テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

テレビ報道を考える!! 日本大学 藝術学部 放送学科 「放送特殊研究V」ブログ

開設:2006-05-25 (通年 4単位 3年以上 選択 江古田校舎 放送学科専門科目)

日本大学藝術学部放送学科「放送特殊研究V」(担当講師/坂本 衛)のブログ。2017年度のテーマは「放送・報道における日本語表現の研究」です。

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NHK夜ニュースの大誤植「結果本意」! 2017-08-03

【以下、坂本Facebook記事を転載して一部加筆】

NHK夜ニュースの大誤植「結果本意」!
正しくは結果本位。NHKよ、おまえもか!?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

書き忘れていましたが、NHKが2017年8月3日夜、21時ニュース『ニュースウオッチ9』開始直後のテロップで「結果本意」と出しました。

「NHKよ、おまえもか!?」と嘆かわしいこときわまりない大誤植。こんなことでは「云云」《うんぬん》を「でんでん」と読むヤツを、でんでん笑えないじゃあーりませんか。

ほん‐い【本意】
 1 本当の気持ち。本心。真意。「本意をただす」
 2 もとからの考え。本来の意志。本懐。本望。「本意を遂げる」
 3 和歌・連歌・俳諧で、物の本質・あり方・情趣。物の美的本性。

ほん‐い〔‐ヰ〕【本位】
 1 判断や行動をするときの基本となるもの。「人物本位で採用する」「自己本位の生き方」
 2 貨幣制度の基準。「金本位制度」
 3 もとの地位・位階。「本位に復する」
(以上、小学館『デジタル大辞泉』)
※本意は「ほい」と読むこともあるので注意。

みなさまのNHKのみなさまのうち何人かは、この投稿を読むはず。それぞれの職場で字を間違えないように、徹底してください。

なお、間違い直後から画面右上隅に出した表示は〝結果本位の「仕事人内閣」〟とあり、間違っていませんでした。

【坂本 衛】
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【事例】裏づけのない報道の信頼性 2017-07-31


【事例】裏づけのない報道の信頼性

日時 2016年12月14日午後以降

番組 特定せず。ただし、多くの新聞やテレビが基本的に同じような報道をした。

症例 オスプレイの不時着または墜落大破の報道で、在沖縄米軍トップが「県民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と開き直った、と多数のメディアが報道。これは、在沖縄米軍トップに抗議に出向いた安慶田《あげだ》光男副知事が、会見後に記者団に語った内容に基づくもの。なお、会見は非公開。

報道の例(メディア報道いくつか)
安慶田光男副知事の記者団への説明(局不明 2016年12月14日午後)

在沖縄米軍トップ「感謝されるべきだ」(琉球新報 2016年12月14日 14:50)
※ごく短い共同通信の配信記事で、以下は全文。テレビ各局の報道部門は配信時にこれを把握していると思ってよい。
〈在沖縄米軍トップがオスプレイ不時着に関し「県民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と述べた。(共同通信)〉

「感謝されるべきだ」 沖縄米軍トップ、オスプレイ抗議に机たたき反発(沖縄タイムス 2016年12月14日 18:14)

オスプレイ事故 沖縄米軍トップに直接抗議 沖縄副知事(毎日新聞 2016年12月14日 20:14)

在沖縄米軍トップ記者会見映像(約45分、米軍がネットで生中継)
在沖米軍トップ記者会見の米軍提供映像(2016年12月14日 15:02~ III MEF Marines Facebook: Live)
※在沖縄在日米軍のトップは、ローレンス・ニコルソン在日米軍沖縄地域調整官・海兵隊第三海兵遠征軍司令官(中将)

分析
【1】各メディアの第一報は、副知事だけの説明だけに基づき、録音テープなどの証拠や、名指しされた本人への確認取材といった裏づけはない。副知事(または通訳)に、誤解・聞き間違い・極端な強調・意図的に触れない内容などがあった場合は、報道が事実と異なることがありうるが、視聴者はわからず、ふつうは「副知事のいうとおりのことがあった」と思ってしまう。

