は良い場所に、GRPの低い商品は売れにくい棚に置かれ、メーカーは自社の商品をスーパーやコンビニに売り込む場合、その商品のGRPがいくらなのかを厳しく問われるようになりました。結局メーカーは自社の商品の売り上げを上げるために、GRPを高くするテレビの宣伝方式を取らざるを得なくなってしまったのです。
 こうして一社提供のテレビ番組は著しく減ってしまいました。

Gross Rating Point=延べ視聴率。期間中に提供したCMの視聴率の和。
GRP=Reach[累積到達率。複数回放送の番組やCMに一度でも接触した世帯(人)の割合]×Frequency[ (平均)接触回数]

Cost Per Mill=1000人当たり到達コスト
CPM=[Cost/のべ広告到達者数]×1000

TV-CMキャンペーンの例
※コストは正価料金を使用しています。
ケース Cost GRP Reach Freq. CPM
1.通信関連 15801万円 779% 91.5% 8.5回 652円 (5局使用)
2.通信関連 2467万円 172% 66.0% 2.6回 458円 (1局使用)
3.清涼飲料 1424万円 123% 63.0% 2.0回 371円 (1局使用)

※20歳以上男女(関東)。ビデオリサーチ調べ。

新聞広告の例
※コストは正価料金を使用しています。
ケース Cost 発行部数 CPM
1.全国紙A紙・朝刊・全15段 3989万円 836万部 1591円
2.全国紙B紙・朝刊・全15段 4650万円 1012万部 1532円

※発行部数は「新聞部数発行社別レポート」 (ABC協会)を参照しています。
※CPM算出のベースとなる接触人口は便宜的に「発行部数×3.0人」で計算しています。

雑誌広告の例
※コストは正価料金を使用しています。
ケース Cost 発行部数 CPM
1.A紙・表4 235万円 85万部 658円
2.B紙・表2見開き 380万円 74万部 1388円
3.C紙・カラー1頁 164万円 55万部 1491円
4.D紙・モノクロ1頁 108万円 68万部 635円

※発行部数は「ABC雑誌部数公査レポート」 (ABC協会)を参照しています。
※CPM算出のベースとなる接触人口は「発行部数×回読人数」としています。
※回読人数は(株)ビデオリサーチ「マガシーン」の結果を使用しています。

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ6――特殊法人NHKの強さ (2004-06-11) 2004-06-11


0)前回の補足(腸捻転の解消、株式の交換)

1)NHKの強さ その1:人事・予算

前回取り上げたNHKと民放の違いを想起せよ。NHKは、NHKが局を新設するのであり、申請が殺到し一本化調整が必要ということはない。テレビが映る場所ではNHKも映る。だからコントロールの道具としての「免許」の意味は薄い。代わりにNHKが縛られているのが人事と予算である。

・放送法の意味(何をどう定めているか)
・人事 経営委員会→国会の同意のもと内閣総理大臣が任命
    会長→経営委員会が任命
    経営委員長による会長人事の私物化(住友銀行・磯田一郎と池田芳蔵会長)
    天下りの横行
・予算 総務大臣に提出
    総務大臣は意見を付けて国会に提出、承認
・NHKが政治や政府と特別な関係にあることを示す事件・実例を調べてみよう

2)NHKの強さ その2:受信料

・NHKの経営の源泉「みなさまのNHK」
・NHKにおける受信料対策の重み
    例)のど自慢
・受信料の光と影(特殊性)
・メリット
    「国営放送」でないといえる唯一最大の条件
    安定収入で「あまねく普及」「広範な受信対策」を可能に
    視聴者によるチェック機能
・デメリット
    罰則がなく、支払い者と不払い者で不公平が発生
    とりっぱぐれが多い(取りやすいところからしか取っていない)
    高い
    多メディア多チャンネル化で「あまねく普及」の意味合いが薄れた
・受信料はどうあるべきか、周囲の意見を集め、自分なりの考えをまとめてみよう。

・国(政府)の放送局支配の源泉=放送免許
・言葉=許認可行政/許認可権/行政改革

・NHKと民放で、その効果はやや異なる
 →ある地域でNHKに免許を出さず、他民放に出すということはあり得ない
 (「あまねく普及」義務・責任のNHKは、必ずその地域の放送局第一号の一つ)
 →免許で縛ることができるのは民放、NHKは人事と予算で縛る
 →いずれにせよ、縛る特定のものには弱いが、他のものには強い

