テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2012年度の授業テーマは「[実践!]ネットは放送を殺すか?──ネットを理解することで、放送をより深く知ろう」。

発言の曖昧さ 2006-07-14

今日は「報道ステーション」について述べたいと思う。トピックと時間(約)は以下のとおり。
1、中国・ロシア「非難決議案」“日本制裁案”大ピンチ。(13分40秒)
2、無職男が元妻を刺殺・・・幼い子供たちはそのとき。(4分4秒)
3、高校生9人死傷の事故、“危険運転致死”で懲役16年。(3分35秒)
4、清志郎さん喉頭がん。(1分)
5、偽造免許で1000万円荒稼ぎ。(3分40秒)
6、泥沼連敗中の原監督、渡辺会長と緊急会談。(2分)
7、ミスター「頑張って」王監督をお見舞い。(30秒)
8、プロ野球速報。(1分)
9、フィギアスケーター集結、久々魅せた氷上の舞。(45秒)
10、日本FIFAランク急落、W杯優勝イタリア急上昇。(1分45秒)
11、「頭突き」の直前に何が....ジダンがはじめて語った。(11分                            20秒)
12、神秘の島“西表の夏”一夜だけ咲く幻の花。(12分5秒)
13、お天気情報。(4分)
14、“八時半の男”宮田征典氏が死去。(49秒)

今回は1(北朝鮮問題)のトピックについて触れたい。

まず中ロ非難決議案についての説明がなされる。次に麻生外務大臣の外務省玄関口でのコメント

麻生外務大臣「第七章は入っていましたか?入っていないでしょう。じゃあ意味がないでしょう。決議文とは制裁を含めて拘束力があるかないかが一番というところですから。それがなければ意味がありません。」

        Q「中ロが歩み寄った評価もある」

麻生外務大臣「それはあなたの評価ですね。違うと思う、歩みざるを得なかったということ。」


このインタビューは流れからして中ロ決議案について問われたものであろうが、質問あっての答えなのでインタビュアーが最初に何を質問したかはっきりさせ、質問はちゃんと入れるべきであると思う。

次に、外務省内部で妥協の流れが出てきているという報道の中で外務省幹部(実名は明かさず)が以下のように述べたとある。


外務省幹部「大臣だって官房長官だって公式には“七章を入れなければならない”とは言っていない。」


“公式”には言っていないというのは、いざというときの単なる妥協のための屁理屈に私は聞こえた。

また安部官房長官の会見にて。

      
      Q  「譲歩の余地はあるのか?」

安部官房長官「先ほど申し上げたように制裁を視野に入れた決議案を迅速に採択するべきであるという考えに変わりはない」


確かに麻生外務大臣の発言は外務省の玄関で述べられたものであり「公式」とは違う。安部官房長官の制裁を「視野」に入れた決議案を迅速に採択すべきという表現も少々曖昧だ。

曖昧な表現で逃げ道を作るというのは、政治を行う上での常套手段だと思うが、私はすっきりしないものを感じた。


           
          
     《番組データ》
番組名/報道ステーション テレビ朝日系/月曜~金曜夜9:54~11:00放映/司会/古舘 伊知郎・河野 明子



             【正留 英一】

金正日のリーダーシップ低下 2006-07-09

ついに私が受け持つ最後のブログになってしまいました。
0時までに書き終えられるか不安なので、急ぎ足な文になってしまいそうですが寛大な目で見ていただけるとありがたいです。

「報道特集」で北朝鮮について放送することを知ったので、見てみました。
1時間丸々ひとつの話題だけを徹底的に詰めるので、あれやこれやといった疑問が次々解決されていくようで見ごたえがありました。

 テポドン2の発射は本当に失敗だったのか。
 なぜあの日にミサイルを発射したのか。
 ミサイル発射の理由は何なのか。

自分自身知りたかったことが紐解かれていったのですが、この番組における発言や証言も真実かどうかは定かではないので、詳細を書くのはやめにしておきます。
ただ、知りたかったことを誰かの口から断定的な発言で聞くことが出来たということにおいて、私の欲求がかなり満たされたことは事実です。

朝鮮労働党に精通するロシア在住の人物とのEメールでのやりとり、元北朝鮮ミサイル技師の話。
内部のごく一部の人でしか知りえないであろう情報をつぎつぎと話す様には、気持ちよさが半分と疑惑が半分ずつ沸いてきました。