【2】ニコルソン中将の会見映像では、冒頭で「遺憾である」「遺憾とは謝罪の意味だ」と述べたほか、おおよそ「パイロットは民家の上を飛んで基地に帰投せず、海岸に下りる決断をした」「その結果、沖縄市民を危険にさらさずにすんだ」「入院中の若いパイロットたちを誇りに思う」(「パイロットの様子は」と聞いた記者に、よくぞ聞いてくれた、よい質問をありがとう)「熊本地震で救援活動をしたオスプレイも空中給油を受けた」といった発言をした。会見最後には深々と頭を下げてお辞儀をしている(米軍人が日本以外では決してやらない行為。相手が王様でも敬礼が最高儀礼で、お辞儀はしない。米軍が極端に気をつかっていることはたしか)。

【3】副知事と海兵隊中将のどちらが信用できそうかは、受講生が各自調べて判断せよ。その結果が、報道から国民が受けた印象と大きく異なるのであれば、報道に問題があったことになる。

【4】一般論をいえば、リーダー格の米軍人は、ただ軍事に明るいだけでなく、人間として総合的に優れていることが多い。これは、実際に戦争で部下を死なせている本人の経験、昇進や司令官任命の厳しさ(兵士の生き死と直結するから厳しい)などによる。自衛隊の幹部とはまったく比較にならない。

(たとえば、ホワイトハウス入りしているマティス国防長官[元海兵隊大将]、マクマスター補佐官[陸軍中将]の学歴・戦歴・著作や人となりをネットで調べれば明らか。米軍人は米政治家より米国民からはるかに信頼されており、人気も高い。なお、ニコルソン中将はイラク戦争時にマティスの部下。ファルージャの戦闘で重傷を負い、人事不斉で病院に担ぎ込まれ、ベッドで目を覚ましたら、脇でマティスが静かに読書をしていたという)

【5】なお、安慶田副知事は、2015年の公立学校教員採用試験で、特定の受験者を合格させるよう県教育委員会に働きかけた(関係者によると、副知事室に県教委職員らを呼び出す、職員に電話するなどして、複数の受験者について合格を口利きした)疑惑が表面化し、17年1月下旬に事実上の引責辞任。これだけでも胡散臭い人物のようだ、と思って当然。

処方
【1】特定の人物だけにもたれかかって報道するな。必ず裏を取れ。

【2】とくに評判が必ずしもよくない人物の発言には注意せよ。

【3】視聴者や読者に阿る《おもねる》報道をするな。視聴者や読者の意見や感じ方と異なる報道をすることを、恐れるな。

オマケ

この画像に、〈在沖縄在日米軍のトップが記者会見でオスプレイ事故を説明。冒頭で「遺憾であり、これは謝罪の意味です」と述べ、会見が終わるとき深々と頭を下げた〉という文面をつけて、新聞やテレビで報道しても、別に間違っていない(報道の例に挙げた例が問題ないならば、同じように問題ないといえる)ことに注意。つまり、報道は「印象操作」ができるわけ。

【坂本 衛】

第5回 報道に必要な日本語表現とは、なんだろう? 2017-05-19


●おさらい

日本語とは? > 放送/テレビとは? > 報道とは?
それぞれの概要、おおまかな特徴、歴史的な変遷を思い出す。それが今回のテーマの前提。


●報道に必要な日本語表現を考える

報道は[A          ]であるから、[a           ]の(ような)日本語表現が必要なはずだ。

以上「Aとa」(ここではラージAとスモールaと呼ぼう)の組み合わせを、Aとa、Bとb、Cとc、Dとd、Eとe……と、できるだけたくさん(少なくとも五つ六つ以上)考える。
さらに、そのそれぞれについて言葉を足し、なぜそうなのかという確固たる主張・立場の構築をする。


1)Aとa:報道は[A          ]であるから、[a           ]の日本語表現が必要


2)Bとb:報道は[B          ]であるから、[b           ]の日本語表現が必要


3)Cとc:報道は[C          ]であるから、[c           ]の日本語表現が必要


4)Dとd:報道は[D          ]であるから、[d           ]の日本語表現が必要


5)Eとe:報道は[E          ]であるから、[e           ]の日本語表現が必要


----------


●以上のような日本語表現が、現実のテレビや新聞で充分なされているといえるだろうか?