【資料 放送法のうちNHK関係の主な規定】

第二章 日本放送協会
(目的)
第七条  協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び委託協会国際放送業務を行うことを目的とする。

(経営委員会の設置及び権限)
第十三条  協会に経営委員会を置く。
2  経営委員会は、協会の経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する。

第十四条  次の事項は、経営委員会の議決を経なければならない。ただし、経営委員会が軽微と認めた事項については、この限りでない。
一  収支予算、事業計画及び資金計画
二  収支決算
三  放送局の設置計画並びに放送局の開設、休止及び廃止
四  委託国内放送業務及び委託協会国際放送業務の開始、休止及び廃止
五  第三条の三第一項に規定する番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画
六  定款の変更
七  第三十二条の受信契約の条項及び受信料の免除の基準
八  放送債券の発行及び借入金の借入
九  土地の信託
十  第九条の三第一項に規定する基準
十一  事業の管理及び業務の執行に関する規程
十二  役員の報酬、退職金及び交際費(いかなる名目によるかを問わずこれに類するものを含む。)
十三  その他経営委員会が特に必要と認めた事項


(委員の任命)
第十六条  委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。この場合において、その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮しなければならない。

第二十七条  会長は、経営委員会が任命する。

(受信契約及び受信料)
第三十二条  協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
2  協会は、あらかじめ総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
3  協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。

(収支予算、事業計画及び資金計画)
第三十七条  協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、総務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2  総務大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を附し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。
3  前項の収支予算、事業計画及び資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が附してあるときは、国会の委員会は、協会の意見を徴するものとする。
4  第三十二条第一項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料の月額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによつて、定める。

(業務報告書の提出等)
第三十八条  協会は、毎事業年度の業務報告書を作成し、これに監事の意見書を添え、当該事業年度経過後二箇月以内に、総務大臣に提出しなければならない。
2  総務大臣は、前項の業務報告書を受理したときは、これに意見を付すとともに同項の監事の意見書を添え、内閣を経て国会に報告しなければならない。
3  協会は、第一項の規定による提出を行つたときは、遅滞なく、同項の書類を、各事務所に備えて置き、総務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ5──制度としての放送の「強さ」 (2004-06-04) 2004-06-04


1)制度としての放送の「強さ」(2)

・国(政府)の放送局支配の源泉=放送免許
・言葉=許認可行政/許認可権/行政改革
・NHKと民放で、その効果はやや異なる
 →ある地域でNHKに免許を出さず、他民放に出すということはあり得ない
 (「あまねく普及」義務・責任のNHKは、必ずその地域の放送局第一号の一つ)
 →免許で縛ることができるのは民放、NHKは人事と予算で縛る
 →いずれにせよ、縛る特定のものには弱いが、他のものには強い

2)免許はどのように下されるか?

・言葉=免許申請の一本化

・民放テレビの歴史はネットワークの歴史
1953年 日テレ開局
1954年 ラジオ東京(現TBS)開局
1956年 大阪テレビ(現朝日放送)・中部日本放送開局→上の2局から番組受け
1958年~59年 田中角栄の一括大量免許(TBS系と日テレ系)
1968年 郵政省「1県1置局」転換、U開放・大量免許→4系列化の進行
1975年 「腸捻転解消」(仲介・仕込みは角栄の首相時代)
1986年 郵政省「4チャンネルプラン」(4局置局政策)

・1959年(昭和34年)田中角栄の一括大量免許
 →若手実力郵政相が赤鉛筆ナメナメ一本化調整
 →以後、郵政相は田中派「郵政大臣はテレビを支配できるだけじゃない。新聞を支配できる」
 →角栄の首相就任直後の軽井沢発言「君らの上司のことはすべて知っている。怖いのは番記者の君らだけだ」

・1968~70年 ネット化進むなかU局免許

・1980年代半ば~ 多メディア/多チャンネル化のなかでの免許

・2003年 地上デジタル免許

・「新聞―テレビ系列化」に極めて熱心だったのが、郵政相や首相を歴任した田中角栄。首相時代に75年に実現する「腸捻転解消」(TBS―朝日放送、テレビ朝日―毎日放送という「ねじれ」を、TBS―毎日放送、テレビ朝日―朝日放送に修正)を仲介。日経が持っていたNET株と朝日が持っていた東京12チャンネル株の交換も仲介。田中角栄はつねづね「郵政大臣は新聞を支配できる」といい、そのポストを田中派で独占。