番組の中で特に気になったのは、金正日のリーダーシップについてです。
金正日といえば北朝鮮の最高指導者であり、彼に逆らえる者など居るはずもなく、進言さえも許されないような人物だと思っていました。
しかし実際のところ北朝鮮という国は「先軍政治」と呼ばれる、党よりも軍の意見が優先される状況にあるというのです。
つまり、今回のミサイル発射についても金正日総書記が命じて撃たせたわけではなく、軍が発射を決定し、それを金総書記が承諾したというのです。
先にも書いたように私は金総書記が国のリーダーであり、すべてを決定していると思い込んでいたものですからこれには驚きました。
北朝鮮の国内が内部分裂している状況にあることも知らず、金正日の独裁はいつまでつづくのだろう、いつまでも終らないのではないかと思っていました。しかし崩壊の危機は表に見えないだけであってすうすぐそこに来ているかもしれないという可能性を示され、北朝鮮という国の新たな一面を発見できたように思います。


まとめの文
1週間、すこしまじめに報道番組を見て思ったことを書きます。
私は1年ほど前から、テレビから与えられる情報を鵜呑みにするのはやめようと心がけてきました。しかし疑ってみること止まりであったことに今さら気付きました。疑うだけではなく、さらに考えることが必要だということを感じたのです。
なぜ自分がそう感じたのか、という理由を考えることは、そのもののあるべき姿を想像することにもつながります。またそれはあるべき姿ではない場合、どこがおかしいのかという問題点を探す作業にもなります。
自分で考えてみなければ、もっともらしい意見を教えられたとしても納得するような答えにはたどり着かないような気がするのです。
答えだけを知るのではなく、質問も理解すること。
それが今の私にはまだまだ足りないような気がしています。
放送されていることが全てではなく、200とも10000ともある中から作り出された100%だということを肝に銘じてこれからもテレビ報道と付き合っていきたいと思います。

さいごに
みなさん7日間お付き合いありがとうございました。
丁寧にコメントくださった皆様には本当に感謝しております。
私の当番はとりあえずおしまいですが、今後もこのブログは続いていきますので、どうぞこれからもよろしくおねがいいたします。

≪番組データ≫番組名:報道特集/放送局:TBS系列/放送日時:7月9日午後5:30~6:24(日)/キャスター:田丸美寿々

    【荒川 貴子】

韓国人拉致被害者の金 英男さんの会見 2006-06-30

<記者会見の内容>

 金英男さんは29日午後に行われた記者会見で自らの拉致を否定し、めぐみさんが「うつ病になり94年に4月13日に自殺した。」と述べ、日本に渡しためぐみさんの遺骨は本物であると強調。(めぐみさんについての情報はあまり話していませんでした。)

<報道ステーションのこの会見についての取り上げ方で思った事>

 そんな会見の映像を流した後に、専門家の方と共に説明をしながら今後このような会見をどう視聴者は判断するのだろうか、と疑問を投げかけて次のテーマについて繋ぎ、この会見についてのコメントを古館さんは↓のように述べていました。

古館伊知郎「これは韓国向けの一つのデモンストレーションに見られる・・」
     「南北共同の策戦ではないか」
     
↑のように(この事件だけでなく)説明等に古館さん個人の意見が強く反映され、私はそれが正論だと押し付けられているように感じました。

 事件の映像を流しては専門家の方にバトンタッチ。説明してもらい、自らの意見を主張といった感じでなんだか淡々とした印象を受け、この事件そのものの重みが全く伝わってきませんでした。昨日のとくダネ!の様にもっと突っ込んだ分析や解説をして欲しかったです。

 しかし、何故このように淡々と感じられたのか、この会見についてのニュースだけでなくこの番組を見ていると無性に腹が立ってくるのは何故だろうかと考え、報道ステーションのトピックと放送時間量を調べてみました。


 <報道ステーションの放送の流れ>
22:00 報道ステーション
(22:20頃から見始めたので、最初約20分の報道内容は分からないです)

22:20~ 金英男さんの記者会見(放送時間:約10分?)