【坂本 衛】

第4回 報道とは、どういうものだろうか? 2017-05-12


●報道とは何?──と学生に聞くと

学生A「社会で起こっている事件事故など出来事を伝えること……」
学生B「Aさんが『火事だ!』と近所に伝えても報道ではない。社会に広く伝えないと」
学生C「Bくんが『火事だ!』とネットで社会に広く発信し、10万人に伝えても報道ではない。ということは……」
坂本「報道の『報』がつく言葉は?」
学生ABC「報告、広報、訃報……」
(ほかに日報、官報、会報、警報、誤報、悲報、予報)
坂本「つまり報は『知らせ』だな。訃報は亡くなった知らせ、日報は日々の知らせ。『道』は? 柔道、剣道、茶道、極道……。ある専門技や芸の全体、それを高めていくやり方や生き方、営み、生きる道って感じだね」

○報道=知らせという仕事、専門的な「業《ぎょう》として」の知らせ

つまり、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌その他「業として」のメディアが社会の出来事などを広く一般に知らせること。その知らせ。

英語ではreport(=調査/研究報告書、報道、記事、議事録、評判 etc.)。
学生が書く「レポート」は英語ではpaper、研究者が書く研究報告書や学校側が出す通知表がreport。


●ニュース、新聞、ジャーナリズムとの違いを押さえよう

○ニュース(news 正しい発音はニュー★ズ★)は「新しいこと」「新しい知らせ」。報道と同じ意味の場合もある(ニューズのうち、業としての知らせが報道)。

NEWSは北東西南の頭文字。だから「ニュースは東西南北くまなく歩いて取れ」なんていう。現場取材を欠かすな、多方面に当たれってこと。

○新聞(新しい伝聞、新しい知らせ)≒ニュース

唐王朝の歴史書『新唐書』(編纂は北宋時代、1060年ころ)に「南楚新聞三卷あり」という記述があり、これは風聞、newsという意味。
→清朝末、中国に進出した欧米人が発行したnewspaperを中国人が古い言葉の「新聞」をあてて呼び、自分たちも発行。明治期、日本にnewsが入ってきたとき、訳語として(中国で使われていた)「新聞」があてられ、newspaperを「新聞紙」と呼び、自分たちも発行。

○Journalismは、個々の報道ではなく、報道全体(事業や社会的な営みとしての報道、報道の世界)を指す。

○informationは、広い意味で「情報・知識」、狭い意味で「案内」(特定分野の求めに応じた情報)。


●古来「報道」は権力者・支配者側の知らせだった!

○アクタ・ディウルナ(Acta Diurna)またはディウルナ

古代ローマの新聞のようなもので、これがジャーナル、ジャーナリズムの語源(ラテン語diurnus=日々の)。アクタは議事録で、BC59年からカエサルの命令で公式・定期的に発行(~330年)。このうち、民衆に知らせたほうがよいものをカエサルが公表させたのがアクタ・ディウルナ(またはディウルナ)。ローマ政庁(の広場)に掲げられた、政府広報としての壁新聞や掲示板。

ローマ政庁

たとえば、元老院でこれこれのことが決まった、ローマ軍がどこそこで大勝利を収めたといった知らせ(外地にいるローマ軍にも同じ知らせが届けられた)。カエサルの意に沿わないものは当然、発表されない。それがジャーナリズムのもともと。

○社会の木鐸

木鐸は、木の舌がついた金属製の大きな鈴。古代中国で政令を布告するとき、
木鐸を鳴らし民衆を集めて説明した。転じて「世論を喚起し、民衆を教え導く人物」を「(社会の)木鐸」と呼んだ。「新聞は社会の木鐸たれ」などというが、そもそも木鐸は権力者の布告の先触れにすぎない。【追記】新聞記者が「社会の木鐸たるわれわれが」というのは聞き苦しい。それは新聞の夜郎自大というべきだ。

報道と同じ意味の大規模なニュースは、近代より前には、権力者や支配者が民衆に伝えるニュース以外、基本的に成り立ちようがなかった(隣村からもたらされたり旅人が伝えたりするニュースは、報道ではなく、伝聞や噂の類い)。


●権力を監視し、ときに対峙する「報道」が成立するには?