3)課題

・戦後、政府が局に対し「免許」で脅した(「免許」を取り上げると)脅したケースを調べてみよう
 →椿発言事件(1993年 テレビ朝日椿報道局長発言事件)、地上デジタル放送の予備免許(この前)

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ4──「制度としての放送」の強さ (2004-05-28) 2004-05-28

注)前回(05-21)はレジュメなし。代わりに「地上放送局って?」資料を配布。

1)「制度としての放送」の強さ(官優位システム)

○放送は、大規模な送信システムが必要、多数の受信機(生産システム)が必要、公共財である電波を使う、支配・統治の道具として非常に有効などの理由により、国がシステム構築に初めから関与する。
(正確にいえば、最初の技術開発、局の設立、受信機の製造販売は民間。十分使えるとなった段階で、国・政府が乗り出す。)
○原理的にも制度・法体系上も、放送は通信の一部に含まれる。
○米・英・日の「放送の歴史」(ある段階までラジオの歴史)を比較検討してみよう。
○国内最大の放送局が「国営でない」国がどのくらいあるか調べてみよう。

2)日本の放送導入小史

1925年 社団法人東京放送局が初のラジオ放送。大阪放送局・名古屋放送局が続く
    放送の機能は「文化を国民に均分」「慰安によって家庭生活を革新」
    「国民の教養を養う」「経済機能を敏活にする」
1926年 逓信省の指導で3放送局を統合、日本放送協会が誕生
    放送を規律するのは「無線電信法」(さらに逓信省令「放送用私設無線電話規則」
    「放送用私設無線電話監督事務処理細則」)

○ラジオの位置づけは、逓信省(政府)→無線電信法(電報や電話など公衆電信を政府の一元管理統制下に)→ラジオ放送(公衆電信の一つ)→実際の担当はNHK(独占)
○国営放送でないかたちでNHKを官僚統制下においた狙いはなんだろう?
○「放送の歴史」と「戦争の歴史」を重ね合わせ、気がつくことをまとめてみよう。
 (表づくりが極めて有効。左に放送史・右に戦争史を書き、関連を探れ)

3)戦後の放送改革小史

1950年  電波三法(電波、放送、電波監理委員会設置) 特殊法人日本放送協会が発足
1951年  正力松太郎「日本テレビ放送網」構想
1952年  電波監理委が日本テレビに予備免許を出し、廃止
1953年  2月にNHK、8月に日本テレビが放送開始

○「アメリカ(GHQ)が民主化を強く要請・主導→その体制がスタート→ひっくり返る(修正)」のパターンは、昭和20年代のあらゆるものに見られる。30個ほど挙げてごらん。
○「逆コース」といわれたその修正の理由を考えてみよう

4)まとめ

○国の一部(国営放送)、国の一部に準じる(公共放送)、国には属さないが国または国に準じる組織に管理される(民間放送・商業放送)など濃淡は異なるが、いずれにせよ「制度としての放送」は国の影響を強く受ける。

○国の影響下にあることによる「強さ」は、資金面(国のカネ・補助金)、各種の優遇策(各種優遇税制、放送局開局時の便宜供与)、国の政策と放送事業の連動(法律・行政指導などによる支援)など。

○国が放送局に「強さ」をもたらすことは、放送局に国に対する「弱さ」がもたらされることを意味する。その「弱さ」は、現在の放送局がかかえる最大の問題の一つ。

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ3──テレビの原理 (2004-05-14) 2004-05-14


0)テレビとは何か?