22:30~ 香川県で起きた正面衝突事故について(放送時間:約3分)
  CM(約1分半)
22:35~ 日米首脳会議まもなく開始(放送時間:約2分)
  CM(約2分)
22:40~ 今年一番の暑さ (放送時間:約2分)
  CM(約2分)
22:45~ プロ野球 全試合速報(約2分)
  CM(約1分半)
22:50~ オシム氏来日 緊急会見(放送時間:約6分)

22:55~ 宮里藍 21歳 メジャー初制覇への自信(放送時間:約9分)
  CM(約2分)
11:05~ 岩手県 住宅火災で3人死亡 (放送時間:約30秒)

 上記のようになりました。調べてみて、こんなにCM時間量が長いとは!と正直驚きました。これだもの、いらいらするはず!

 私が報道番組を見る理由は、世の中でどういった事が今起こっているのか、それを知る為。それなのに政治や経済・社会的事件の比重があまりに少ないと思いました。
 それらのトピックの放送時間がCMの放送時間とほぼ同量。それに反して、スポーツの放送時間が長い!(熱狂スポーツファンの方、ごめんなさい)その上、スポーツの報道になると古館さんの表情といい、コメントといい、なんだか生き生きとしているように感じられました。

 最後に岩手県の事件の映像が流れた後のコメントが↓でした。

古館「本当に・・我々どう報じたらいいのか・・本当に真剣に考えますね。また詳しくはお伝えしたいと思っていますが・・・また明日!」

 報道ステーションの流れと共に最後の最後に古館さんのコメントにも驚きました。時間の都合上こうしたコメントになったのかもしれませんが、そのトピック以前のスポーツ報道中では熱くコメントしていた(と感じた)にも関わらず、社会的事件に戻ると何となくぎこちく、冷めたような印象を受けました。

《番組データ》
番組名/報道ステーション テレビ朝日系/月曜~金曜夜9:54~11:10放送/司会/古舘 伊知郎・河野 明子 コメンテーター/加藤 千洋他

                 【山口 乃絵】

見えてきた北朝鮮“演出”と“思惑” 2006-06-29

 日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫とみられる韓国人拉致被害者、金英男さん(44)と母・崔桂月さん(78)、姉・金英子さん(48)は29日午前、北朝鮮・金剛山のホテルで対面した。対面は前日に続き2日目。

 その対面を映した映像から金英男さんの服装・持ち物、周りの報道スタッフの様子、映像の撮り方などの視点から分析し、北朝鮮が考え出した演出ではないか、どんなメッセージ性があるのかを考えていく報道のあり方でした。

 その中で金英男さんがはめていたダブダブの腕時計、サイズの合っていないスーツなどから「良い暮らし」を見せる為のものではないか。また母・崔桂月さんとの対面時に崔桂月さんが号泣に対して金英男さんは始終笑顔を絶やさない。
これは北朝鮮側のシナリオの一部ではないかと考えられ、

  早稲田大学 重村智計教授
「(金英男さんが始終笑顔を絶やさない様子から)泣くなという指示を受けているのではないか。お互いが泣く様子を報道してしまうと、北朝鮮はひどい国だという印象を与えてしまうだろう」

とコメントをしていました。

 この報道を見て、再会という事で心温まる映像ではあったけれども私は「日本のおかげで再会出来たのにめぐみさんの件は記者会見で、って。あんなに拉致被害者が必死に活動しているのに、触れないなんて。ただ再会を喜ぶだけで自分の事は何も言わないんだ、ここでも(以前の書き込みより)自分主義?!」と思ってしまいました。

 そしてとくダネ!の映像分析を見ていて、この再会は予行練習でもしたのかな、などと考えてしまい、“お母さんと再会した”という真実に対して、もしもこの演出が真実であった場合、再会は真実でない事になる・・と考えを巡らせていくと、頭の中で整理がつかなくなってしまいました。

 専門家の仰る「北朝鮮はひどい国だという印象を与えない為」がこの演出の目的だとすれば私は逆効果だったのではないかと思います。
このような演技させられている人の立場を考えると可哀相だし、そんな事を考えるなんて恐ろしい国だと感じます。このように感じるのは恐らく私だけではないのではないでしょう。

 多くの視聴者は「とくダネ!」が放送される時間帯は慌しく家を出ていく時間であり、報道番組の映像をただ流して見ているのではないかと思います。

 しかし、このような報道をする事でただ真実を知るだけでなく、事件そのものに興味を持ち、より真剣に考えるきっかけになるのではないかと思いました。

《番組データ》
  番組名/とくダネ! フジテレビ系/
  月曜~金曜 朝8:00~9:55放送/ 司会/小倉智昭・笠井信輔


            【山口 乃絵】

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