1)報道する自由や権利が必要

近代的な「市民社会」が成立し、人びとの自由や人権が広く認められなければ、今日のような報道は本格的に成り立たちようがない。

その道筋の最初のものは 1297年のマグナ・カルタ(英、大憲章)。これは封建貴族と王の約束で、1689年の権利章典とともに現イギリス憲法の一角をなす(イギリスに成文憲法は★ない★)。続く1776年バージニア権利章典、1789年フランス人権宣言などで、近代人権思想が確立され、報道が成り立つ土壌がつくられていく。

本格的な市民社会は「国民国家」の成立と不可分。そこで「王をギロチンにかけろ! 民衆のための新聞だ!」と叫ぶだけでは済まない次の問題、近・現代国家とマスメディアの問題が始まる。どの国でも、国と(つまり国民国家を支える民衆と)ある程度うまくやっていかないかぎり、巨大メディアは維持できない。

2)報道する手段が必要

同じ内容を同時に多くの人びとに伝えなければ、報道は成り立たない。
そのための画期的な技術革新はグーテンベルク(ドイツ)による活版印刷の発明(1450年ころ)。以前の木版は大量印刷が難しかった。

以上の二つがあって初めて、近代的な新聞が成り立つ。
いまは2)の一部が電気通信に置き換わり(ラジオやテレビ)、さらにネットで報道が成り立つかという過渡期。


●報道は、技術革新を背景に、歴史的な大変動をへて、権力者の専有物から民衆の(ための)ものになった。
ならば、次のような問題に注意を払う必要があるだろう。


○誰のための報道か。時の政権のための報道か、社会をつくる人びと全体のための報道か。

○「報道の自由」は、与えられたものでなく獲得したもの。不断の営為によって維持すべきものではないか。

○第4権力(the fourth power)ともいわれるマスメディア。三権(議会・行政・司法)に次ぐパワー? 三権を監視するパワー?

注)もともとは第4階級(the fourth estate)とされ、19世紀イギリスで、聖職者・王侯貴族・庶民(the clergy, the nobility, and the commoners)に次ぐ社会的勢力となった新聞を指した。

○「ウォッチドッグ」(権力を監視する番犬)としてのマスメディアとは?
これと「反権力」は、どう違う?

○たとえば「反アベ」と叫ぶ新聞が、野党の不祥事に目をつぶっていたら、嘘くさい。といって首相に「それは新聞を読んでくれ」といわれる新聞も、嘘くさい。メディアは、どんな場所に立ち、どう立ち回るべきなのか?

【坂本 衛】

第3回 放送(とくにテレビ)とは、どういうメディアなのか? 2017-04-28

第1回で、報道のさまざまな問題を「日本語表現」という切り口で考えていくと話した。第2回で、日本語とはどんな言語かを駆け足で解説した。第3~4回では、放送・テレビとは、そのなかの報道とは、を見ていく。

●放送(とくにテレビ)とは何?──と学生に聞くと

学生A「公共に向けて送る映像」
坂本ツッコミ「公共って何? 私人向けは? すべての人? みんな? 映像だけ?」
学生A「えーと、公衆向けの電気通信(by 本橋せんせい)」
坂本ツッコミ「電話は公衆向け(公衆を対象とする)電気通信だが、不特定多数に送るって意味? テレビ・ラジオ以外のツールで緊急警報を不特定多数に送ったら放送に含めるわけ?」 

学生B「放送局が、映像と音声を視聴者に‥‥‥」
坂本ツッコミ「ちょっと待った! 放送を定義するのに『放送』って言葉使ったらダメじゃん。視聴者も『放送を見聞きする人』だから、放送の説明には使えないよ」
学生B「えーと、電気通信(電波?)事業者が映像と音声を人びとに送り伝える手段」