・前回のおさらい 「電気信号」に変換する点がミソ・キモである。

1)テレビの原理

・言葉→カメラ 光電素子 撮像管 電子銃 走査 同期
・配布資料(原理の図解 カメラ テレビ ビデオカメラ)
・日本放送技術発達小史(坂本サイトにリンクあり)

1817 セレン元素(半導体で、導電率が光の照射によって増加する光導電性が著しい)発見。
1873 イギリスのスミスとメイ、セレンの光電現象を発見
1843 イギリスのベイン、「走査概念」を考案
1875 ケアリー、多線式テレビを考案
1876 ( 明治9 ) ベル、電話機発明 ( 送話器の特許取得 )
1877 エジソン、蓄音機 ( フォノグラフ ) を発明
1877 ソーヤー、直列式テレビを考案
1884 ニプコー円板の発明
1888 ヘルツ、電磁波を実証
1895 ( 明治28 ) ルミエール兄弟、シネマトグラフを公開
1895 エジソンの映画ビジネスはじまる
1895 マルコーニ、無線通信実験に成功
1897 ( 明治30 ) ブラウン、ブラウン管を発明
1898 ( 明治31 ) 東京-大阪間長距離電話開通

・テレビは技術的に見て、4つの重要な段階がある。(1) 実際の光景をカメラなどに映し出し、その映像 (光) を電気に転換すること、 (2) 電気を再び光に転換させて画像として目に見えるようにすること。 (3) 転換された電気を増幅すること、 (4) 第一の撮像と第二の受像に共通して画の分解と再組み立て走査 (スキャニング) を同期させることだ。
( 高柳健次郎著「テレビ事始」有斐閣1986 )

・見えるものを、カメラでとらえるところまでは、写真や映画やビデオムービーと同じ。・聞こえるものを、マイクでとらえるところまでは、ラジオやテレコと同じ。
違うのは、
a)とらえたものを電気信号に変換すること。
b)変換後の電気信号を電波やケーブルで送ること。→大規模な送信システムが必要
c)送られた側で復元・再生すること。→受信機が必要

2)カメラでとらえる

カメラの原理(言葉→ピンホール レンズ 像を結ぶ 感光 像を定着 現像・紙焼き)

・カメラ映像の「意味」→映す対象を表現すると同時に、自らの位置・機能を表出する
・カメラでとらえることのメリット(もたらされるもの)は何か?←テレビの強さ
・カメラでとらえることのデメリット(失われるもの)は何か?←テレビの弱さ

3)電気信号に変換

・見えるものを電気信号に変換することのメリット(もたらされるもの)は何か?
 ↑テレビの強さ
・見えるものを電気信号に変換することのデメリット(失われるもの)は何か?
 ↑テレビの弱さ

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ2──テレビとは何か? (2004-05-07) 2004-05-07


1)テレビとは何か?

ここでは映像を伝送するテレビメディアの特質を考え、それゆえに内在する「強さ」を見ていく。

・テレビとは何か。小1の子どもにわかるように、あるいはアフリカのピグミー族の子どもにわかるように、説明してみよう。

・ たとえばこんな定義:見えるものと聞こえるもの(映像と音声)を電気信号に変換し、家庭などに送って、映像と音声を復元し再生するシステム。

2)テレビの定義

例)テレビジョン【television】(1)画像を電気信号に変換し、電波・ケーブルなどで送り、画像に再生する放送・通信の方式。(2)テレビジョン(1)の画像を再生する装置。テレビジョン受像機。テレビジョン受信機。テレビ。(以上「広辞苑」第四版)

・テレビとは何かを知るには、似たものと、あるいは似てないものと比べてみよう。比べるときは表を作るとたいへん役立つ。

例)テレビと映画、テレビとラジオ、テレビとパソコン、テレビと電話、テレビと新聞、テレビと冷蔵庫、テレビと時計、テレビとトイレ、テレビとキャベツ、テレビと……

【課題】テレビとパソコンの似ているところ・似ていないところ対照表にまとめよ。その表を使って「インターネット・テレビ」が全然売れない理由を説明せよ。

3)どこにテレビの「強さ」があるだろうか?

テレビ、その「強さ」の研究 レジュメ1 (2004-04-16/23/30) 2004-04-16


※緊急の用件があり今日は休講です。ごめんなさい。受講を決めた人は、このレジュメ(次回使います)を受け取り、受講票(水色の小さな紙)を堀口副手まで提出してください。次回は23日(金)です。←16日の出席者へ

1)坂本 衛の自己紹介

坂本 衛(さかもと・まもる)
------------------------------------------
ジャーナリスト/「GALAC」編集長
1958年5月16日、東京生まれ。牡牛座。O型。早稲田大学政治経済学部政治学科を中退。在学中から週刊誌、月刊誌などで取材執筆活動を開始。放送批評懇談会会員。東京・神楽坂に在住。妻1子2。
ホームページ http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/ 
※プロフィールほか、ホームページにざっと目を通しておいてください。