学生C「だいたい同上かと」

《坂本意見》

●ある概念を説明する(定義する)ときは、その概念とレベルが異なるやさしい/基本的な/一般的な/みんなが意味を知っている言葉だけを使わなければダメ。自分の使う言葉の意味・レベルをわかっていない学生が非常に多い。説明を求められたら「使う言葉を吟味する」癖をつけよう。よい方法は、自分のよく知っている子ども(弟妹とか甥っ子姪っ子とか)や年寄り(祖父母とか)に対して、この説明をしたとき通じるだろうか、とつねに意識することである。

●レベルが同じ言い方を「トートロジー(同義語反復)」という。
例)忘却とは忘れ去ることなり

例は、ラジオドラマ「君の名は」の冒頭ナレーション。修辞学(レトリック)技法の一つで、あえてくどくいう印象づけ・強調表現としてありうるが、説明にはなっていない。

●なくてもよい言葉を「冗語」といい、トートロジーもその一つ。「馬から落ちて落馬する」「白い白馬にまたがって」「頭痛が痛い」の類い(重語、二重表現)も冗語。おもしろ表現だが、そうとは知らず使われることも少なくない。

例)「わが巨人軍は永久に不滅です」(長嶋茂雄、現役引退スピーチで)※不滅は永久に滅びないという意味だから、実は「巨人軍は永久です」または「巨人軍は不滅です」だけでよい。
「クーポン券」「チゲ鍋」※外来語+同じ意味の日本語。

●「同じ言葉を重ねる」トートロジーや重語と対照的なのが、「正反対の言葉を重ねる」撞着語法。※撞着≒矛盾

例)負けるが勝ち、小さな巨人

●放送(とくにテレビ)とは──坂本による定義

「テレビとは、見えるものや聞こえるものを電気信号に変換し、離れた場所に送って、多くの人が見たり聞いたりできるようにするシステム」

※この定義は、現在、放送やテレビ(の制度)に含まれないインターネット放送(テレビ)も含んでしまうことに注意。厳密には、上記の言い方に「のうち、多くの場合は国単位で放送制度として認められ運営されているもの」とでも付け加えればよい。

詳しくは以下を熟読のこと(比較的若い放送局員むけに話した内容)。

テレビの原理と放送局
(テレビとは? 地上放送局とは?)


キモは、電気信号(映像・音声)への変換、みんなに送信。

●放送(とくにテレビ)とインターネットとの違いは?

両者の違いを吟味することは、放送やテレビを知るうえで、また過渡期にあるネットの報道を考えるうえで、おおいに役立つはずだ。

《学生意見まとめ》
テレビは一方向(1対多)、ネットは双方向(多対多)。
テレビはプロがつくる、ネットは誰でもつくれる(コンテンツ)。
テレビは大規模、ネットは大~小規模さまざま(施設、コンテンツ)
テレビはターゲットが広い・あいまい、ネットは狭い・細分化。
テレビは一回きり、ネットはSNSなどで拡散。
テレビは免許あり、ネットは免許なし。
テレビはコンテンツ数が少ない、ネットは膨大。

詳しくは以下を熟読のこと。

インターネット(パソコン)と放送(テレビ)何がどう違うか?

【坂本 衛】

第2回 日本語とはどういう言語だろう? 2017-04-21


●日本語とは?

・主に日本国内や日本人同士の間で使われている言語
・系統不明な「孤立言語」
 (アルタイ語族? 南島語族? それらの混合?)

ネットユーザー統計
日本語の起源(Wiki)
ウラル・アルタイ語族(同)※現在では別のものとして分類
オーストロネシア語族(同)

●日本語の特徴は?

・膠着語(言葉に活用語尾や助詞の類いがくっつく a→a+x)
 ⇔屈折語(くっつかず言葉そのものが変わる a→A)
・SOV型
 ⇔SVO
・題述構造(象は餌をやった 象は歩く 社長は私だ)が頻出する
 ⇔主述構造(象が歩く 象は歩く 私が社長だ)
・修飾語が前にくる
 ⇔修飾語が後ろにくる
・敬語(尊敬・謙譲・丁寧・美化など敬意表現)が複雑で多様で微妙
・和語・漢語・外来語が混在
・擬声語(擬音語・擬態語、オノマトペ)が多い

日本語(Wiki)
膠着語(同)

●ということは、日本語表現には……

・主語がはっきりしない(場合がある)
例)社長である。
→シチュエーションによって、意味が違う。
 「責任者は誰か?」と聞かれて……社長だ(と私は思う)。
 朝礼の第一声で……私が社長だ(わかってるね)。

・何が言いたいか、結論は何か、すぐにわからない(場合がある)
例1)
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of political morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all nations who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.

例2)
首相は、……で、そのうえ……であるから、高く評価できる。
首相は、……で、そのうえ……であるから、高く評価できるか?
首相は、……で、そのうえ……であるから、高く評価できない。

・文の(本来の、直接的な)意味以外の意味が通じる(場合がある)
例1)ありがたい。……めったにないことである。(感謝)
例2)お待たせしました。……私はあなたを待たせたところである。(謝罪)
例3)申し訳ありません。……申しあげる言い訳が存在しない。(謝罪)
例4)謝罪したいと思います。……(謝罪?)

・曖昧/微妙/細やか/間接的/感情的/消極的/婉曲/遠回し
 といった表現が多い(ようだ)。
以上が日本語そのものの特質か、話す日本人のせいでそうなっているのか、その両面があるのかは、また別の問題。英語とだけ比べて「日本語は特殊」「曖昧」「非論理的」などと考えるのも早計。

●そこで、あれこれ考えよう

・以上のような問題は、放送や報道の日本語表現に、どのように表れているだろうか?
・それを、日本の放送や報道の問題点といえる場合があるだろうか?
・いえるならば、どうすれば問題が改善されるだろうか?

●推奨本

三浦つとむ『日本語はどういう言語か(講談社学術文庫)
送料込み400~500円で入手できるならば、一読を勧める。

【重要】
1)受講生は、坂本にメールを出してください。
2)坂本からの返信が受信できることを確認してください。PCメールをハネる設定にしている者が多いので。
3)ノートを用意し、メモを取りなさい。本ブログを書き写すようなムダはしないこと。
4)前回と今回のブログにコメントしなさい。次回以降も同様。
5)なお、以下に留意のこと。『Newsweek日本版』は2010年7月、「イギリスのある調査では、アンケートに回答した企業経営者の半数が、就職希望者の未熟な面(酒におぼれたエピソードや不法行為の写真、文法の間違いなど)をフェースブック上で発見した場合、採用を見合わせると回答した」という趣旨の記事を掲載した。


【坂本 衛】

第1回 【前期ガイダンス】なぜ、いま「放送・報道の日本語表現」を研究するか? 2017-04-14


1)自己紹介

坂本衛のプロフィール(経歴)
坂本衛facebook
最近の本の仕事その1 佐藤優・田原総一朗『この世界を知るための教養』(アスコム刊)
最近の本の仕事その2 榊原英資『日本国債が暴落する日は来るのか?』(ビジネス社刊)

2)この授業について

本年度シラバス
授業の目的は次の二つ。
1)放送・報道がヒドい状況だ。それらは日本語表現。だから研究する。
2)学生諸君は日本語表現が苦手(なはず)。それを学ぶことになって一石二鳥だ。

3)坂本がヒドいと考える放送・報道の例

・熊本地震報道から……「無数のブルーシート」「果てしなく続く地割れ」「完全に横倒し」「1階が完全に潰れ」
坂本Facebook記事(2016年4月15日)
坂本Facebook記事(2016年4月17日)

・鳥取大雪報道から……「スリップ防止のためか、通行止めです」
坂本Facebook記事(2017年2月13日)

・誰かの発言を右から左へそのまま伝えるのが報道の役割か? メディア=媒体=二つの間にあるもの。油絵で絵の具を溶く油をメディウムといい、色がついていると困る。報道も無色透明でいいのか?