2)坂本の連絡先

どんなことでもメールで×××××まで。
(mamos@m13.alpha-net.ne.jpは使わないように。緊急時のみ電話×××××へ)
※受講者は、早いうちに上記アドレスまで、「名前・学籍番号・2004年度放送特殊研究Vを受講します」というメールを送ってください。休講などのとき、こちらからメールで知らせるためです。携帯電話からのメールもOK。

3)授業のねらいなど

別紙シラバスを参照。
    ┌───────────────────────┐
重要→│必ず専用のノートをつくり、逐一メモを取ること。     │
    │このノートは、年末に提出を求める。            │
    └───────────────────────┘
4)学生の自己紹介 

人数に応じて、なりゆき。 以 上

2004年度 放送特殊研究V シラバス (2004-04-01) 2004-04-01

【授業テーマ】テレビ、その「強さ」の研究

【履修条件】なし

【授業のねらい】いまやテレビはマスコミのなかで、人びとにもっとも身近で、もっ
とも接触時間が長く、もっとも情報伝達力の大きい存在となった。他のメディアと比べてもテレビは明らかに、さまざまな「強さ」を持つメディアといえる。その「強さ」をさまざまな角度から検討・研究し、テレビメディアが抱える諸問題への理解を深め、イメージではない等身大のテレビ像をつかむ。

【授業の方法】テーマに沿った解説を主とし、適宜、映像資料その他を参照する。討論や質疑応答の時間を多く設けるほか、現場の第一線で活躍するテレビのつくり手を招く予定。テーマによっては小論文の提出を求める。なお、必ず専用のノートをつくり、逐一メモを取ること。このノートは、年末に提出を求める。

【授業計画】
01 前期ガイダンス(1):授業のねらいを述べ、担当者と学生の自己紹介をする
02 前期ガイダンス(2):同上
03 前期ガイダンス(3):同上。テレビの「強さ」について、現時点で思うことを小論文にまとめてもらう
04 テレビとは何か?(1):映像を伝送するテレビメディアの特質を考え、それゆえに内在する「強さ」を見る
05 テレビとは何か?(2):同上
06 テレビとは何か?(3):同上
07 制度としての放送の「強さ」(1):官優位システム
08 制度としての放送の「強さ」(2):免許
09 特殊法人NHKの「強さ」(1):予算・人事
10 特殊法人NHKの「強さ」(2):受信料
11 民間放送局の「強さ」(1):視聴率
12 民間放送局の「強さ」(2):スポンサー
13 民間放送局の「強さ」(3):系列(キー局と地方局)
14 視聴者に対するテレビの「強さ」
15 他メディアに対するテレビの「強さ」
16 後期ガイダンス:後期の進め方について述べる。現時点での問題意識を小論文にまとめてもらう
17 テレビ報道の「強さ」(1):
18 テレビ報道の「強さ」(2):
19 テレビドラマの「強さ」(1):
20 テレビドラマの「強さ」(2):
21 テレビバラエティの「強さ」(1):
22 テレビバラエティの「強さ」(2):
23 テレビ傲慢の歴史(1):「強さ」ゆえの不祥事史
24 テレビ傲慢の歴史(2):「強さ」ゆえの人権侵害史
25 テレビ傲慢の歴史(3):「強さ」ゆえのハード迷走史
26 1年間の総括(1):ノートを提出してもらう
27 テレビ、その「強さ」の克服(1):外部講師を交えての講義や討論会をおこなう
28 テレビ、その「強さ」の克服(3):同上
29 テレビ、その「強さ」の克服(2):同上
30 1年間の総括(2):1年間で学んだことを総括する小論文を書いてもらう

【教科書】使わないが、テーマによりレジュメや資料を配布する。

【参考書】テーマによって指示する。

【成績評価】授業中の発言や考え方、小論文の提出、ノートの提出、出席状況によって、総合的に評価する。

【その他】なし

【e-mail】アドレスは第1回に配布するレジュメに記載する。

表紙(最新ページ)へ

月めくり

≪≪ 2017-04 ≫≫
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

年月別の記事

内容別の記事

3.11巨大地震発生から

最近の記事10

最近のコメント10

主宰者から

日本大学藝術学部放送学科

●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。もちろん学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)