・国旗上下の話(これは別にヒドくない。文句つけるほうがヒドい例)

4)質疑応答

・なぜ、報道する者は大げさに、過剰な修飾語(形容詞や副詞)を連ねて報じるのだろう?
(学生)誇張したいから。
(坂本)いやいや。だから、なぜ、誇張したいの?
 報道者が「すごい」と興奮し、舞い上がっている。
 自分は「すごいこと」を伝えている、と伝えたい。

・「形容詞を使うのはおやめなさい」「あなたは『美しい』という言葉を一切使わずに風景を描写なさい。『美しい』と思うのは読者です」(ナルニア物語のC.S.ルイスが、読者の手紙に答えて)
・学生Aの質問:ヒドい報道をなくしていくには、どうすればよいか?
・学生Bの質問:報道が無色透明でないならば、その色を見定めるには、どうすればよいか?

【坂本 衛】

放送(テレビ)とネット(PC)の違いを意識し、小論文を書く 2013-12-13

放送(テレビ)とネット(PC)の違いを意識し、小論文を書く

●「起承転結」のおさらい

起承転結……物語・文章などの構成方法の一つ。
もとは漢詩「絶句」からきた言葉で、4行を起句・承句・転句・結句と呼ぶ。

【例】柳宗元「江雪」
千山鳥飛絶(すべての山で鳥が飛ばなくなり)
萬徑人蹤滅(あらゆる道で人の足跡が消えた)
孤舟簑笠翁(ぽつんと浮かぶ舟で簑笠の老人が)
獨釣寒江雪(雪降る川に一人釣り糸を垂れている)
※最初の2行は「対句」になっている。
縦に2文字読んで意味が通じる箇所の多いことに注意(熟語の起源を想起せよ)。
江雪のイメージ

起……出だし、言い出し、序、問題提起
承……(and)前段を受けて続ける。うん、まあそうだろうという展開
転……(but)話題をがらりと変え、目を引きつけ、オヤッ?と思わせて展開
結……まとめ、締めくくり、結論

東京新聞「からむニスト」2002年(起承転結になっているものを探してくれ)
GALAC巻頭論文(同上)

【おまけ二つ(雑談)】

●「でんこちゃん」は「原発批判はしないでね」というテレビへの事前・常時の資金提供。ふつうの意味の(物を売るための)CMではない。そんなことは2011年3.11の10年前からわかっている話。
でんこちゃん

●北朝鮮の核武装も、2003年段階でわかっている話。実験してから慌てふためくなど愚かなこと。
北朝鮮の核武装

●今回の小論文の書き方

起……テキトーに
承……前段につなげて、放送とネットが「似ている」という話を書く
転……にもかかわらず、放送とネットはこんなに「違う」という話を書く
結……テキトーに

先週・先々週の議論(おってブログに掲載)を参考に。
提出期限は12月20日(400字原稿用紙3~4枚=1200~1600字)。
当日欠席の者はメール提出可。
添削しブラッシュアップの後、当ブログに掲載予定(来年)。
学年を問わず、提出しない者には単位がつかない。
【坂本 衛】

放送(テレビ)とネット(PC)の違いを考える(その2) 2013-12-06

放送(テレビ)とネット(PC)の違いを考える(その2)

●放送(テレビ)とネット(PC)の違いを黒板に書き出す

131206黒板

●参考:インターネット(パソコン)と放送(テレビ)何がどう違うか?

インターネット(パソコン)と放送(テレビ)何がどう違うか?
【坂本 衛】

放送(テレビ)とネット(PC)の違いを考える(その1) 2013-11-29

放送(テレビ)とネット(PC)の違いを考える(その1)

●放送(テレビ)とネット(PC)の違いを黒板に書き出す

131129黒板
【坂本 衛】

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主宰者から

日本大学藝術学部放送学科

●このブログは、日本大学藝術学部(日芸またはNGと略)放送学科の授業の一環として設置しています。学外の方も自由に閲覧やコメントしていただけます。学生らの活動を厳しく、ただし温かく見守っていただければ幸いです。学生には「ブログ炎上も授業のうち」といってあります。

●ブログ開設は2006年ですが、1999年からマスコミ演習、マスコミII、放送特殊研究Vといった授業を担当しており、2005年以前のレジュメなど古いものも置いてあります。(坂本 衛)
 

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